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続きましては活火山の焼岳です

9月5日午後12時50分・・・ババ平のキャンプ場


槍ヶ岳の山頂での収録が終わり、槍ヶ岳山荘で大休憩をして午前10時半前に下山を開始した。下山中、若宮朱莉と天音琴美は何度も振り返って景色を見ては「さような槍ヶ岳」と呟いていた。高度がだんだん下がってくると槍ヶ岳の姿も見えなくなってきたが、沢筋のほうを見ると樹林が少し色づきはじめていて秋を感じる景色と化していた。そこでも景色が良いということで下山時の収録を少しおこなった。そして槍ヶ岳山荘から約2時間程でババ平のキャンプ場まで戻ってくることができた。小屋泊をした蒲田博之と一部のスタッフは、そのまま槍沢ロッジを目指してさらに下山していったが、テント泊をした水城涼真と若宮朱莉、天音琴美、カメラマンや音声さんはまずテントを片付けはじめた。


水城涼真「ここで昼食をとりながら14時まで大休憩とします」

若宮朱莉「槍沢ロッジにいる人と何時に合流なの?」

水城涼真「蒲田さんには14時半って伝えてる」

若宮朱莉「じゃあ天音さん、お願いしていましたラーメンをお願いします」

天音琴美「マルタイラーメンの5人前っていうのが売ってたからそれ2袋持ってきたよ。あとモヤシとベーコン切ってきたから一緒に入れて食べましょう」

水城涼真「スタッフの方々も行動食ではなく、こっちにきてラーメンを一緒に食べてください」


水城涼真は少し大きめのチタン製の鍋を出してきて水を入れてお湯を沸かしはじめた。一度に3人前くらいは作れるお湯が沸騰すると先にベーコンと麺を入れたあとでモヤシをトッピングした。麵が茹で上がったところで最後にスープとごま油を入れて完成となった。水城涼真は紙ボウルと割り箸を配って、持ってきていた鍋用のお玉でスープをとって麺と具材を紙ボウルの中へ入れて食べていった。みんな同じことをしながらラーメンを食べていくと3人前はあっという間になくなった。その次はがんばって4人前くらいのラーメンを作ったが、それもすぐに無くなり、最後にもう3人前のラーメンを作った。みんなお腹が空いていたのか、最後の3人前もすぐに無くなり、スープも全て飲み干された。水城涼真はザックの中からロール(トイレットペーパー)を出してきて鍋を綺麗に洗い、後片付けをしていった。


天音琴美「涼真さん、それよく持ってこられていますが、トイレットペーパーですよね?」

水城涼真「そうや。芯を抜いてジップロックに入れて持ち運んでるんよ。これはどんな時にでも使えるからな」

天音琴美「たしかに、いつも見ていて便利そうに思っていました。あたしも真似しようかな」

水城涼真「山ではロールって言い方するんやけど、こうやってコッヘルを洗う時もトイレに行きたくなった時も使えるから便利やで」


後片付けを終えてぼーっとしていると午後14時前になったので下山を開始した。それから20分程下山をして槍沢ロッジで小屋泊していた蒲田博之やスタッフ達と合流すると、そのまま下山をしていった。



午後15時40分・・・横尾山荘


さすがに下山は早く午後15時40分前に横尾山荘まで戻ってくることができた。今日はテレビ局側が支払うということで横尾山荘で小屋泊することになった。あらかじめ蒲田博之が横尾山荘と交渉して、夕食だけは作ってもらえることになっている。


水城涼真「明日は午前5時30分出発ですし、みなさんお疲れのようですから早く寝てください」

蒲田博之「水城さん、山荘で食事をしているシーンの収録をしても構いませんか?」

水城涼真「せっかく昨日テント泊のシーンを収録していたのがぶち壊しになりませんか?あくまでテント泊をして登ったことを強調したいのであれば辞めたほうがいいと思うのですが・・・」

