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驚きの報告②

テマソンはなんのことなのかまったく分かっていない様子だった。

だが、編集部の人間は皆知っている様子だった。そこでシャリーが笑顔で言った。


「もう、しっかりしてよね。今日のコルドリアムドームで新作制作現場披露パーティーがあるでしょ。7万人のファンが世界中から集まるのよ」


「新作制作現場披露パーティ―ってなんの事?」


「あれテマソンあなたも知らなかったの?」

「???」

テマソンは本当に聞いていないらしい。


「テマソン、今夜はAOKA・SKYのパーティーがあるのよ。今回はテマソンもSKY先生として碧ちゃんと一緒に挨拶するっていうので、ファンクラブのみんなもすごく楽しみにしてるのよ。かくいう私もだけど、この日の為にフランスから間に合うように帰ってきたのよ。帰りのチケット確保大変だったんだから」


シャリーの言葉に聞いてないって驚きで固まるテマソンの後ろから大量の書類を手にライフが編集室に入ってきた。


「これ、今回のサイン会の書類なんだけど、僕のサインは入れておいたから再確認しておいてくれる」


のんきに入ってきたライフの碧華とテマソンの二人が詰め寄った。


「ちょっとライフ! 今日の新作制作現場披露パーティーってどういうこと? そんなこと聞いてないわよ。どうしてそんな重要なこと秘密にしていたの?」


「そうよ、私も聞いてないわよ、何7万人ってどういうこと?」


二人に詰め寄られたライフが笑顔で言った。


「あれ二人に言ってなかったっけ、ごめん、なんか、話が大きくなっちゃってね、だけど、大体おかしいと思わなかったの、碧ちゃんのファン世界中にどれだけの人間がいると思っているんだよ、このアトラスだけだってすごい数なんだよ、それなのにサイン会に1000人だけしか集めないなんて普通ありえないでしょ」


「そっそれは私もチラッと思ったけど、私の人気もそろそろ陰ってきたかな・・・って」


「えええ~ありえないよ。ネットみてないの、先に抽選でゲットした新しいファンの子たちのツートやばいよ、限定販売じゃなくて一般発売してって苦情が殺到してるんだよ、どこで聞いたのか、今日、ファンクラブ主催のパーティー会場の外のブースで詩集が販売されるって聞きつけた新規のファンたちがコルドリアムドームに殺到して、すでに最寄駅はパンク状態だって書いてたよ」


「そうなの?でもどうしてそうなるのよ」


「戦略じゃないか、AOKA先生とSKY先生にはまだまだ現役で頑張ってもらわないとね、今日のパーティーでは即興で参加者限定で配布する新作限定本の作成にもチャレンジしてもらう予定なんだから頑張ってよね」


「はあ? 何言ってるのよ、私はねえ疲れているの無理に決まってるでしょ。新作なんかホイホイ頭に浮かんでくるわけないでしょ。これ以上か弱い老人をこき使わないでよね」


「え? か弱い? 何かの間違いじゃない、碧ちゃんも叔父さんもまだまだ若いよ、即興でいつも新作完成させているじゃないか、今回はね会場内に印刷機を持ち込んでフル稼働させて、三時間以内に新作10作の詩集と挿絵を完成させ、この間限定販売された新作五作も含めた最新盤を目の前で印刷して、帰りにファンに持ち帰ってもらおうっていう企画なんだから、頑張ってね。ここにいるスタッフも全員後で向かうからさ」


「はあ? どうして私達がさらし者みたいにならなきゃいけないの? 作業風景なんか見て楽しいの?」


「あらファンにとったら激レアものですわ。目の前で新作ができあがるのを見れらるなんて感激だわ」


「これを楽しみに高額なチケットを買ってたくさんのファンの人達がこのアトラスに集結してるんだから。じゃあ僕も夜駆けつけるから頑張ってね」


「そうなのよ、私もがんばってフランスで写真たくさん撮ってきたんだから、今まで撮りためた写真も混ぜていい詩集作ろうね」


自分が買ってきたケーキをほうばりながら笑顔でいうシャリーに碧華とテマソンは茫然と立ち尽くした。


「さあ、時間がありませんわ。特に碧ちゃん、磨き上げませんと、肉体疲労回復液は最高級の物を手配済みですし、睡眠なら移動の時間がありますから、ゆっくりお休みになって、碧ちゃんが快適に眠れるようにリムジンを改造しておりますから」


笑顔でカリーナはそういうと、編集室の外の控えているガードマンたちに合図し、放心状態の碧華とテマソンを確保し、編集室を出て行った。その後をシャリーも楽しそうについて行くのだった。








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