Kiss
佑樹とその彼女のキスシーンを朝っぱらから目撃した。
覗いたわけでなく、普通に通学路歩いてたら、二人がキスしてたというパターンだ。俺もガキじゃねぇから?別にドキドキなんてしねぇし。
ドクンドクン…
「おっはよ!」
「っお…はよ。」
「何どもってんの?変な山田ー。」
俺を馬鹿にするように笑う門脇の唇に目が行く。ツヤツヤして柔らかそうだ。グロスっての?つけてんのかな。
「やだ!唇荒れてるからあんまり見ないでよ。」
「は?見てねぇし。」
唇を隠されてイケない気分になってしまいそうになり、目をそらした。
教室に着くと、まだアイツらがイチャこいてやがる。いつもなら適当に冷やかすのに今日はシカトしてしまった。
「山田くんどうしたんだろうね。」
「また後でチューしよねー茜ちん。」
後ろから佑樹が俺の肩に手を置いた。
「シュウ?俺にあいさつ無しかよー?」
「ヤンキーかお前は。」
「目も合わせないとは俺何かした?」
「待て!」
「は?」
「次の休み時間まで待て!」
俺は教室から脱出した。ほんとはちょっと…いや、かなり羨ましかったんだ。俺も門脇(?)とキスしたい。
なんて妄想してばっかだったから、あの図は衝撃的だった。
ただ言えるのは
朝のキスシーンは心臓に悪いからこのドキドキを誰かしずめてくれ。
それだけだ。