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神童子谷で父と神秘を共感しました

8月26日午前5時30分・・・


少し早めに目を覚ました水城涼真は奈良県天川村の天気をチェックした後、201号室を出てアパートの入口へ向かった。それと同時に103号室から若宮朱莉が出てきて「おはようございます!」と元気な挨拶をした。水城涼真は「おはよう。朱莉ちゃん、朝からテンション高いやん」と言うと若宮朱莉は「今日は父のことが少し理解できるかもってワクワクしています」と答えた。ちなみに今回、有本淳史は仕事で行けないとのことなので登山仲間の樫田祐の一人が来ることになっている。車を走らせて吹田駅に到着すると時刻はまだ午前5時40分過ぎだったが、樫田祐との待ち合わせは午前6時なのでまだ時間がある。


水城涼真「朱莉ちゃんは他の芸能人と一緒に仕事してて嫌やった人っておった?」

若宮朱莉「特にいませんね。お話してわたしとは合わないって方ならいらっしゃいましたけど・・・」

水城涼真「人間関係やから合う合わんはあるやろうけど、芸能界ってすぐに不仲説とか騒ぎ出すように思えるからな」

若宮朱莉「たしかに不仲な方々もいらっしゃいますが、わたしはタレントという立場上、常にどんな方ともお仕事できるように心がけています。涼真さんは芸能界に全く興味がないのに珍しいこと言いますね?」

水城涼真「いや、今度富士山を一緒登る天音琴美のことが心配なんよ。全く価値観が合わんかったら上辺だけで仲良くせなあかんわけやから、それはしんどいやん」

若宮朱莉「そこはわたしもプロなので大丈夫ですが、三日間だとさすがにしんどくなってくるかもです」

水城涼真「五合目で前泊してコミュニケーションをとる予定やけど、まあ俺は遠慮なんかせんと自分を出して話すから、朱莉ちゃんも遠慮せんと自分をさらけ出して話せばええと思うわ」

