1匹
差別は多くの人たちを苦しめたと思われていますが、差別によって苦しんだのは人間だけではありません。
差別によって死んでしまった人も多くいます。ですが、死んでしまったのは人間だけではありません。
そう、人間だけではありません。
今日も朝ごはんはシリアルの残りだ。
もう何日これだけで過ごしていたか、覚えていない。
もう残りも少ないのに買い出しにも行けない。
シミが付いたシャツを着て、色が薄くなったスーツを羽織り家を出た。黒人
電車なんか高価な乗り物には乗れないので、長時間かけ歩いていく。
大量の汗を流しやっと着いた。
大きく綺麗なビルだった。
世には少ない自動ドアを通り中へ入る。
「あのぉ。就職の件でお伺いしたのですがぁ。」
僕の言葉を聞き最初は笑顔のはいと答えたが、僕の姿を見るなり目つきが変わった。
「就職の面接ならそこです。早く行ってください。」
その女性の言う場所に行きドアを開けた。
そこには僕の同じように就職を目的とした、僕より圧倒的に年下の人たちが座ってた。
僕はその人たちの目線を気にしながら少し離れた席に座った。
そして僕の番が来た。
「えっと君。」
「はい。」
「君さ。黒人の分際でこの会社に就職しようと思ったの?」
「はい。でもしっかり働けます。力仕事だけでも別にいいです。お願いします。」
「力仕事って言ったってね。もう十分いるんだよ。学力も大してないお前らが働こうなんて早いんだよ。」
その言葉を最後に僕は警備の人に強制的に追い出された。
これで何度目だろうか。
黒人だからと仕事に就くことができず、勉強しても学校に入れてもらえず。
罵倒される人生を送ってきた。
そして僕は、歩いてきた長い距離をとぼとぼと周りの囁き声を聞きながら帰っていった。
家に着くと着替えることもなく、そのままマットレスに倒れ寝てしまった。
そんな時だった。
外から何かの声が聞こえたのは。
まだ最初の話であまりこの小説について知らないことも多いでしょうが、
これから頑張って面白く書いていきたいと思うのでよろしくお願いします。
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是非次回もお楽しみ。