蒲田博之「それもそうですね。それではここでの収録は無しとします」


その後、水城涼真と若宮朱莉、天音琴美の3人は横尾山荘の売店で500mlの缶ビールを24本購入した。このビールもテレビ局の経費で落とすとのことだった。水城涼真は缶ビールを持って山荘の外に出ると、立川來未が一人でベンチに座っていたのが見えたので行ってみた。


水城涼真「來未さんだっけ!?志帆はどこに行ったん?」

立川來未「志帆ちゃんは疲れたから少し横になってくると言って広間のほうへ行きました」

水城涼真「そっか・・・ちょっと隣に座ってもええ?」

立川來未「あっはい、どうぞ!」

水城涼真「來未さん、正直なところ、志帆はこの先仕事やっていけると思う?」

立川來未「志帆ちゃんはセンスがいいのでやっていけると思います。ただ、がんばりすぎるところがあってそこが心配です」

水城涼真「そうなんや。逆に天音さんや來未さんに迷惑かけてないか心配やったんやけどな」

立川來未「迷惑なんてとんでもない!逆にこっちが助けてもらっているくらいですよ」

水城涼真「それならよかったけど、仕事となれば人間関係のこともあるからな」

立川來未「志帆ちゃんはわたしにとって本当に可愛らしい妹のような存在です。お兄さん、なんだかんだ言いながら心配されていたんですね」

水城涼真「まあ兄として妹の心配してるだけなんやけどな。あいつもともと東京嫌いやって言ってたんやで」

立川來未「そうなんですか!?そんな風には見えませんよ。プライベートでもよく一緒に渋谷でお買い物したりお昼させてもらっています」

水城涼真「仕事の上司が來未さんみたいな人であいつも恵まれたんやな。あっごめんな、そろそろ俺行くわな。今後とも妹のことよろしくお願いします」

立川來未「こちらこそ!志帆ちゃんのことはお任せください!!」


水城涼真はそのまま山荘の中へ入っていった。それから夕食の時間となって食堂へ行くと料理が並べられていた。ビールが飲みたい水城涼真、若宮朱莉、天音琴美の3人はさっさと食事を終えて山荘の外に出て行った。ベンチの下に缶ビールを数本置いて3人で宴会をしていると、疲れていたせいか若宮朱莉が珍しく「眠くなってきちゃった」と言った。時刻は既に午後20時を過ぎていて消灯時間まであと1時間を切った。


水城涼真「お二人とも体力的にはどう?」

若宮朱莉「わたしは全然平気だよ。今はただ眠いだけかな」

天音琴美「あたしも全然平気ですよ」

水城涼真「じゃあ今日はさっさと眠って明日に備えよか。俺絶対に焼岳に登りたいねん!」

若宮朱莉「わたしも焼岳は登ってみたい!」

天音琴美「あたし達が平気でもスタッフさんがどうかですね」

水城涼真「まあ、もうスタッフさんは眠ってるみたいやし、大丈夫なんとちゃうかな」


ここで密かに焼岳登山の計画が立てられて、その後3人も山荘に入って眠った。



9月6日午前5時・・・横尾山荘~上高地


夜が明けた午前5時にみんな起床した。昨晩はよく眠れたようで、みんなすっかり疲れがとれているようなスッキリした表情をしていた。出発の準備を終えて午前5時30分前には横尾山荘を後にした。今日も文句のない晴天で登山日和だ。徳沢、明神館でそれぞれ15分の休憩をとって上高地を目指して歩いていると、雲一つない綺麗な焼岳が見えた。ここで焼岳のほうへ歩いていく若宮朱莉、天音琴美の2人の収録がされた。そして午前8時50分、とうとう上高地まで戻ってくることができた。最後に河童橋の上で雲一つない穂高連峰をバックに収録となった。


