第十話 見習い
不愉快なアラームが鳴っている。
私はそれを叩き黙らせる。
「はぁ、もう朝か。」
私の名前はナナ。
このテラ・ドロレスの軍人だ。
と言ってもまだ見習いだ。
所属は魔法省。
魔道具を主に使った犯罪の対処、それの抑制だ。
魔道具による、治安維持も行っている。
「ナナ、朝だよ〜ってもう起きてる?やっぱり真面目だなぁ」
そう言っているのは、私の先輩、ジェーンだ。彼女は綺麗な白髪をしている。
私の幼なじみ”だったあの子”とよく似ている。
「ジェーン先輩、おはようございます、今日は何をしますか?」
私はさっさと制服の袖を通す。
「ナナ、今日は、いつもの見回りじゃないわよ、この前、魔族が出たことは知ってるわね?」
ジェーンはそう言う。
「ええ、たしか、魔道具研究課が魔獣を研究の一環に使おうとしていたが、魔族が出たと言う話ですよね。」
「ええ、よく知ってるわね。今日はそこでの調査を行うわ。っとその前に、魔道具研究課のリーダー、ネルさんにお話を聞きに行くわ。準備は、、流石もう終わってる」
ジェーンはそういい微笑む。
私たちは部屋から出て、魔法省の部署に行く。
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「あら、もういらしていましたか?」
ジェーンはそう言う。
目の前には金髪のガタイの良い人がいる。
しかし何故、マスクをつけているのだ?
「やぁ、ジェーンさん、魔道具研究課の総指揮官のネルです。あなたは?」
ネルという方が問う。
「ナナ挨拶してあげて」
ジェーンが言う。
「はい、魔法省見習いナナ・スカビオサです。つい先日国立軍学校を卒業しました。よろしくお願い致します。」
私は挨拶をする。
「ほう、最近卒業したのですね、元々どこのエリア所属だったのですか?」
「エリア13ですが、、それがなにか?」
私は疑問に思う。
「エリア13、、なんでもありません。」
私はきょとんとしたが、まぁどうでも良いか。
「それでは、お話を聞かせてもらえますか?ネルさん」
「ええ、もちろん、元々ハンター達の遠征により、残ったハンターが、魔獣討伐に向かいましだが返り討ちにあい、私たち対処に向かいました。そこまではご存知で?」
「ええ、書類に書いてありました。その後の詳細は魔族が出て2人が負傷したとしか記入がなく、」
ジェーンが答える。
「ええ、何しろ、魔道具の実践での研究はなかなか少なく、良い機会だと思い、隊員2名を向かわせました。しかし魔獣をあらかた対処し終わった後突如、後ろから魔族が出て、襲われたが何とかして、討伐が出来たとか」
ネルは言う。
そもそも魔族というものは、おとぎ話でしか聞かない名前だ、存在があやふやであり、公式なデータもない。
「お言葉ですが、本当にそれは魔族だったのでしょうか?隊員が褒美欲しさにでっち上げた訳でなく?」
私は問う。
「こら、ナナ失礼なことを言わない」
ジェーンが言う。
しかし証拠がない。
「いえ、そもそも魔族というものは、記録も無く、真偽は不確かです。それに証拠もございません。私が今言っていることや、書類に書いたことも全て隊員の言葉のみです。しかし、我が隊の物は誰も褒美欲しさに嘘なんかつきません」
なるほど、この人は部下を思いやっている。
なんだか分からないが心底うんざりする。
「なら、部下の人達に合わせて貰えませんか?」
「すみませんが、今2人とも怪我が酷い状態でありまして、今は安静にする必要があるので、正式な取り調べはまた後日」
ネルが言う。
真偽は不確かだがまぁいいか。
「貴重なお話感謝致します。ひとまずはこれで」
ジェーンはそう言い、別れをつげる。
ひとまずは魔族の出たところの調査だ。
私たちは車に乗りこの国の郊外に向かう。
車はいい、箒と違って、早く進むことができる。
いや違うな、”あの子”はこんな車よりもっと早く箒で目的地についていた。
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「やっぱり何も無いかぁ、本当に魔族がいたとしても、灰になって消えてしまうもんねー」
ジェーンは言う。
「あれ、あそこになにか落ちてる。ジェーンさん見てきます。」
私は言う。あれこれお守り?ほとんど燃えた後で真っ黒だな。
「なんか手がかりでもあった?」
ジェーンが問う。
「いえ、見間違えでした。」
私は咄嗟にポケットに入れる。
「まぁここまで探してなんにも手がかりなしなら分からずじまいか、じゃ帰るか」
ジェーンは言う。
「分かりました。」
それにしても、このお守り、どこかで見た気が、、




