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239. 魔法の迷路

「ねぇ、スミスさん」

「アキさんも気付いたっすか?」

「これ……戻ってるよね、多分」


 合流して、再度歩き始めてから10分ほど経っただろうか?

 けれど、いまだに終わりは見えず……むしろ、曲がった方向から考えると元々いた部屋に向かってるような……。


「あぁ、やっぱり……」


 そんな話をした直後、たどり着いた部屋は……僕らが元々いた、あの入口の部屋だった。



 部屋に戻ってきてしまった僕たちは、ひとまず状況の確認と方針決定のために、再度パーティーリーダーだけで集まる事になった。

 でも、まっすぐ帰ってきただけだから、そんなに確認する事もないと思うんだけど……。


「ひとまず、レニーさんとスミスさん、オリオンさんで手分けをして、他のパーティーの方の状態を見てきておいてもらえますか? 多少なりと戦闘もしてたでしょうし」


 会議をしている間にも、やれることはやっておきたい。

 そう思っていた僕の気持ちが伝わったからか、3人はそれぞれ頷き、少しの準備の後、分かれるように走っていった。


「しっかし、仕掛けがねーな……とは思っとったんやけど。アル、これはアレやな」

「ああ、古典的ではあるが、ある意味最も面倒とも言える仕掛けだ」

「旦那に言われて試してはみやしたが、予想通り、どこも破壊不可オブジェクトでい!」

「やはりか。となると……真っ向から仕掛けを解くしかない、か」


 集合した直後、頭を突き合わせるようにして、アルさん達が会議を始める。

 今回は僕にだってわかるよ!

 通路が迷路になってるってことだよね?


 実は再度歩き出してからの道すがら、スミスさんから各神殿には入口以外にも色んな仕掛けがあったことを聞いていた。

 もっとも、スミスさんが体験したのは風の神殿だけってことだけど、風の神殿は暴風吹き荒れる道が沢山あったみたいで、遠回りしたり、一瞬止まるタイミングを見計らって通ったりと、色々やって進んだらしい。

 他にも、水の神殿だと、魔力を通すと水位が変わる場所があったりして、水位を変えることで橋が動いたり、渦が出来たりと、これもまた大変だったってスミスさんはアルさんに教えて貰ったらしい。


 そうやって考えると、迷路って結構簡単な仕掛けだよね?

 右手の法則とか使ったら時間は掛かってもクリアできるわけだし。


「単純に迷路って言ってしまえりゃ簡単なんやけどなぁ……」

「ん? 違うの?」


 僕の心の声が聞こえたみたいに、タイミング良くトーマ君がそんなことを言う。

 その言い方だと、迷路じゃないって聞こえるんだけど……。


「迷路は迷路やな。ただまぁ、なんつーか……」

「ただの迷路ではなく、道中の道が変わる魔法の迷路、というわけだ」

「道が変わる……?」

「せやで。つっても、変わっとるタイミングで見れたわけやないから確定やないけどな。ただ、壁の向こうに空洞があるにも関わらず、繋がってへん所だらけやし、壁を壊そうにもシステム的に壊せへんようになっとる。こんなん、そうやって考えるのが普通やろ?」


 あー、なるほど……。

 トーマ君は確か、マッピング関係のスキルも持ってるんだっけ?

 なら、途中で気付いて色々試しててもおかしくないか。


「それで、どうするの? また分散する感じ?」


 僕の言葉にトーマ君は苦笑気味に顔を歪めて、首を横に振った。


「いや、それやと多分一緒やな」

「そうなの?」

「多分やけど、この部屋に誰か残っとったらあかんのやろうなぁ……。時間があるなら全部のパターンを試すんやけど、あんまし時間を掛けるときついメンバーもおるやろうし、ここは大きく変えた方がええやろ」

「ああ、その予定だ。憶測ではあるが、3つの道のどれかを選ばないといけないのだろう。そのうちのどれかが正解というパターンか、もしくはもっと別の違いがあるのかは分からないが、な」


 アルさんはそう言葉を締めると、すぐに全員を集め、出発の準備を始めさせる。

 その顔は普段のアルさんと同じように見えて……少しだけ余裕が無さそうにも見えた。


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