天音琴美「みなさん、無事、上高地に戻ってくることができました。今日は穂高連峰の稜線が綺麗に見えています。朱莉ちゃん、槍ヶ岳はどうだった?」

若宮朱莉「もう最高でした!アルプスの山々を見下ろすといった、あんな景色は見たことがありませんでしたので感動しました」

天音琴美「そうだね。あたしも今まで登ってきた山々が一望できて感動しちゃった」

若宮朱莉「この3日間は長かったような短かったようなそんな感じです」

天音琴美「うんうん!本当に楽しいことは時間が経つのが早いよね。じゃあ、朱莉ちゃん、また一緒に山にいこうね」

若宮朱莉「はい。また行きましょう!」


これで今回の槍ヶ岳登山ロケの収録が終わった。


水城涼真「さて、みなさん突然ですが、これからあの焼岳に登りたいと思っているのですが、体力的にはいかがでしょうか?」

蒲田博之「水城さん、あそこは何時間くらいで登れるのでしょうか?」

水城涼真「登りで2時間半くらいで、下りはもっと早いです。登山口はさわんどバスターミナルからすぐ近くにあります」

井野口晃「水城さん、まだ山に登るのですか?」

水城涼真「せっかくなので、あれも登っておきたいのです。朱莉ちゃんや天音さんは登りたいと言っています」

蒲田博之「時間はたっぷり残っていますので登っても構いませんが、カメラや音声のバッテリーが気になるところなので確認します」

水城涼真「焼岳登山もロケ収録して番外編にでもすればええんとちゃいますか?」

蒲田博之「実は私もそれを考えていました。ちょっと確認してきます」


蒲田博之はカメラマンや音声さんに体力的なことやバッテリーの残量について確認していた。そしてカメラマンと音声さんは体力的にまだ大丈夫ということ、バッテリーは車に戻れば予備があるとのことであった。


蒲田博之「水城さん、確認オッケーです。こうなれば私もとことん付き合いますが、ロケバス一台は先に東京へ戻すことになりました。収録に必要なスタッフだけ残ることになります。ではタクシーでさわんどバスターミナルへ戻りましょうか」

水城涼真「よかったです。ではさっさと次へ行きましょう」


さわんどバスターミナルまで戻ってくると水城志帆が「お兄ぃ、じゃあまたな。あかりんのこと大切にするんやで!」といってロケバスに乗って東京へ戻っていった。



午前10時40分・・・新中ノ湯ルートの焼岳登山口


国道158号線を安房峠のほうへ向かい、中ノ湯温泉から山道を上がったところの新中ノ湯ルートの焼岳登山口の前で車2台を停めた。井野口晃は車で待機していることになり、テレビ局のロケバスも運転手一人を待機させると、他のみんなは車から降りた。蒲田博之が「では登山口の前で収録しますので天音さんと若宮さん、お願いします」と言った。


天音琴美「みなさん、おはようございます。実は先ほど槍ヶ岳から戻ってきたところなのですが、せっかくなので焼岳にも登ることになりました。山のハシゴなんて体力的に大丈夫?と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、昨晩はぐっすり眠れて疲れは取れましたのであたし達は大丈夫です!朱莉ちゃん、活火山に登るのははじめてだったよね?」

若宮朱莉「はい。はじめてなのでとても楽しみなのですが、噴火しちゃったらごめんなさい!」

天音琴美「あははは、噴火したらあたしも天国からみなさんに謝罪しないといけなくなっちゃうよ」

若宮朱莉「そうですね。登山の基本は無事に家に帰ることだと思いますので、気をつけて登りましょう!」

天音琴美「では、番外編で放送されるかわかりませんが、焼岳の山頂目指してレッツゴー!」


ここで蒲田博之が「はい、オッケーです!では登っていきましょうか」と言ったので、若宮朱莉と天音琴美を先頭にみんな登りはじめた。水城涼真が「最初は急登なのでペースダウンしながら登っていってください」とアドバイスして樹林帯の中を登っていった。急登が落ち着いたところで一度立ち休憩をして、再び登りはじめた。樹林帯の中での登りでは収録はしていったものの、絵にならない場所でもあったので蒲田博之が首をかしげていた。ところが登山口から40分程が経過したところで樹林帯を抜けると一気に視界が広がった。焼岳は北峰と南峰の2つのピークを持つ双耳峰そうじほうである。雲一つない晴天の下でその2つのピークがよく見えている。そこから雰囲気のいい場所ということで収録が続けられていった。



