第四話 発芽
「そう、少女は死んだのだ」
キャスターの声がテレビ越しに聞こえる。
私は拘束され座っている。
辺りに見えるのは古ぼけた机に、時代外れなランタン、部屋の端にはそんな中世の世界を叩き壊すかのように、テレビが置いていて、自分の処刑された光景を延々流されていた。
そして向かいに1人の男性が座っている。
歳は、、40を過ぎているのは確かだ。
すこし白髪の混じった金髪をしており体は歳不相応に、たくましい。
静寂をかき消すように私はその男に話しかける。
「そろそろ聞いてもいいですか」
しかし返事は帰ってこない。
私は言葉を発する。
「どうして私は生きてるの?今、燃やされているのは私にそっくりな土人形でしょ」
私はそう言う。私は兵士に気絶させられてからかれこれ一週間たっていた。
新たな兵士から新たな兵士へと転々としており、1時間前にここについている。
「この国は君を殺す気がない」
男が初めて口を開く。
おかしい、魔女は”神の裁き”を起こしたことをきっかけに、処刑されるようになった。
この国だって、その条約にサインしている。
「あなたはいったい誰?」
私はそう言う。
「俺はネロだ。この国に仕えている、特別軍人だ、、、もっと分かりやすく言おう。」
綺麗な金色の髪から、氷のように冷たい瞳が見えた。
「俺は”魔人”だ。」
空気が震え、ネロの手から木のような武器が出る。
魔道具なしで魔法を使っていることに私は驚く。
「今から君を殺す」
そう言いネロは私に襲いにかかる。
ネロは右手から魔法によって出来た木の鈍器で私のみぞおちを殴る。
「”□□□”」
そして左手から、火だろうか、いや星のような魔法を手に纏っている。
私は咄嗟に手を前に出して防御の姿勢を取ったが無駄であった。
私は口から鮮やかな紅色の血を吐く。
身体はネロの魔法でボロボロだ。
死の淵を彷徨っている。嫌だ、死にたくない。
その心から細々とそのような言葉の羅列を繰り返す。
途端に私の体の奥の方が熱くなるのを感じた。
頭に訳も分からない言葉が聞こえる。
頭が割れそうだ。
そのまま私は知りもしない言語を口ずさみながら、ネロに手を向けた。
「■■■■」
私の手から黒い影のようなものが出てきてネロの方に向かう。
「合格だ」
ネロは懐からナイフを出し、それを私の魔法に刺すと、ナイフ諸共私の魔法は消えた。
どうやら殺す気は無かったようだ。
自分が本当に魔女であったことと生きている安堵により膝に力が入らなくなり崩れ落ちてしまった。
「大したやつだ、このナイフを使うとはな、クローバー治してやれ」
そう言うと、いつの間にいたか分からない、女の人がやってきて私を治した。
「あなたも魔女?」
私は問う。
「そうよ、回復魔法が得意なの」
そう言い、クローバーと呼ばれた女性は、緑がかった髪に紫色の瞳をしていた。
「怪我をさせたことに置いて謝罪しよう、君の本来の力を引き出そうとしていた」
ネロは少し気まずそうに言う。
「本来の力?」
「魔道具が大気中の魔素を使って魔法を使うのに感覚がいるように、魔女や魔人にも身体中の魔力を使って魔法を使うのに感覚がいる。それは強い衝撃が必要だ」
そう言われると私は納得する。
魔道具は軍学校でも苦手な人が多い科目であった。
その理由は理屈うんぬんよりも感覚が求められていたからだ。
「ところで君の髪色はそんな色だったか?」
私は部屋にある鏡の破片で私を見た。
私の髪色は真っ白だったが、真っ黒な髪と瞳をしていた。
「まぁいい君のサバトへの参加を許可する」




