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美しい雪原の稜線だった上州武尊山

4月24日午後15時・・・群馬県沼田市のホテル


日光白根山の登山ロケの収録を終えてレストランで昼食を終えた後、群馬県沼田市のホテルに到着した。このホテルはちょっとお高い高級なホテルであったが、大日テレビが経費で落とすとのことだったので気軽にロビーで待っていた。昨日と同じく蒲田博之が受付でチェックインをして複数の鍵を持ってきた。


蒲田博之「すみません。このホテルに一人部屋はありませんでしたので、昨日と同じく2人部屋一室と3人部屋二室、4人部屋二室になりますが部屋割りも昨日と同じでよろしいでしょうか?」

天音琴美「あたしは昨日と同じで構いません」

若宮朱莉「わたしも天音さんと同じ意見です」

水城志帆「來未先輩、今日もわたしと二人になりますがいいですか?」

立川來未「いいよ。志帆ちゃんとならいくらでもお話できるしね!」

蒲田博之「では昨日と同じ部屋割りでお願いします。それぞれ鍵をお渡ししますね」


そうして蒲田博之がそれぞれに鍵を渡すとみんな部屋に入っていった。まず水城涼真と若宮朱莉、天音琴美の3人は温泉へ入った。下山後の温泉はとても気持ちいいものだったのか、水城涼真はすこし火照って温泉を出て部屋に戻ってまったりしていた。それから20分後に若宮朱莉と天音琴美が500mlの缶ビールとおつまみを袋に入れて戻ってきた。


天音琴美「今日も飲むぞぉー!さあ、みんな乾杯しよ」

水城涼真「天音さんって常に飲むことしか考えてないんとちゃうか」

若宮朱莉「天音さん、明日もありますからあまり飲み過ぎないようにしてくださいね」


そういって3人は缶ビールの蓋を開けると「乾杯!」といって飲みはじめた。しかし今日はどういうわけか天音琴美のピッチは早くなく、二本目を飲みはじめると水城涼真のほうを見て話はじめた。


天音琴美「涼真さんはこれまで登山をしていて不思議な体験をしたり、大変だったことはなかったの?」

水城涼真「うーん、その不思議な体験の後で大変なことになったといえば、厳冬期に登った南アルプスの鋸岳のこれだけかな。これも連れて行かされた感じなんやけど、まず戸台登山口ってところまで歩いて登っていくんよ」

若宮朱莉「御前山に登った時の鋸山とは違うんだね」

水城涼真「ずっと角兵衛沢って沢筋を歩いていって岩小屋ってところまで登って行ってテント泊したんやけど、朝起きたら周りが蜘蛛の巣のように張り巡らされていたんよ。なんやこれって思ったんやけど、よー考えたらそれって自分らの息が凍ってるだけやったんよな」

天音琴美「それだけ寒かったってことですよね?」

水城涼真「厳冬期でもテント内はガスランタンをつけるとかなり暖かくてTシャツ一枚でいれるくらいやねんけど、ランタンを消して寝てからが問題やねんな」

若宮朱莉「ガスランタンってそこまで暖房効果があるんだ!?」

水城涼真「だってその時俺はホンマにTシャツでテントの中におったからな。ガスランタン考えたやつはすごいって思うわ」

天音琴美「それは不思議なことですよね?大変なことってその後なにかあったのですか?」

水城涼真「鋸岳には登ったんやけど、会長がせっかくやから甲斐駒ヶ岳にも登ろうって言い出してピークハントすることになったんやけど、またその夜は岩小屋でテント泊することになったんよ。あまりにも寒すぎるからさっき話してたガスランタンをつけっぱなしで寝てしまったんよな。それで寝てたら暑いなって思って目を覚ましたらテントが燃えてたんよ」

天音琴美「えーっ!?テントが火事になったってことですか?」

水城涼真「そう。夜中の2時過ぎやったわ。俺は寝てる人を叩き起こしてテントの外に出たんよ。まあみんな無事であったんやけど、テントは完全に燃え尽きてしまったから、もう動くしかないから下山していったんよ。あんな経験は二度としたくないわ」