午前11時55分・・・下堀沢出合(標高2040m)


登山口から歩きはじめて1時間程経過すると下堀沢出合の手前の広場に到着した。ここからの景色は抜群で焼岳の北峰と南峰の2つのピークがよく見える。水城涼真は「ここで20分程休憩にします」と言って、みんなザックを下ろすと行動食を食べながら水分補給をした。


若宮朱莉「涼真さん、2つのピークがあるけど、どっちに登るの?」

水城涼真「右側の北峰やな。左側の南峰は立ち入り禁止なんよ」

天音琴美「あのピークですか。まだ結構遠そうですけど、あとどのくらいで登れます?」

水城涼真「そうやな、1時間半かからん程度かな。この先からが活火山の見所になるから楽しみながら一気に登っていけるで」

天音琴美「そのくらいで登れるんだ!今回、焼岳に登ってよかったです」

若宮朱莉「活火山の見所が楽しみだけど、一気に登るってことはもう休憩場所はないの?」

水城涼真「火山ガスの噴気地帯になってるから、休憩なんてしてたら危ないんよ」


その後、休憩時間を終えると、みんな歩きはじめた。笹藪の地帯を抜けて標高を上げていくと穂高連峰や霞沢岳が見え始めた。そして木の階段を登っていくと森林限界に越えて笹地帯になるとさらに視界は広がった。まさに北峰と南峰の間にあるコルを目指して直登している感じだったが、活火山でしか見られないような迫力ある岩盤やガレ場の風景は見事であった。そんな風景を見た若宮朱莉が「すごい!火山って近くで見るとこんな感じなんですね」と言うと、天音琴美が「これはすごい迫力だね!あたし、こんな感じで活火山を見たのははじめてだよ」と言った。だんだんコルに近づいてくると木の階段が終わってガレ場となった。その付近から硫黄の匂いが漂ってきたが、先頭を登っているカメラマンの1人が走って登っては収録しての繰り返しをして少し息切れ状態になっていた。


水城涼真「蒲田さん、先頭のカメラマンさんが息を切らしているようで、火山ガスを吸い込んでしまう危険がありますので後ろのカメラマンさんと交代させてください」

蒲田博之「そうですね、わかりました。カメラマンさん、前後を交代してください。それとここからはあまり走らないように注意してください」

水城涼真「みなさん、ここからあまり大きく息を吸い込むようなことはしないでください!」


そうして前後のカメラマンが交代すると若宮朱莉と天音琴美はスローペースで登っていった。そこで後ろを振り向くと迫力ある霞沢岳の山容が見えた。若宮朱莉は「後ろに見えてる山は何ですか?」と水城涼真のほうを見ながら少し大きな声で聞いてきた。水城涼真も少し大声で「あれは霞沢岳や」と答えた。


天音琴美「あれが霞沢岳なんだ。女性に人気の山らしいよ」

若宮朱莉「そうなんですね。わたし、はじめて知りました」


下堀沢出合から1時間程してようやく焼岳の北峰と南峰の間にあるコル部に到着した。ここは噴煙真下になり、硫黄によって黄色く変色した岩石の間から火山ガスが噴き出されている迫力ある光景を間近で見ることができる。そして南峰のほうは正賀池を見ることができるのだ。