若宮朱莉「そうですね。その上で合わない方だったとしても、収録中だけはお仕事としてがんばります」

水城涼真「しかし、会ったこともない二人にいきなり仲良く登山しろなんてテレビ局も結構無茶いいよるんな」

若宮朱莉「あははは、言われてみればそうですね。わたしはもうそんなことには慣れちゃいましたけど・・・あっ樫田君来ましたよ!」


樫田祐が車まで走ってきてトランクを開けると「おはようございます」と言った。そしてトランクに荷物を詰め込むとさっさと後部座席に座ると水城涼真は車を走らせた。


樫田祐「僕食料はなんも買ってないんですが、いつものコンビニ寄りますよね?」

水城涼真「当たりやん!あのコンビニは安らぎとトキメキの場になっとるからな」

樫田祐「あははは、それは涼真さんだけの話やないですか!」

若宮朱莉「わたし今日はあのコンビニでちょっとしたいことあるんですよね」

水城涼真「朱莉ちゃん、いらんことしたらあかんで?」

若宮朱莉「ふふふ、、、大した事はしませんが楽しみにしておいてください」

樫田祐「それにしてもお二人ともスクープ騒動は大変やったんやないですか?」

水城涼真「ああーマスコミの連中、俺の家まで押しかけてきたからな。まあ即効でお帰りいただいたけど」

樫田祐「家まで押しかけてきたんですか!?自分の巣を攻撃された蜂のような連中ですね」

若宮朱莉「あはははははは、蜂って・・・」

水城涼真「おもろい表現するやん!でもそのおかげでもう二人で買い物しようが登山しようがスクープネタにはならんようになったんやけどな」

樫田祐「たしかにそれは言えますね」

水城涼真「まあ、つまらんことで騒ぎ立ててんと他にもっと仕事があるやろって思うわ」

若宮朱莉「話は変わりますけど、今日もヤマビルに注意しないといけないんですか?」

樫田祐「今日行くところはヒルでんので大丈夫!」

水城涼真「ヒルは大峰の西側とか南側に生息してるんよ」

若宮朱莉「それならよかったです」


そんな話をしてから一時間程経って、大峰に行くときのいつものコンビニに到着した。樫田祐が「涼真さんお気に入りの店員さんおったらいいですね」と言った。このお気に入りの店員さんは瀬川という実名か仮名の名札を付けている。三人とも車から出てコンビニへ入っていくと、その瀬川という店員さんがレジで作業をしていた。水城涼真と樫田裕はさっさと買い物を終わらせて外に出ていった。お客さんが誰も居なくなった隙を狙ったかのように若宮朱莉はレジへ向かって瀬川という店員さんに話しかけた。


若宮朱莉「朝早くからバイト大変だね。高校生かな?」

瀬川「はい。高校三年生です」

若宮朱莉「そうなんだ。瀬川さんでいいのかな?前にここに来たときも可愛らしい子がいるなって思ってたの」

瀬川「ありがとうございます!お客様もタレントの若宮朱莉さんによく似ていて可愛いですね」

若宮朱莉「似ているというより本物だったりするんだけどね・・・」

瀬川「えええええーーーー本物のあかりん!?」

若宮朱莉「シーっ!内緒ね、内緒!!」

瀬川「あ、あの、今お客さんも居ませんから一緒に写真撮っていただけませんか?」

若宮朱莉「いいよ。こっちに来て一緒に撮ろう」

瀬川「お願いします」


瀬川という店員さんはレジから出てくるとポケットからピンク色のスマホを取り出した。若宮朱莉は伊達メガネを外すると、瀬川という店員は「本物のあかりんだ」と呟くと二人はくっついて自撮り撮影した。その後、瀬川という店員さんはポケットから小さな手帳を出して開いた。


瀬川「あの、ここにサインもお願いできますか?」

若宮朱莉「うん。えっと、お名前聞いてもいい?」

瀬川「彩葉です」

若宮朱莉「彩葉ちゃんへっと。これでいい?」

瀬川「ありがとうございます、大切にします!!」

若宮朱莉「わたし、ときどきここのコンビニに来るから、また会った時はよろしくね!」

瀬川「は、はい。よろしくお願いします」


若宮朱莉はレジ袋を持ってコンビニから出てていくと走って車に戻っていった。その後、水城涼真は神童子谷へ向かって車を走らせた。


水城涼真「朱莉ちゃん、珍しく遅かったやん。なんか買い物で悩んでたん?」

若宮朱莉「いえ、店員さんと少し話してただけです」

水城涼真「はあ!?もしかしてコンビニでしたことってそれなん?」

若宮朱莉「そうです。ちゃんと高校三年生の彩葉ちゃんってお名前も聞いてきましたよ!」

水城涼真「何を聞いとるんや。朱莉ちゃんって時々いらんことするよな」

若宮朱莉「えへへ・・・でも、これでいつもの店員さんじゃなくて彩葉ちゃんって呼べるようになりましたね」

樫田祐「山で見かけた花の名前がわかったって感じがしますね」

水城涼真「樫田君、うまいこと言わんでええんよ。そうか、彩葉ちゃんかぁ~大峰に相応しい古風な名前なんやな」


それから309号線を南下して一時間程で大川口という小さな橋のある曲がり角に到着した。その橋の手前を左折して林道神童子谷線を川迫川沿いに通行禁止地点まで上がっていって駐車ポイントに到着した。そして三人は車から降りて遡行の準備をはじめた。これから遡行する神童子谷は大峰の名峰である稲村ヶ岳、山上ヶ岳、大普賢岳の三方に囲まれた深い谷であるとともに、熊野川の最奥源流地であり関西屈指の美しい沢が流れている。