若宮朱莉「もし涼真さんが目を覚ましてなかったら命がなかったってことだよね?」

水城涼真「そうかもな。今考えると俺が高校生の頃から所属してた山岳会ってめちゃくちゃなことしてたんやって思うわ」

天音琴美「そういう経験をしたからこそ今の涼真さんがあるんじゃないですか?」

水城涼真「まあそれはそうなんやけどな。普通、未成年を連れていくかってところにばっか連れて行かされてた気がするわ」

若宮朱莉「涼真さんも登山で苦労してたんだね。でも、わたしはそんな涼真さんについていけるようにがんばる!」

天音琴美「あたしも図々しいですが、これからもご一緒させていただいてがんばりますよ!」


そんな話をしていると夕食が運ばれてきたのだが、もう3人はほろ酔い状態になっていたのであまり食べれなかった。それから午後21時を過ぎた頃には宴会が終わって3人ともすぐに眠ってしまった。



4月25日午前8時30分・・・川場スキー場


午前4時30分に起床した水城涼真、若宮朱莉、天音琴美の3人は昨日と同じく朝風呂に入った後で登山の準備をしていた。午前6時前にはホテルのチェックアウトを済ませてアプローチポイントである川場スキー場へ向かっていった。今日も文句のない晴天であるが少し春霞が気になるような感じであった。午前8時30分前に川場スキー場に到着すると水城涼真はさっさとロケバスから降りて雪質をチェックしていた。積雪量は60cm程しかなくザラメであるのでワカンは必要なさそうだと思った。蒲田博之が川場スキー場の登山窓口へ向かって登山届を出しにいくとスタッフは人数分のリフト券を購入した。今回、下山時に若宮朱莉と天音琴美のスキー滑走も収録するとのことなのでスキーができないスタッフはリフトで下山することになる。全ての準備が整ったところでリフトを乗り継いでゲレンデトップへと向かった。そして午前8時45分、ゲレンデトップに到着すると早速登山ロケの収録がはじまった。若宮朱莉と天音琴美はカメラのほうに向くと声を揃えて「みなさん、おはようございます」と言った。


天音琴美「登山女子二人が登るヤマトタケルノミコトゆかりの山、目指せ日本百名山の上州武尊山!」

若宮朱莉「現在4月25日午前9時前です。これからわたし達はこの川場スキー場のゲレンデトップから上州武尊山の山頂を目指しまーす!」

天音琴美「上州武尊山ってどんな山なのかまだイメージできないのですが、とても美しい稜線を見て歩くことができるとのことでとても楽しみにしています。朱莉ちゃん、今の心境はどんな感じかな?」

若宮朱莉「昨日の日光白根山とはまた違った景色が望めるとのことで、今からワクワクしていますが天音さんはいかがでしょうか?」

天音琴美「あたしももうワクワクして朝からテンション上がってるよ!朱莉ちゃん、今日もがんばろうね!!」

若宮朱莉「はい。今日もがんばりましょう!ちなみに下山はわたし達バックカントリースキーをいたします。では、みなさん後半の上州武尊山もよろしくお願いします!!」


そこで蒲田博之が「はいOKです」といって入山となったが、ヘアメイク担当である水城志帆と立川來未はここからリフトで下山することになった。そこから雪山登山がスタートとなったのだが、いきなりの急登であった。途中で谷川岳方面の展望が開けて天音琴美が「あれが有名な谷川岳です」と解説するとそのまま急登を登っていった。まずは手前に見えてるピークへ登ると剣ヶ峰山が見えたのでここでも収録がはじまった。


天音琴美「みなさん、あそこに見えてる尖ったピークが見えますでしょうか。あれは剣ヶ峰山といいまして、これからあたし達はあそこへ登ります」

若宮朱莉「剣ヶ峰山から一体どんな景色が見えるのかワクワクします!」


収録を終えるといよいよ剣ヶ峰山のピークへ登っていった。まだ歩きはじめて40分程だったが、かなりの収録をしていた。若宮朱莉と天音琴美は息を切らしながら登っていき、ついに標高2020mの剣ヶ峰山に登頂した。剣ヶ峰山の山頂からは武尊山に通ずる美しい雪原の稜線が見えたが、とても狭い場所だったのでカメラマンは後方から収録をはじめた。


天音琴美「歩きはじめてまだ15分程ですが、標高2020mの剣ヶ峰山に到着しました。みなさん、この素晴らしい雪原地帯となった稜線をご覧ください!」

若宮朱莉「わたし達、今からあの武尊山の山頂までこの素晴らしい稜線を歩いていきます!」

天音琴美「今回ははじめての雪山登山のロケになっていますが、あたし達はプライベートで何度も雪山登山をしていましたので、どのように放送されるかとても楽しみです!」

若宮朱莉「早くあの稜線を歩いてみたいです!みなさん、あかりんのわがままをお許しください」

天音琴美「朱莉ちゃんの気持ちすごくわかるよ。じゃあ早速歩いてみようか」


そこで蒲田博之が「はいOKです」といって武尊山の山頂へ向かって進んでいった。ここからはもう収録メインとなってしまい、若宮朱莉と天音琴美のトークが炸裂していた。そこで蒲田博之が「水城さん、もうピッケルは必要ありませんか?」と聞いてきたので水城涼真は「このくらいの積雪量ですし、風もおだやかですのでストックだけで行けると思います」と答えた。ところが、そこから途中で少し足がズボズボと雪にハマるようなことになり、武尊山の山頂への登りに少し時間を要することになった。