天音琴美「うわー朱莉ちゃん、火山ガスが吹き出されているよ」

若宮朱莉「なんかすごい迫力ですね!それにこの辺、ちょっと暑くないですか?」

天音琴美「火山ガスの温度は800℃から900℃って言われてるから、その熱のせいかもね」

若宮朱莉「火山ガスってそんなに高温なんですね。でもこの噴煙もですけど活火山って迫力を感じさせられる山なんですね」

天音琴美「うんうん、すごい迫力だよね!あたし、今回は朱莉ちゃんと一緒に焼岳に登って本当によかったって思うよ」

若宮朱莉「わたしも天音さんとご一緒させていただいて本当に嬉しいです!」


そこで水城涼真が「そろそろ出発しましょうか。こんなところで立ち止まっていると危険です!」と少し大きな声で言った。



午後13時30分・・・焼岳・北峰(標高2444m)


コルから稜線を右に進んでいき別の噴煙場所を通りすぎて、その噴煙場所の真上まで登り詰めた先へ行くと焼岳・北峰の山頂(標高2444m)に到着した。山頂直下からは真下には先ほどいた上高地、梓川を挟んで左に迫力ある笠ヶ岳や穂高連峰、右に迫力ある霞沢岳、その左側の向こう側には昨日登頂した槍ヶ岳までも一望できる素晴らしい眺望であった。山頂表示の木柱前で若宮朱莉と天音琴美は記念撮影すると、眺望をバックに収録が開始された。


天音琴美「みなさん。あたし達はついに焼岳北峰、標高2444mに登頂しました。ここまでも活火山の迫力ある景色を堪能してきたのですが、山頂からは素晴らしい景色を望むことができました!朱莉ちゃん、焼岳の登頂やったね!!」

若宮朱莉「はい!山頂でこんな素晴らしい景色を見れるとは思っていませんでした。本当にやったぁ!!って感じです」

天音琴美「槍ヶ岳だけで帰らないで本当よかったね!」

若宮朱莉「うんうん!本当によかったです!!」

天音琴美「朱莉ちゃん、あの梓川の真ん中のほうに屋根がたくさんあるところが、さっきあたし達がいた上高地だよ」

若宮朱莉「あんなところに・・・ここから見るとすっごく小さく見えるんですね」

天音琴美「それと左側の奥に見える尖った山が、あたし達が昨日登頂した槍ヶ岳だよ。あんなところから歩いてきたんだね」

若宮朱莉「うわー槍ヶ岳もここから見えると小さく見えますね。その手前が笠ヶ岳でーす!って登山ガイドさんからお聞きしました・・・えへへ」

天音琴美「梓川を挟んで左に穂高連峰、右に霞沢岳ですね」

若宮朱莉「この手前に見えている稜線を歩いていくと西穂高岳にも行けちゃいます!」

天音琴美「へえー、朱莉ちゃんよく知ってるね!?」

若宮朱莉「えっとこれも登山ガイドさんにお聞きしました」


そして最後に天音琴美が「じゃあ登頂記念に・・・」というと、あらかじめ打ち合わせしていたのか2人は声を合わせて「焼岳を登頂、やったぁ!」と言いながらガッツポーズをした。そして蒲田博之は「はい!バッチリオッケーです」といって収録を終えた。


