1/2
なぜ彼は英雄となったのか…
「おぎゃー おぎゃー」
木造建築の一軒家の一室でその赤ん坊は初めての産声を上げた。
小さな赤ん坊を抱きながら微笑む母親と目に涙を浮かべながら赤ん坊の頭を優しく撫でている父親の姿があった。
そんな、家族の幸せな空間を神が祝福しているかのような太陽の光が部屋の小窓から燦燦と降り注いでいた。
その日、田舎の集落では、中央の広場で火を囲みながら新たな生命の誕生を村民全員が祝った。
この赤ん坊は後に 英雄 と呼ばれるようになる。
この物語はそんなお話。