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104. 成功と成功?と

「アキ様……、これは……?」

「んー……、わかんないけど……。成功か失敗か、どっちにしても一度取り出してみないと調べようがないし、出してみよっか」

「は、はい」


 シルフと協力して、ゆっくりと薬草を鍋から取り出す。

 なんだろう……、色がさっきより薄い……?

 本来、薬草は深い緑色をしていて、その色がポーションにも表れてるんだけど……。


「でも、鍋に入れる前より瑞々しい感じがしますね」

「確かに……、水につけたからってだけじゃなさそうだね」


 実際、まな板の上に置いてみても、どことなくハリがあるような。

 それこそ、若返ったような感じですらある。

 さてさて、素材自体に変化が出てたりとかは……。


[薬草(純):10秒かけてHPが7%回復

苦みの成分が減った薬草。そのままでは効果が薄い]


「よっし!」

「やりましたね、アキ様!」


 シルフと二人、ハイタッチで喜びを分かち合う。

 苦みの成分が減ったってことなら、味にも影響があるはず……!

 これなら苦みの無いポーションが……!


「よし、それじゃさっそ……」


 コンロへと目を動かしつつ、早速、と言いかけた僕の視界に、あの紫の水が飛び込んできた。

 そういえばそうだった。

 アレ、片づけてなかった……。


「……まずは片づけかなぁ」

「そうですね……」


 上がったテンションを一気に下げつつ、そっと鍋の中身を見てみる。

 さっきは気付かなかったけど、結構目に染みる匂い……。


「これ、もしかしてこっちも何かの素材になったりしないよね……」

「ど、どうでしょう……」

「とりあえず1本だけ、取り出してみよう……」


 モノは試しということで、瓶へと移し替えることに……。

 掬いあげてみると、なんだかトロっとしてる……。


「うわぁ……」


[抽出液(薬草):薬草の苦い部分のみを抽出したもの

苦みが強く、このままで使用できない]


「悪いところを抽出した残り……なんだろうけど……」

「一応素材にはなりそう……ですね」

「このままじゃ使えないみたいだけどね」


 とりあえず素材ではあるみたいだし、取っておくだけ取っておこうかな……。

 でも、これ……あんまり自分からすすんで使いたくない……。

 そう思いつつも、ひとまず瓶に移せば、全部で6本になった。

 それを、ささっとインベントリに仕舞い、気を取り直して鍋を洗っていく。


「ひとまずは、同じ作り方でポーションを作ってみて……」

「苦みが減ってればいいですけど……」


 洗い終わった鍋に、水を入れて火にかける。

 その間に[薬草(純)]を刻んでから、沸いたお湯の中に投入した。


 グツグツと煮詰めつつ、浮いてきた灰汁を取っていき、程よくお湯の色味が変わったタイミングで、火を切る。

 そして、いつものようにシルフに冷ましてもらい、瓶に入れ替えれば……。


「完成っと」

「特に変化はなさそう、ですね……?」


 比較対象として、インベントリから[最下級ポーション(良)]を取り出し、今完成したものと並べて置いてみる。

 中身の色も変わらなさそうだし、作成にかかる時間も変わってなかった気がする。

 しかし、元々作っていた方の詳細に比べると――


[最下級ポーション(良):10秒かけてHPが20%回復

多少苦味が抑えられている]


[最下級ポーション(良):10秒かけてHPが20%回復

よく苦味が抑えられている]


 回復量に変化はないけど、文章が少しだけ変化してる!

 これなら期待できるかもしれない!


「よし、それじゃ飲んでみよう!」

「は、はい! お水準備しておきます!」


 シルフがカップに水を入れてくれているのを横目で確認しつつ、ゆっくりと腰に手を当てて……。

 僕は勢いよく、瓶の中身を口へと運んだ。

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スタプリ!―舞台の上のスタァライトプリンセス
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