3話 初戦闘
あれから3週間が経った。周りのメイドからは引きこもりの雑魚。居座るだけのゴミ。と思われているが、俺は劇的に強くなったと思う。普段は10時間ほど特訓している。普通じゃありえない内容を、まぁポーションがあるからできるんだけどね。
今日も訓練を始めようとした。
最近は防音の結界を張る魔法具を使ってしている。
「では始めましょう」
訓練と言っても正直言ってボコられるだけだ。でもボコられる中でどうやったら勝てるか?を考えてそれを実行している。
今日も思いっきり殴られた。吹き飛んだ。
普段なら腕に紫色の痣ができ、骨折くらいしている。流石に複雑骨折にはならないように気を使ってくれているようだが、今回も一瞬腕に激痛が走ったが、痣もできていなくそれ以降痛くなかった。
「ナーシャ、なんか俺の腕治っているみたい」
「晶様!スキルに《超再生 神》というものがあります!すごいです。極ではなくて神ですよ!絶対その上のランクじゃないですか!」
「おっおう、ちょっと試してみたいんだけど。このスキル」
と言って、
爪を使って思いっきり腕を引っ掻いてみた。流石に前までは躊躇いがあったが、最近は痛いのに慣れてきたし、いざとなったらポーションがあるからと無茶をするようになってしまった。
一瞬ちくっとしたが、みたときには既に外傷はなかった。
「流石晶様です、これで訓練がたくさんできますね」
「そっそうだね」
訓練が再開した。休む暇もなく攻撃が飛んでくる。今回はナーシャも容赦なくしてくるので、壁に穴が空いてしまった。オブラートに隠しておいた。ちなみに家具とかは多くのものを入れれる袋の中に打ち込んでいる。
今日は昼ごはんも抜きで20時くらいまで動き続けた。流石にナーシャは疲れていたが、俺は全く疲れていなかった。さらに言えばお腹も空いていない。
どうやら飢えや疲労感にも効果があるようだ。
まぁ部屋を元に戻して、一緒に食堂へ向かった。流石にナーシャはお腹が空いていたようだ。普段はご飯を届けてくれるのだが、今日は断っていた。
向かっている途中ある部屋の前を通った。俺たち勇者の部屋は国家の要人が止まるようなところなので、城の中でもそれなりに高いところにある。なので、大臣などの執務室の前を通りながら移動した。ここが近道だったからね。
「勇者達をうまく使ってミエルド魔導国を攻めますか?」
「あー、あの勇者達もそろそろ使えるだろう」
と声が聞こえてきた。
「そこに誰かいるぞ!!」
「防音結界はどうした!」
俺たちは即座に逃げようとした。
なんかやばい感じがした。
「私に捕まってください!!」
とナーシャが叫び、手を出してきた。
俺はその手を持つ。
思わず目を瞑ってしまうような光が出て、目を開けると森の中だった。
「おい、ナーシャどういうこと?」
「えーっとですね。あれは転移の石で転移したい場所に登録した後に使うとその場所に転移できるというものですね.....」
「じゃあここどこ?」
「大変申し上げにくいのですが、登録していませんでした!!!」と土下座をしてきた。
その彼女の後ろからでかい熊が彼女の頭を飛ばそうとした。俺は咄嗟に前に出て、それを体で受け止める。
血しぶきが一瞬でたが、すぐに治った。
ナーシャは俺の血しぶきに動揺しつつもすぐに殴りかかった。俺も負けじと殴る。
俺は思いっきり殴っても怪我をしないので、容赦なく殴った。一瞬腕が複雑骨折し、筋肉の殆どが切れた気がしたが、筋肉も骨もすぐに戻ってくれた。さらに言えば筋肉は切れて、それが治されることで強くなるので俺の筋肉は増えたのだろうと思う。一気に殆どの筋肉が切れたので、相当強くなったことだろう。
そんなことを考えていると熊の爪が頰に飛んできた。またまた鮮血が宙を舞う。
痛みを我慢して熊に負けじと殴る。
少し熊もこたえたようだ。おそらくだが、熊よりも俺の手の方が痛かった。瞬間的には。
そのタイミングでナーシャも熊の頭を殴った。俺はすかさず目潰しをしてやった。熊は悶え苦しんでいた。熊の頭を蹴ったり殴ったりしまくった。
やっとの事で熊は死んだ。
「ナーシャ、やったな」
「ええ。やりました。あのキンググリズリーを素手で倒しました」
「・・・あのキンググリズリー?」
「そうですよ。あのキンググリズリーですよ」
「そんなやばいやつだったの!?」
「森の王と呼ばれたりもしていますよ」
「・・・」
「ではこいつの肉を食べますか、こう見えてこの肉絶品なんですよ」
「う、うん」
感想くれると嬉しいです