蒲田博之「水城さん、予定外でしたが焼岳に登れてよかったです!まだわかりませんが番外編として放送できればと思います」

水城涼真「それならよかったです。それにしてもスタッフのみなさんの体力には驚きました」

蒲田博之「普段から走り回っていますからそれなりに体力はあると思います」


そして収録を終えた若宮朱莉と天音琴美がザックを置いて休憩していると、40代後半くらいの夫婦と思われる登山者2名が話しかけてきた。


登山者(男性)「こんにちは」

登山者(女性)「こんにちは。もしかして、女優の天音琴美さんとタレントの若宮朱莉さんですか?」

天音琴美「こんにちは。そうです。登山ロケの収録で登ってきました」

若宮朱莉「こんにちは。ご夫婦で登られてきたんですか?」

登山者(女性)「はい。夫と2人で登ってきました。これってテレビで放送されるのですか?」

天音琴美「焼岳の登山に関しては放送されるかわかりませんが、昨日登った槍ヶ岳は放送されますよ」

登山者(女性)「えぇーーー!?昨日、槍ヶ岳に登られたのですか?」

登山者(男性)「昨日、槍に登ってそのまま登山のハシゴして焼岳に登ってこられたということですか?」

若宮朱莉「そうです!槍ヶ岳も素晴らしかったですけど、焼岳も登ってみるといいですね」

登山者(男性)「あなた達は化け物ですか!?私らはこの焼岳だけでも結構疲れましたよ」

天音琴美「あははは、たしかに化け物かもしれませんね。でも、もっと化け物なのはあそこにいる登山ガイドさんですよ」

登山者(女性)「すごいことされるんですね!私らにはとても真似できません」

登山者(男性)「じゃあ、そろそろ下ろうか」

登山者(女性)「そうだね。突然話しかけて申し訳ありませんでした。ではお先に失礼します」

天音琴美「いえいえ、ではお気をつけて!」

若宮朱莉「お気をつけて!」


そうしてその登山者夫婦は下っていったが、今度はそこに水城涼真がやってきた。


水城涼真「誰が化け物やねん!」

天音琴美「涼真さんは化け物じゃないですか?朱莉ちゃんもそのうち・・・」

若宮朱莉「あははは、たしかに涼真さんは化け物ですけど、わたし達もそうなりつつあるんじゃないですか?」

水城涼真「あんな、登山って体力は必要やけど、体力任せやと限界があるねん。歩き方とか休憩の仕方を上手く工夫すればいくらでも歩けるようになるよ」

天音琴美「それはいえるかも!清水さんにも同じことを言われました」

若宮朱莉「立山から剱岳に縦走した時のことを考えれば、今回のことは別に不思議ではない気がします」

天音琴美「たしかにそうね。あっそういえば・・・あのね、あたし9月20日と21日は京都で撮影があって、22日はオフなんだけどどこか山に連れていってもらえないかな?」

水城涼真「22日の日曜日か・・・天音さんの希望する山はないん?伊吹山だけは暑いから勘弁してほしいけどな」

天音琴美「やっぱり大峰かな。まだあたしが登ってないところがあればいいんだけど・・・」

若宮朱莉「涼真さん、釈迦ヶ岳から見えた七面山とアケボノ平だっけ!?そこには登れないの?」

水城涼真「七面山か・・・じゃあまた遠いけど、神仙平から七面山に登ろか?」

天音琴美「神仙平ってなんか神秘的な名前だけどどんなところですか?」

水城涼真「そうやな、神仙平は大峰の神秘的な高原地帯と思ってくれればええかも」

若宮朱莉「神秘的な高原地帯!?うわーそこ絶対に登ろうよ!!」

天音琴美「そんなところがあるんですね。では神仙平と七面山でお願いします」

水城涼真「たしかあっちゃんも連休は空いてるって言うてたから誘ってみよか」

天音琴美「是非是非誘ってください!!」

若宮朱莉「天音さん嬉しそうですね」

水城涼真「釈迦ヶ岳の時みたいに朝早いし夜は遅くなるけど大丈夫?」

天音琴美「23日の夕方までに東京に戻ればいいので大丈夫です!」

若宮朱莉「わたしも23日の夕方からお仕事だから大丈夫」


そういう話で9月22日に大峰の神仙平から七面山へ行くことが決定した。


午後14時30分になったところでみんな下山を開始した。今回は下山中の収録はなしとのことだったので16時前には焼岳登山口まで戻ってくることができた。みんなが「お疲れ様でした」と挨拶を終えると東京に戻る人はロケバスに乗り込んだ。そして水城涼真と若宮朱莉は井野口晃の運転するワゴン車に乗って大阪へと戻っていった。結局、9月28日の土曜日に槍ヶ岳登山が全国放送されることになり、その次の週の土曜日に番外編として焼岳登山が全国放送されることになった。

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