リザードマンの集落で
ここで《吸収》と《擬態》の説明
《吸収》と《擬態》はセットみたいなもので、吸収したものに擬態化できます。
一度吸収したものなら出しても擬態できます
俺たちはリザーマンたちにとてももてなされた。リザーマンたちの人口は600人程度だった。ファイヤードラゴンが住み着く前は1000人ほどいたらしいのだが、今となっては逃げていくものや、生贄にされたもので数が少なくなってしまっていた。
俺はリザーマンの族長である。ジーンというひときわでかいリザーマンに接待された。リザーマンの区別はしにくいが、彼だけはとくべつわかりやすかった。
宴で俺はバカみたいな量の酒が用意されていた。おれは未成年なので飲みたくなかったが、結局飲むことになった。まぁ少しだけどね。少し。そんな中ジーンにある相談を受けた。
「晶様、あのですね。ファイヤードラゴンのおかげでこの村にも孤児が生まれてしまったんですよ。殆どの孤児は誰かに引き取られたのですが、その子は少し異常でね。姿がドラゴンになれるんですよ。普段は人間のような格好でしてね。もともと冷たい目で見られていたのですが、ファイヤードラゴンのせいでさらに悪化してですね。その時は彼女の両親がドラゴンからの防衛に一役買っていたので問題は少なかったのですよ。でもー、両親が死んでしまったので、集落から除け者にされてしまっているんです。引き取っていただけませんかね?」
「まぁそれはいいのだが、その子に合わせてくれないか?女の子なんだろ?」
「女の子という年ではないんですが、あなたと同世代くらいでしょうか?」
じゃあ連れて行こうかな?と思ったらおれがいます。
おれは宴の後族長とともにその子が一人で生活している掘っ建て小屋に行った。
中にはあまりにもうえて、ガリガリの女子がいた。
おれは流石に見かねて彼女を回復する。怪我とかもそれなりにしていたからね。
「おいおい。こんな状態になるまで放置するのはダメだろ」
「返す言葉もありません。ファイヤードラゴンが現れてからは食料も貴重になっていたので彼女に回すことができなかったんです」
「まぁそれもわかるが...よし!おれが引き取ろう」
「ありがとうございます。村を助けてくれて、さらにこんなこ...」
「まぁそれはよしてくれ。おれの判断だからな」
おれは彼女を抱え、井戸から水を汲み上げ、彼女を洗った。女子高生の体に触れたので少し嬉しかった。周りの人も嫌な目で見ていたが、おれだと分かるとその目もなくなった。
無茶苦茶美少女だった。薄汚れててよくわからなかったが、美人だ。おれは彼女を布で拭き、泊めてもらうことになった村長さんの家に行った。俺たちには一部屋貸してくれたので、ナーシャにこの事を説明することにした。
「晶様、その女の子は誰ですか?」
「ドラゴニュートっていう種族らしくて、酷い目にあってたらしいから引き取ることにした。美人だしね」
「まぁそういうことならいいんですが...私のことは、そのー、美人だと思ったりしないんですか?」
「そういう事を言っちゃいけないよ。おれだって男だからね。押し倒しちゃうかもよ」
「えっ!いやーまぁそのー、別にしてもいいんですよ」
「いやいや。流石に高校生で子持ちになるのはまずいって。まぁひとまず冷静になれ。寝るぞ!」
少し、やってしまおうかとも思ったが自重した。流石におれはまだ高校生だからね。
っていうかやっていいの?
...冗談だろう
おれはそんな事を考えながら寝た。
翌朝
横でカサカサという音がするので起きた。
もぞもぞとベットの中で動くものがあった。
「おい。早く起きろ」と女の子に言う
「えっ!ここはどこ?」と彼女が言った後に
「グーーーー....」と言う音が聞こえてきた。
「村長に頼んで一色用意してもらおうか」
「えっえっ、はっ、」動揺している彼女を無視して村長のところまで行く。おれは村長の部屋を叩く。
「えーっと、一食だけもらえませんかね?すぐに出るんで」
「妻が用意してると思うので下で待っててください。私もすぐ行きます」
「あの女の子もいいですか?」
「まぁいいと思うのよ」
「ありがとうございます」
おれは部屋に戻り、いつのまにか起きて女の子と話していたナーシャと女の子を引き連れ、下の階に降りた。
そうすると村長の奥さんが
「あーほんとに連れて行ってくれるんですね。あまりにも酷いんで助けようか?と思ってたんですけど心配なかったですね」
「えっ!私を連れて行ってくれるんですか?」
「ああそのつもりだが、嫌か?」
「いえ。ありがとうございます。一応自己紹介しておきますね。私の名前はヴェルディです。あるじ様の名前はなんと言うのでしょうか?」
「先ほど教えたではないですか」とナーシャがいう。
「まぁいいよ。おれの名前は海堂 晶だよ」
「晶様ですね」
「新人がそんな風に行ってはいけません」
とナーシャが言っている。一番目の配下とか気にしてるのかな?
「いいって。まずジーンさんたちからいただいたご飯を食べよう。そしてら俺たちと一緒に旅に出よう。ヴェルディ」
「私は晶様の奴隷として昼も夜も奉仕いたします。どうか見捨てたりしないでください」
「わかったから、早く食え」
「はい!」
「ちなみにだけど私の名前はナーシャ。晶様の一番奴隷」
「えっ、いつ奴隷になったの?さらに言えば契約とかどっちもしてないよね」
「でも一番奴隷です」
「あっはい」朝からナーシャが怒っているようなのでここはおとなしくしておこう。もしかしておれがヴェルディに取られるかもしれないから?
まぁ彼女みたいに強くて、美人な人がおれなんかにヤキモチするはずがないよな
と自問自答する
結局ヴェルディが相当な量を食べてしまったのでファイヤードラゴンの肉の部分をあげた。鱗とかは売れるらしいからね。
ファイヤードラゴンはメチャクチャ美味しかった。あの熊の何倍もうまかった。
ステータスに変化なし