第七話 黒球
どんどんと戸を叩く音が聞こえる
「、、、ろ!」
うう、あと五分だけ
「、、きろ!」
うるさいなぁ
「早く起きろ!」
そう大声を出して私を起こしたのはルイスだった。
「ふぁぁ、今ドアを開けるから待っててルイス」
私はそう言い戸をあけた。
「先輩をつけろって言っただろうが。ボスが呼んでる。準備したらすぐ行けよ」
そう言うと、ルイスは広場に行った。
あれ、パンと果物が入ったバケットが置いてある。
ルイスは素行が悪いけど、ネロの言うことはしっかり聞くからそんなに悪い奴ではないのだろう。
私は洗面台で顔を洗い、バケットを持って食卓に行った。
「やぁ、アルベドおはよう」
そこにはレオとクローバーが一緒にご飯を食べている。2人とも歳は離れていて、姉弟みたいだ。
私はクローバーの隣に座る。
「昨日はよく眠れた?」
クローバーが聞く。
「おかげさまでぐっすりだよ」
クローバーが微笑んでいる。
レオはなんのことか分からず困惑の顔をしていた。
それから私は朝食をとりネロの部屋に行った。
ノックをして部屋に入る。
「おはよう。アルベドよく寝れたか」
「おはよう、朝はルイスに起こされちゃったよ。」
「それは結構、本題に入ろう。俺たちは普段は魔道具の研究を行っている。君は魔道具の成績は1位だったらしいな。今日はうちの魔道具を試してもらおう。」
ネロはそう言い、私にいくつかの魔道具を貸してくれる。
それは学校でも見た事のある、箒と杖だ。
けど帽子だけは学校では見たことがないな。
魔道具と言っていたから外に出るようの帽子では無いと思うが、
「詳しい話はレオの方から聞いてくれ」
「わかった、失礼するね」
そうして私は部屋を後にして、レオのいる、中庭に行く。
「やぁアルベド、さっきぶり、えっとネロの方から聞いたと思うけど、今日は魔道具の実験を試すとするよ」
「わかったよレオ、なにをしたらいい?」
「さっき支給された、3つの魔道具を出してごらん」
私は3つの道具を机に置いた。
「知ってると思うけど、魔道具の使い方を説明するね。この箒、機械仕掛けで出来ていてね。大気中の魔素を取り込み飛翔することが出来る。」
レオは箒に跨り、ふんわりと宙に浮いた。
「そして杖、これも機械仕掛けで出来ており、魔素を取り込み、エネルギーに変換して、魔法を使う。」
レオは箒に乗ったまま、杖から小さな火球を出す。
ここまでは知っている。
この2つは学校でも使っていた。けど未知なのは帽子だ。
「帽子はただの装飾品?」
私はネロがそんなものを渡さないと分かっているが、レオに問う。
「もちろん、ただの装飾品じゃない」
レオは自慢げに答える。
「この帽子は僕たち、魔人や魔女にのみ有効なものだ。この帽子はさっきの魔道具同様大気中の魔素を取り込むんだ。そして僕たちの体に取り入れる。僕たちには、特有のスキルがあるんだ。君も見ただろう、クローバーが治癒魔術を使っているのを」
確かに、私が学校で魔法を使ったのは火や水、風、土の四大元素だ。
治癒魔術なんか聞いたこともないし、私がネロと戦ったときに出した黒いのも見たことがない。
「僕たち魔人や魔女は、体内に魔力があり、それを自ら放出することができるというものだ。しかし、その魔力は有限だ。それを増やすためにこれが必要ってわけさ」
なるほど納得できる、自分の魔力を使うよりも大気中の魔素を使った方が魔力切れも起きないし、効率がいい。
「そういえば、今日の研究って何をするの?」
私は問う。
「研究というよりも、君の能力を確認することさ。新しいメンバーが集まるごとにやってることだよ。手でそのまま放出するよりも、杖の方が効率がいい。さああの的にうってみて」
レオは箒から降りて私に帽子をかぶせる。
杖をもたせた。
普通の人では杖を使って四大元素を使うことが出来ない。
私たちの場合、大気中の魔素→帽子→魔女→杖という手順で、私たちの魔力を使わず、特有のスキルを使おうってわけか。
なんとも都合がいい。
それなら使ってみるか。
私は杖を持ってネロに向けて初めて魔法を使った時の感覚を思い出す。
あれは魔道具を使う時なんかよりも体の奥の方からじんと熱くなり、それを手に出すようなことだった。
あの時のように体の奥から出てくるものを手そして杖に伝って出すイメージで。
「■■■」
私はまた知りもしない言語を口ずさみ、魔法を放つ。、、、
あれ不発?そう思った直後、杖のあたりの空間が歪み黒い球体が出てきて、音速を超えた速さで的を射抜く。
的にあたると思ったら、的を吸収して消えてしまった。
「、、、何が起きた?」
レオがポツリと言う。
レオの方をちらりと見てみる。レオは何かブツブツ言っていた。
「今のは、ブラックホール?、、、?」
ブラックホールは宇宙にある全てを飲み込む、存在だ。
「君の能力はきっと、得体の知れない高密度の物体を作ることなのかもしれない。だからこそ、ブラックホールのようなものが出来たと思う。」
レオはそう言った。
「それって危なくないの?」
私はレオに問う。
「君は力を覚醒したばかりなんだ。多分今のは暴走に近いことだと思う。それにきみは魔道具の成績が1位だと聞いた。きみのポテンシャルはとてもすごいよ」
レオはそう言った。その声はどこか興奮しており瞳が煌めいて見える。
「アルベド、次は調整をしてみて打ってみよう。」
私たちは魔法の調整をしたり飛行をしながら魔法を打ったり、たくさん実験を行った。
それでわかったことがある。
私の魔法はどうやら四大元素のどれかと融合して使うと威力が激増することがわかった。
また最初に出したように何かを消滅させるようなことは起きなかった。
レオは実験中、よだれを垂らしながら私にあれこれ指示していた。
彼はきっと魔女魔人云々関わらず単に魔法や魔道具のことが好きな子供なのだろう。
「レオ、アルベド、ネロが呼んでるわよ」
その声はクローバーだ。気がつくとあたりは真っ暗になっている。
「わかった今行くー」
私とレオの言葉が重なる。それを見たクローバーは微笑みを浮かべている。
そして3人で広場に行った。
「みんな集まってくれたか。」
そうネロが言う。
なんだ私達というよりも、全体集合だったようだ。
「どうしたんだよ、ボス、なんかあったのか?」
ルイスは問う。
「この国の郊外に魔物が出た。」
ネロはそう言った