午前11時10分・・・上州武尊山(標高2158m)


ラッセルが必要になるほどの稜線ではなかったが、足がズボズボハマるようなシーンも収録していよいよ武尊山のピークへの登りとなった。最後はやはり急登となったが、そこはペースダウンをしてゆっくりと登っていった。そしてついに上州武尊山の山頂(標高2158m)に登頂することができた。登頂までは時間的には短かかったのだが、山頂からは平ヶ岳や巻機山などの山々が望むことができ、剣ヶ峰山から歩いてきた雪原の稜線と鋭く切り立った剣ヶ峰山の山容の景色がとても美しい光景と化していた。その美しき稜線をバックに若宮朱莉と天音琴美が並んで収録がはじまった。


天音琴美「みなさん、短い雪山登山でしたが、あたし達はついに上州武尊山に登頂しました!(拍手パチパチパチ)」

若宮朱莉「えっとまずは後ろの景色を見てください。今日はお天気が良くて平ヶ岳から巻機山、昨日登った日光白根山や男体山、皇海山まで見えています」

天音琴美「景色もなんですが、なんといっても見所なのはあたし達が歩いてきた剣ヶ峰山まで続く稜線ですね。ここから見ると本当に素晴らしい!」

若宮朱莉「こうしてみると剣ヶ峰山は槍ヶ岳のように見えますね。あんなところから歩いてきたんですね」

天音琴美「朱莉ちゃん、景色を十分に堪能した後はお楽しみのスキーで下山だよ」

若宮朱莉「それ考えるともうワクワクが止まりません!」

天音琴美「みなさんには数年前にバックカントリースキーをしてご迷惑をおかけしましたが、あれから訓練しましたので今日は大丈夫です。後半のバックカントリースキー滑走をお楽しみください!」

若宮朱莉「わたしのバックカントリースキーも初で放送されるということなので、みなさんよろしくお願いします!」


そこで蒲田博之が「はいOKです」と言うと水城涼真が「ここで30分程休憩をしましょう」と言った。こういう登山ロケで一番しんどいのは重い荷物を持ったり、走り回っているカメラマンであろうと水城涼真は思っていた。みんな行動食を食べながら水を飲んでいたが、さすがにじっとしているのは寒かったようであった。そこに若宮朱莉がやってきた。


若宮朱莉「涼真さんが感動したのってやっぱり剣ヶ峰山まで続く稜線だよね?」

水城涼真「そうや。特に秋は紅葉と緑のコラボレーションが最高の稜線になってるんよ」

若宮朱莉「どうして今回、雪山にしたの?」

水城涼真「朱莉ちゃんと天音さんの雪山登山とバックカントリースキーを世に広めたかったんよ。いつまでもぐだぐだ言ってるやつもおるみたいやけど、そんな連中よりとっくに自分らは成長してるんやって見せつけてやってほしい」

若宮朱莉「なるほど、わかった。バックカントリーも頑張るね!」


それから30分程して下山となった。



午前13時10分・・・剣ヶ峰山(標高2020m)


武尊山の山頂から稜線を歩いて約1時間程で剣ヶ峰山の山頂まで戻ってくることができた。あとはここからバックカントリーをしてスキーで滑走することになっている。しかし、スタッフの中には「こんなところから滑れない」という声もあって、ゆっくり滑走していくことになった。カメラマンの人は先に下って若宮朱莉と天音琴美が滑走してくるシーンを撮影するために構えていた。まずは剣ヶ峰山の山頂から滑走準備を整えた若宮朱莉と天音琴美のロケ収録となった。


天音琴美「みなさん、あたし達は現在、剣ヶ峰山の山頂まで戻ってまいりました。ここからバックカントリースキーをして川場スキー場のゲレンデ下まで戻っていきたいと思います」

若宮朱莉「最初は急斜面ですこしブッシュもありますが、とても楽しみです。今、わたしの頭の中でアドレナリンがバンバン飛んでいて興奮状態にあります。それでも安全重視で滑走していきます」

