シャッフル
私は門脇麻琴。人の面倒を見るのが大好き。そして、人に流されないのが私の唯一のイイトコロかな。
山田シュウを好きになったのも、隣の席になった時、山田をほっとけない事から始まった。
「ちょっと、山田。次当たるわよ?」
「んー…あと二枚。」
何が二枚か少し気になったが、私は机を横から軽く蹴った。そしたらビクッと起きて私を睨む。
「…お好み焼きは?」
「何寝ぼけてんの?」
その時山田はまた眠っていた。学校にいる半分以上は寝てる。その友達はしっかり者の江藤行正とチャラい岡佑樹。まるで正反対の三人だけど女子には評判が良い。
私は最初、山田があの二人と仲が良いのか謎だった。
しかし、ある日信じられない光景を目の当たりにする。
「ねぇ、あんな人クラスにいた?」
誰かの第一声から朝の教室はざわめきだした。
「普通にカッコイイよね。」
「転校生?」
そこへ江藤と岡が教室に入って来た。
「お、シュウ。今日キリっとしてんな?」
「その髪型自分でしたのか?」
「朝飯食ってたら姉貴にいじられた。」
そのやり取りを見てみんな核心した。コイツは山田シュウだ!と。
シャキっとした山田シュウはカッコイイ。
けど、私は寝ぼけた山田も気になるようになった。
「ジロジロ見んなよ。」
「よだれのアトついてるよ。」
「うわっマジだ。」
そんなわけでボサボサ頭でボケーっとした君が好きだったりする。