プロローグ『1日目』
どうもアタラクシアです。見直してみると、色々と気に食わないところがありましたので、どうせならと一旦新作として出してみました。
クラスメイト全員が主役の群像劇ですが、誰一人としてチートにする気はありません。覚醒とかもなし。クソザコスキルで頑張っていきますので、どうか末永くお付き合いください
ひとえに『異世界』と言っても、種類は様々だ。まぁそもそも、どれだけ現実世界と似ていても、そこが創作の中であるならば、それらは異世界と言えるが。
ともかくだ。異世界は人によって十人十色。数え切れないほど膨大な世界が作られてきている。
この世にはマルチバースなる概念があるらしく。同時に存在する平行世界では、もしかしたらアニメや漫画のような世界があるのかもしれない。
さて──そろそろ現実逃避は終わりにするとしよう。
「……は?」
まず彼──『袁尚不破』は、修学旅行のバスに乗っていた。
やってきていたのは沖縄。修学旅行では定番の場所だ。常夏の海。白い砂浜に透き通る海は一目見ただけでウットリとするほど美しく。二日目に予定されていた海水浴をとても楽しみにしていた。
「うん……うん。──いやここ森じゃん」
──現在地は不明。周り一面が木々に囲まれている。
まず乗っていたバスが見当たらない。不破が座っているのは硬い地面。土の匂いと味を感じる自然のカーペットだ。
「待て待て待て……確かに左側に森みたいなのはあった。あったよ。でもさ、右側は普通に街だったじゃん。森は森でもコンクリートの森だったじゃん」
どこを見渡しても木、木、木。果物一つも実っていない気味の悪い木。見てると不安になってくる。
というより、なんか変な匂いがする。木とか植物はもっとこう、優しい感じの匂いのはずだ。なんでこんなに人工甘味料みたいな匂いがするのだ。
「仮にバスが事故ったとして……でも服はそんなに汚れてないな。この汚れは地面に寝ていたからだし」
不破が通っていた高校『風鈴高校』の制服は修学旅行用に母親がクリーニングに出してくれていたので真っ白だ。土で汚してしまって罪悪感が生まれるほどに。
バスが事故ったなら、もう少し汚れていてもおかしくない。なんなら怪我の一つや二つくらいはしてるはずだが……体を見渡してみても血どころか、痣すらない。
「じゃあなんだこれ」
目を覚ましたら見知らぬ場所。周りには誰もおらず。山?の中にひとりきり。
漫画やら小説やらは沢山読んできた自信はある。最近はもっぱら電子漫画なので実本はあまり持ってないが。
「……もしかして。これって──」
長く本を読んできた経験から導き出した馬鹿みたいな結論。拙い頭脳から捻り出した結果は、不破を叫ばせるに至ったようだ──。
「──異世界転移ってやつか!!」
──かくして彼。正確に言うなら彼らの奇妙な異世界冒険譚は始まるのであった。
投稿時間は不定期です。だいたい20時半くらいかな?コロコロ変わってすみません……。
ちなみに第一章は書き終わっております。