僕の明るい殺人犯行。
はい、どぉもぉ。僕でぇ~す。
あ、そこのあなた、僕ですよ?わかりますか?
アレ誰だっけ?って、本気で考えて記憶探って、それでもわからなくてでも言えなくて・・・のきょどった顔が、僕ってば好きなんだよね~。
知ってるわきゃないんだけどね。初対面だもの。
それなのにさ、「久しぶりだね~、いつだか約束したご飯でも行こうよ。」って、強引に誘うと結構困りながらも八割ぐらいは、付いてくるんだよね~。
なんて言うの、僕さ、外見がすごく見栄えいいんだよね。それに騙されてる感じなのかな。
僕みたいな容姿で明るく声掛けてると、人を騙しているなんて思わないみたい。
あー面白い。
でもね、本当に面白いのは、ここからなんだよね。
始め困ってたはずなのに、いつの間にか僕に気を許しちゃってさ。莫迦だよね。
面白いから僕は上機嫌でしょ。そうすると、相手もなんだか浮かれてくるみたい。
終いには長年の連れ合いみたいに感じて、僕の方が心配になっちゃうよ。
ホント、大丈夫?
楽しくお食事して、いい気分で帰途に就く。
油断しきって、僕の誘導に気が付かない。
「ここね、夜景が綺麗なんだよ。君に見せたいと思ってさ。」
その一言で、女性なら一発だね。
うっとりとした表情で、付いてくる。
人気がないのを確認すると、ここからは僕のお楽しみ。
一気に口を塞ぎましょう。これは、速さが勝負だよ。
騒がれたら、萎えるっしょ?
何が起きたか解らない顔。その顔も好きだよ。
毎日磨いて、キラキラの輝く白刃を見せると、みるみるうちに青ざめて行く。
これがまた、堪らない快感を覚える。
軽く頬に刃を当てて、横にすっと引く。
うん。今日もいい切れ味。最高だね。
うふふ。次は、どこを切り裂こう。
少しずつ、恐怖と痛みを与えるんだ。
青ざめていた顔は、愈々もって色を無くす。そして、痛みに顔が歪んでくる。
ああ、いいね。その歪んだ顔は、美しいよ。
今日の獲物は、当たりだったみたいだね。
気分がいいから、鼻歌でも歌っちゃおうかな~。
健康そうな四肢を裂くと、綺麗な緋が流れ出てくる。
いいね。そのくぐもった、苦痛の声も。凄くそそられるよ。
ざくっ。ざくっ。
僕のリビドー最高潮!!
そして、最後の仕上げは、やっぱり心臓狙い。一気に押し込み、一気に引き抜く。
素敵な大輪の薔薇が胸元に咲き誇る。
うん。今日も満足。
大輪の花を咲かせたら、もう君に興味ないんだよね。
だから、僕は帰るね。
ばいばーい。