若宮朱莉「前鬼川の時より肌寒い気がします」

水城涼真「だって、ここの段階でもう標高約900mあるからな。ちなみに地上が今28度くらいやからここの気温は何度くらいになる?」

若宮朱莉「えっと0.6×9ですから5.4度低いので気温は22.6度ですね」

水城涼真「よしよし、ちゃんと覚えとったな。ただ、沢筋で陽が当たらん樹林帯の中やから体感温度はさらに低いねん。沢の水もかなり冷たいから覚悟しといてな」

若宮朱莉「はい!」


三人は沢の準備を終えると林道の終点手前に架かっている橋まで歩いていき、そこから入渓ポイントまで踏み跡を辿りながら山を下っていった。そしていよいよ遡行開始となったのだが、いきなり沢の淵に差しかかるので水に入って泳いでいかなければならない。


若宮朱莉「ひゃぁー冷たい、冷たすぎます!!」

樫田祐「この沢ははじめから一気に体が冷えるからね」

若宮朱莉「だんだん体が慣れてきたけど、今度は岸にあがりたくなくなってきちゃった」

樫田祐「うんうん。その気持ちわかる」

水城涼真「俺は早く岸にあがりたいからさっさと行くわな!」


三人が岸にあがったところで、少し陽の当たった地点に差しかかった。そこは太陽の光がエメラルドグリーンの透き通った水面に反射してキラキラと輝いていた。その景色を若宮朱莉はスマホで何枚か撮影しながら「今日はブルーではなくエメラルドグリーンなんですね」と言った。それに対して水城涼真は「後半は大峰ブルーがあちこちで見れるよ」と答えた。


入渓地点から20分程経過したところでへっついさんというゴルジュに到着した。ちなみに「へっついさん」とは古い関西の方言で”かまど”という意味があり、このゴルジュは沢の両岸に迫る岩場がかまどの入り口のように見えることからそう呼ばれるようになったという。


若宮朱莉「なんですかここ!?超神秘的じゃないですか!!」

水城涼真「へっついさんっていうゴルジュなんやけど、前鬼川にはこういうところなかったもんな」

若宮朱莉「なんだろ!?ちょっと言葉にできない美しさですね」

水城涼真「この沢の見所の一つやな」

若宮朱莉「さっきから撮影していますが上手く撮れないんですよね」

樫田祐「もう少し中に入って撮ったほうが迫力感はでるよ」


そこから少しゴルジュの中に入って撮影した若宮朱莉が先を進もうとして体の半分まで水に浸かると「ひぇー冷たいし寒い・・・ここ結構深いんですね」と震えながら言った。ゴルジュを抜けて沢の淵で少し泳ぎ、左に折れたところで落差5mほどの赤鍋滝に到着した。この滝は左岸から巻いてトラバースしていくのだが、かなりナメっていて沢靴でもツルツル滑る岩場になっている。そのため最後のトラバースポイントで足を滑らせて赤鍋滝の滝壺へドボンと落ちて最初から岩を登りなおしている人も少なくない。


樫田祐「僕、先に登りますわ」

水城涼真「じゃあその次は朱莉ちゃんやな。沢靴でも普通に滑るから滑り落ちんように注意してな」

若宮朱莉「沢靴でも滑るってさすがに怖いですね」

水城涼真「滑り落ちたら滝壺にドボンして最初からやり直しになるだけやから」

若宮朱莉「それでも滑り落ちないようにがんばります!」


樫田裕はこういう岩登りに慣れていたのでスイスイと登っていくと「ハーケン刺さっててスリング巻かれてましたので余裕ですわ!」と大声で叫んだ。続いて若宮朱莉を先頭にして水城涼真も登っていった。問題となるトラバース地点に差しかかったところで足を止めると水城涼真は「あんまり足の力を入れて踏み込んだら滑るからな」とアドバイスした。そして若宮朱莉が恐る恐る取り付けられているスリングを手で持ちながらトラバースしていくと少し足の置き場に困るようなポイントで止まった。すると樫田裕が「朱莉ちゃん、そこは足の置き場あらへんから、斜め上に足を置いてさっと次のスリングを掴んだらええよ」とアドバイスした。若宮朱莉は「やってみます!」と言って斜め上に足を乗せると思い切って次のスリングを掴んで難しいポイントをクリアした。それを見た水城涼真は後ろからトラバースしていきながら「去年に比べてかなり簡単になっとるわ。これ設置してくれた人に感謝やな」と言いながらスイスイとトラバースポイントをクリアした。