天音琴美「じゃあ先に朱莉ちゃんから滑っていってもらいましょう」

若宮朱莉「はい。それではお先に失礼します!」


そこで一旦ロケ収録を終えると既に下で構えてるカメラマンが「オッケーです。滑走開始してください」と大声で叫んだ。すると若宮朱莉は剣ヶ峰山の山頂から滑走をはじめた。ブッシュが少しあったのでターンを切るタイミングに戸惑っていたが、なんとか下にいるカメラマンのところまで滑走していった。続いて天音琴美の滑走がはじまった。ターンを切りながら上手くブッシュを避けて滑っていく天音琴美を見ていた水城涼真は「二人ともかなり上達しとるな」と呟いた。その後、スタッフが滑走して最後に水城涼真と蒲田博之が滑走していくことになった。蒲田博之はスキーではなくスノーボードでの滑走だったので、すこしブッシュ地帯のターンには苦労していた。こういうことも含めてバックカントリーはやはりスキーのほうが有利だと感じさせられる一面でもあった。なんとか全員がブッシュ地帯を過ぎた地点まで滑走すると、次の滑走シーンの収録となった。


天音琴美「バックカントリースキーは本当に楽しいよね!じゃあ次はあたしが先に行かせてもらうね」

若宮朱莉「めちゃくちゃ楽しいです!では天音さん、お先にどうぞ」


再び天音琴美が滑走をはじめた。ザラメの雪質なのでかなり滑りやすくターンも切りやすいのだろうか、あっという間に下で構えていたカメラマンのところまで滑走していった。次に若宮朱莉の滑走がはじまったが、さっきのブッシュ地帯での滑走とは大きく異なってほぼ直滑降で細かくターンを切りながら滑っていった。もはや二人の滑走スタイルは誰が見ても上級者レベルであった。この二人がここまで上達したのは昨年の荒島岳からの滑走をしたからであろう。樹林帯の中で木を避けながら必死に滑走していった経験からターンの切り方が上手くなったといえる。最後に水城涼真が滑走すると、もう川場スキー場のゲレンデトップはすぐそこであった。剣ヶ峰山の山頂からわずか15分程でこんなところまで下ってこれたのは、なんといってもバックカントリーの下山速度であろう。その後、ゲレンデトップまで滑走したのだが、ここからゲレンデの滑走シーンを撮影すると他の人がカメラに入ってしまうとのことで蒲田博之は収録を続けるかどうか躊躇していた。ところが、ゲレンデには平日だったこともあり、あまり人がいなかったのでロケ収録を続行することになった。


天音琴美「みなさん、とんでもない早さで剣ヶ峰山の山頂からこの川場スキー場のゲレンデトップまで戻ってくることができました」

若宮朱莉「バックカントリーの下山速度って半端ないですよね」

天音琴美「ここからは朱莉ちゃんと二人で滑走していきます!」

若宮朱莉「天音さん、よろしくお願いします!」


そこから若宮朱莉と天音琴美の二人が同時にゲレンデを滑走していった。もちろんこのシーンの収録もしていったが、人が映りこんでしまったところはカットとなってしまった。



午前13時50分・・・川場スキー場~東京


全員が川場スキー場のゲレンデ下まで滑走していった時、時刻は既に13時50分を過ぎていた。最後のロケ収録を終えると駐車場でロケバスに乗って東京へと戻っていった。今回のロケ収録の半分は雪山登山で、あとの半分はバックカントリースキーとなってしまったが、これで数年前にバックカントリーに挑んで失敗した天音琴美を払拭できると水城涼真は思っていた。


