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歌の葉  作者: 黒茜
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腐った白

 泥まみれで笑ったあの日

 僕等はただひたすら幸せだった

 振り向く後ろなどありはせず

 振り返る過去などありもせず


 心は未だ白いままだった

 知りたくもない黒を知り

 嘘だらけの白を知り

 灰色を知った今では遠く彼方


 戻りたくて戻りたくて

 何も知らずにいたくて

 何も見ずに過ごしたくて

 僕は蹲り耳塞ぎ目を閉じた


 未来に焦がれたあの頃

 僕等は無知でいる事を許されていた

 世界の無残を知る事はなく

 世界の悲惨を見る事もなく


 心は濁らず澄んでいた

 蔓延る欲に侵され

 体裁だけの善を学び

 淀んだここでは見えないいつか


 帰りたくて帰りたくて

 ただ笑いたいだけで

 笑って生きていたいだけで

 それでも流れる涙は止まらず落ちた


 汚れたのはいつだったか

 腐ったのはいつだったか

 大人になれば分かる事とは

 分かりたくない事だった皮肉


 けれども進みたくて

 未だ未来に焦がれて

 それでも広がる世界を知りたくて

 汚れ濁ったまま明日を迎えにいくよ

   

 

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