赤鍋滝の上部から少し遡行すると樹林帯の中に入り、沢が折れたポイントに到着した。このポイントの淵は透き通ったコバルトブルーになっており、まるで洞くつの中にいるような感覚になる不思議な場所だ。


若宮朱莉「沢の色もブルーになっていますし、ここもある意味神秘的ですよね」

水城涼真「これが大峰ブルーやな」

若宮朱莉「でも写真が上手く撮れません」

水城涼真「ここの撮影は難しいねん。実際に見た人だけがそれを体感できるんよ」

若宮朱莉「なるほど。でも何枚か撮影はしておきます」

水城涼真「泳いでそっちの対岸に渡らんといかんのやけど、ここの水温は低いからかなり冷たいで!でも沢にドボンせなあかんのはここまでやわ」


このすぐ先で沢は左に折れておりもう一つの小さな滝があるので右岸から巻くことになる。三人とも泳いで対岸にあがるとあまりの寒さに震えていた。ところが岩を登ってすぐのところで樹林帯を抜けて陽の当たる場所へと出てきた。

ここからは単なる沢歩きのようになって少し遡行していくと今度は左岸に人工的な石垣が現れた。昔、この場所には水車の力を利用して木材を加工していた製材所があり、沢に沿ってトロッコで運搬していたという。現在は通行止めになっている林道がかつてはこの場所まで繋がっていたのかもしれない。そんな歴史的背景を感じながら遡行していくと落差2mほどの小さな滝があった。


水城涼真「朱莉ちゃん、ここでちょっと滝登りの練習しとこか」

若宮朱莉「はいっ!」

水城涼真「じゃあまずは樫田君に手本を見せてもらおか」

樫田祐「じゃあ先行きますわ!」


落差2mといっても凄まじい勢いで流れているので水の力は半端ない。そんなところを樫田裕は滝を少し避けた右岸からさっと登っていった。続いて水城涼真が滝登りをはじめた。樫田裕と同じく右岸から登っていったが、途中で滝の勢いに押されて滝壺へ落ちた。その瞬間、他の二人が高笑いをした。


水城涼真「ちょっと待って・・・俺これめっちゃダサいやん!!」

樫田裕「僕見てなかったので大丈夫ですよ」

水城涼真「絶対嘘やっ!だって登ってる時、樫田君と目合ったもん」

若宮朱莉「あはは、わたしもちょっと寝てましたから大丈夫です」

水城涼真「俺落ちたとき、朱莉ちゃんめっちゃ高笑いしてたがな!」


そんな話をしながら水城涼真はリベンジも兼ねてその滝を登っていった。最後に若宮朱莉が滝登りをはじめた。ホールドポイントはあるものの滝の勢いを避けることを意識しながら登っていった。ところがだんだん体が滝の中央へ寄っていき、ついに滝の勢いで後ろに飛ばされ滝壺へ落ちていった。


若宮朱莉「あーーー涼真さんのことを笑ったので罰が当たりました。もう一度チャレンジします!」

水城涼真「がんばれ朱莉ちゃん!彩葉ちゃんも応援してくれてるから!!」

樫田裕「ここにいませんやん。まだコンビニでバイトしてますよ」

水城涼真「俺の心の中にはおるねん。そういうことにしといて!」

樫田裕「意味わかりませんわ」

水城涼真「俺にもわからんわ」

樫田裕「朱莉ちゃん、女の子の足やとちょっとキツイと思うから途中で手を貸すわ!!」

若宮朱莉「ありがとう!お願いします」


若宮朱莉が滝登りのリベンジをすると、登っている途中で樫田裕が手を差し出して引っ張り上げた。


その後は何をすることもなく沢歩きなる遡行が続き、入渓ポイントから二時間程で今日の目的地である釜滝に到着した。釜滝はノウナシ谷と犬取谷の合流地点になっており、左側は犬取谷から流れる沢の水が落差6m程の滝になっており、右側には丸いホール状になった部分からはノウナシ谷から流れる沢の水が滝になっている。滝壺は木漏れ日が差し込んで美しいエメラルドグリーンと化している。そのコントラストはまさに自然によって創り出された神秘といえる。


