フィンガー
久々に台所に立ったら案の定小指をヤケドした。急いで氷で冷やした。したら、焼きうどん丸焦げ。
結局、カップラーメンを食った。
「たっだいまぁ!」
「姉貴おかえりー今日父さんは残業で母さんは婆ちゃんち行くから遅くなるって。」
「そ?あんたヤケドしてるじゃん。薬塗った?」
「薬あんの?」
戸棚の上の薬を投げられ、キャッチした。
「てか、もうちょいでラーメンに入るとこだったし。」
「まーた野菜食べてないわね?冷蔵庫にレタスあるからちぎって食べなさいよ。」
「へいへい。」
「姉ちゃんは餃子食べよっかな。」
「えー?俺も食う。」
そんなこんなで餃子も食った。
「シュウってさ、彼女いないの?」
テレビ見てる時いきなりの質問。
「は?その話どのへんから来た?」
「仲が良い友達には彼女いるんでしょ?疎外感とか無いの?」
「疎外感?意味分かんねぇし。」
「疎外感ってゆーのは…」「その意味は分かるって。」
姉貴が言いたい事は分からなくもない。行正も佑樹も休日は彼女と会ってるから遊べねぇし。他のダチは何か気ぃ使うんだよな。
「寂しかった?」
「んだよ。」
「そう起こんないの。てわけで姉ちゃん彼氏と会ってくるね。」
うるさい姉貴が部屋を出て一人ポツンとテレビを見る。
テレビの中の奴らは馬鹿みたいに笑ってるけど楽しくねぇから消した。
彼女ねぇ。
門脇の顔が浮かび俺は自分の部屋に入って、携帯をいじった。
「げ。」
写メにたまたま門脇がうつってた。今まで全く気付かなかったし。なんだこのむず痒い変な感情は!
一番彼女って言葉に縛られてんのは俺だ。