天音琴美「涼真さん、今回のロケってもしかしてあたしの過去を払拭させる意図もあったのですか?」

水城涼真「まあそれも考えてたけど、とりあえず二人は雪山登山もできるしバックカントリーもできるってことを公表したかったんよ」

若宮朱莉「でも武尊山の雪山登山は短かったし本当に放送されるのかな?」

水城涼真「されると思うわ」

天音琴美「涼真さんに朱莉ちゃん、今日中に大阪に帰らないといけないの?」

若宮朱莉「いえ、さすがに今日は東京で一泊して明日の午後に大阪へ戻りますよ」

天音琴美「だったら、今夜はあたしの家に来て宴会しない?」

若宮朱莉「天音さんがそうおっしゃるならお邪魔させていただきますが、涼真さんも来るよね?」

水城涼真「女性の部屋に泊めてもらうのは気が引けるけど、まあ朱莉ちゃんが行くなら俺もお邪魔させてもらうわ」

天音琴美「やったぁ!あのね、あたしまだまだ登山のお話したいの。そういえば今年は白山へバックカントリーに行くのよね?」

水城涼真「5月の末に行く予定やけど、まだ日程は決まってないな」

天音琴美「絶対に予定を開けますから白山のバックカントリーには連れていってください!あたしが登山をはじめたキッカケの山だから想い入れがあるの」

水城涼真「わかった。そういえば今夜は久しぶりにあっちゃんと通話しながらの宴会にしようや」

天音琴美「そうですね。あっちゃん何してるんだろう?」


そんな話をしながらロケバスは東京にある大日テレビ局へと向かっていった。



午後20時30分・・・天音琴美の部屋


大日テレビ局で解散となって天音琴美はマネージャーに先に帰るように言った。それからタクシーに乗って東京都目黒区にある天音琴美の住むマンションへと向かった。途中でコンビニに立ち寄って大量のビールとおつまみを購入してマンションの前に到着した。誰がどう見ても高級なマンションであったが、天音琴美は「こっちに来て」と言ってそのマンションへ入っていった。オートロック式になっており、天音琴美の鍵で解除してエレベーターで5階まで上がっていった。登山スタイルでマンションの中を歩いていたので非常に目立ちはしたが、なんとか天音琴美の部屋に着いた。玄関にはスリッパが用意されており、水城涼真と若宮朱莉はスリッパを履いて部屋にあがらせてもらった。天音琴美の住む家は3LDKでそのうちの一室は登山専用の部屋となっており、他は寝室とお客様用の部屋になっている。まずはリビングに案内されて水城涼真と若宮朱莉はソファーに座った。


天音琴美「あたし、先にシャワー浴びてくるけど暇だったらテレビでも見ていてね」

若宮朱莉「わたしも後でシャワーをお借りしてもいいですか?」

天音琴美「うん。あたしの次に使ってもらっていいよ」


そうして天音琴美がシャワーを浴び終えると若宮朱莉、水城涼真の順でシャワーを浴びた。その後、リビングにあるテーブルの上には数十本の缶ビールとおつまみ、宅配ピザが並べられていた。3人がリビングに揃うと缶ビールの蓋を開けて「乾杯!」といって宴会がはじまった。そこで水城涼真は有本淳史にSNS通話を繋いだ。


有本淳史「涼真さん、お久しぶりっす!今日はどないしたんですか?」

水城涼真「あっちゃん、お久しぶりやね。実は今な、天音さんの家にお邪魔させてもらって宴会してるんやけど、あっちゃんも酒飲みながら話そうや」

有本淳史「また琴美ちゃん絡みですか?勘弁してくださいよ」

水城涼真「ちなみにこれスピーカーにしてるから全員に聴こえてるで」

天音琴美「ちょっとあっちゃん、あたし絡みだと迷惑なの?」

有本淳史「いや、そういうことやないけど、もう酔ってるん?」

天音琴美「まだ一本目だよ。それより最近全然連絡くれないから淋しかったじゃない」

有本淳史「雪山登山に必死やろなって思ったから連絡せんかっただけなんよ」

天音琴美「イケメンは言い訳も上手なのね。それよりあっちゃん、このまま通話しながら一緒に飲もうよ」

有本淳史「今、ちょうど日本酒飲んでるところやわ」

若宮朱莉「あっちゃん、お久しぶりです!」

有本淳史「おぉー朱莉ちゃん、お久しぶりっす。夫婦生活はうまくいってる?」

若宮朱莉「はい。先日、涼真さんと青葉山に登ったのですが、その時に愛の告白されました!」

有本淳史「ほうほう。それはよかったやない」

天音琴美「ねえ、あっちゃんはいつあたしに告白してくれるの?」

有本淳史「いやいや、それは永遠にないから」

天音琴美「それは酷いよーあたし、こんなにあっちゃんのこと大好きなのに・・・」

有本淳史「ちょっと涼真さん、なんとかしてくださいよ」

水城涼真「なんとかって言われても困るわ。逆に面白いんやけどな」


そういう話をしながらの宴会が続いて、結局就寝したのは午前1時であった。そして次の日の午後、水城涼真と若宮朱莉は新幹線に乗って大阪へと戻っていった。


結局、今回の登山ロケはゴールデンウィーク明けに放送されたのだが、日光白根山と上州武尊山の登山記録として2時間の登山ドキュメントとなった。

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