水城涼真「朱莉ちゃん、お父さんの登山計画ノートに書かれた神童子谷の目的地がこの釜滝やで!」

若宮朱莉「なんて美しくて神秘的な滝なんでしょうか・・・二つの沢の合流地点の滝だなんて自然の奇跡じゃないですか?」

水城涼真「まあ、そうやな。俺もはじめてこの滝を見たときは不思議な感覚に陥ったわ」

若宮朱莉「少しだけ今日の沢登りのことを振り返りながらこの滝を見ていてもいいですか?」

水城涼真「あとはちょっと上に登って昼食とるだけやからええよ」


ほんの2、3分の間だが、若美朱莉は立ってこの風景を眺めながら少し涙を流した。


若宮朱莉「へっついさんからはじまり、遡行を楽しんで、最終的にこの釜滝を見るのが父の目的だったと思います」

水城涼真「俺もそう思うよ」

若宮朱莉「今日、はじめて父と神秘を共感できたように思います。わたしがちゃんと遺志を継ぎましたと伝えたいくらいです」

水城涼真「それやったらここに連れてきたかいがあったわ!」

若宮朱莉「涼真さん、樫田君、わたしをここに連れてきてくれてありがとうございます!!さあ、お昼にしましょう」


そう言って三人は右手の山から釜滝を巻いて登っていって上部にあるもう一つの滝の下で昼食をとった。本来は釜滝の下で昼食をとる人が多いのだが、ここは広いスペースでありながら人がいないので昼食場所となっている。昼食を終えて後片付けをした後、三人はノウナシ谷側から釜滝のホール状になった部分からスライダーで滑り落ちていった。それから沢を下りながら今度は赤鍋滝も楽しみながらスライダーで滑り落ちていった後、釜滝から二時間程で入渓ポイントに戻ってきた。そして駐車ポイントまで歩いていき、車のトランクを開けて着替えることになった。


水城涼真「朱莉ちゃん、ここ簡易テントは無理やし車の中やと誰かに見られるかもしれんから、そこの林に入って着替えてほしいんやけど大丈夫?」

若宮朱莉「大丈夫です!じゃあ着替えに行ってきます!!」


女性でも恥ずかしがらずにどこでも着替えができるというのは水城涼真にとって有難いことだった。しばらくして三人とも着替えが終わると車に乗り込んだ。

林道神童子谷を下って国道309号線に入って車を走らせると、ちょうど川合交差点の手前の少し国道からそれた場所で車を停車した。


水城涼真「ここにあるちっちゃい豆腐屋さんの豆腐がめちゃくちゃ美味しいんよ。天川村の水で作られてるみたいで、冷奴にしたらビールとの相性は抜群やねん」

樫田裕「僕、今日は絹と厚揚げを買っていきますわ。厚揚げは醤油味で焼くと美味しいんですよ」

水城涼真「俺も今日は厚揚げ買うわ」

若宮朱莉「わたし、お豆腐はヘルシーで大好きなので楽しみです!今晩はビールに冷奴で決まりました」


三人は豆腐屋で買い物を済ませると車に乗って吹田駅へと戻っていった。さすがに疲れたのか、若宮朱莉も樫田裕も車の中でぐっすりと眠っていた。そして吹田駅に到着すると樫田裕が帰って行き、アパートに到着して今日の工程が終わった。


それから103号室では若宮朱莉がシャワーを浴びた後、帰りのコンビニで買った二本のビールをテーブルの上に置いて、その肴に天川村で購入した絹豆腐の冷奴を醤油を垂らして食べていた。若宮朱莉は「これめちゃくちゃ美味しい!!!」といいながら一丁でもかなり大きい絹豆腐をたいらげた。

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