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歌の葉  作者: 黒茜
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ひとりぼっちの話

 ある村のはずれには

 不幸な少年がいた

 親は死に親戚も死に

 独りぼっちの少年がいた

 少年の心は見えない


 ある日、村のはずれに

 優しい少女が来た

 少年に恋し少年を愛す

 夢見る少女が来た

 少年の心は見えない


 遊ぼうと少女は言う

 帰れと少年は答える

 悲しいのねと少女が言う

 一人にしてくれと少年が答える

 少年の心は見えない


 孤独でかわいそうと人は言う

 幼いという事をスパイスに

 憐憫が雨のように降り注ぐ

 少年の心を知らない

 少年の心は見えない


 夜が無限に折り重なったような

 墨で埋めたプールのような

 目を閉じた先の世界みたいな

 

 ある日、森の奥には

 物言わぬ少女がいた

 地に伏し血に塗れ

 動かなくなった塊があった

 少年の心が見えなかった


 ある日、森の奥には

 孤独な少年がいた

 下を見て顔を綻ばせる

 独りぼっちの少年がいた

 少年の心は見えなかった

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