アンサー
チラッ…。
「シュウ、お前門脇見すぎ。授業中眠れないから変だと思ったらソンナ事か。」
「行正は黒板見ないで余裕だな。」
「俺の彼女は違うクラスだって知ってんだろ?」
軽く睨まれる可哀想な俺。待てよ…てかむしろ、あの何でもパーフェクトな行正に羨ましがられているというオイシイボジションじゃね?
「そーか。俺が羨ましいのか!」
「ハイハイ。何も考えてない所がな。」
1時間目からいつもと違う俺。しゃべっても注意しない先公は変わらないが、何度チラ見しても門脇が元気がない気がする。朝一に俺に声かけて来ねぇし。
やっぱアレか?コレか?それだ。
他に好きなヤツが…
「山田、次の黒板の問題解け。」
「…はい。」
うなっていた俺にさすがに痺れをきらした先公が目の前に立ってたからびびった。だって俺の席一番後ろだぜ。
行正がノート見せてくれてるけど、黒板から見えねぇし。国語とか一番苦手だ。門脇が遠慮がちにノートを机に立ててる。
黒板から見えたけど、俺は俺なりの答えを書いた。
「ほう、山田もたまにはやるな!」
と何やら俺の答えに書き足す先公。かなり言葉が足りなかったのに、俺の答えを生かしてくれた。席にもどると行正がフッと笑った。
「アレどう見ても間違いだよな。シュウが答えんの嬉しかったんじゃねぇの?」
そっか。
答えを書く前から諦めちゃ駄目なんだ。この授業が終わったら、門脇に元気がない理由を聞こう。
くれぐれも緊張が伝わらないように。
目がさえる朝は久しぶりだ。