表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
49/250

興味がない

「やっぱり納得いかない!!」


そう叫ぶのは『アレクシア・ウェンズディ』。


先日、スパイク見殺し事件で騒いでいたうちの女性側だ。


一同はファミリーハウスに戻り、自らが手に入れたポイントを確認しながらシステムボードを閲覧している時の事であった。


今回は今までの中で、正に『桁違い』のポイントが入手される事になり、特にボス戦に参加した者は漏れなく200ポイントもの高得点が入手出来る運びとなっていた。


どれほどの貢献が『援護』として換算されるかは分からないが、その場にいただけの『カーラ』や、それこそスパイク見殺し事件で一番騒いでいた男性、『モルガン・アシュフォード』にはこの援護ポイントが付かなかったが、明確に本体へダメージを与えた訳では無いが、装備破壊に貢献したライアンや、装備の引き剥がしやチーム連携を取ったマーロンにはしっかりと援護ポイントが入っていた。


特にマーロンに関してはダメージを与えていないと言っても過言では無いが、彼の行動は確かにチームへと貢献した為にそう言った部分もシステム的に評価されているのだろう。


何かしら異能を叩きつけるだけでも莫大なポイントを手に入れられる可能性が有っただけに、今回ボス戦に参加しなかった者、したとしてもボスとは直接対峙しなかった者の中からは不満の声が漏れている。


自業自得とはこの事なのだが、恐怖を感じて戦闘への参加を億劫に感じた事により招いた結果だと言う事で、納得せざるを得ない空気がファミリーハウスには漂っていた。


もっぱら、ケヴィン、シアン、グランのポイント取得ランキングトップ3との格差は半端ない物で、ケヴィンに至っては初の四桁ポイントの取得と言う、身体強化、異能強化のどちらも同時に『2』の取得が可能な状況となっている。


むしろシアンに至っても前回分のポイントを合わせればケヴィンと同じ様にどちらの強化2も取得可能だ。


ファミリー内でも別格の二強扱いとなっている二人に次いで、グランは今回『身体強化2』を選ぶと言う手筈になっている。


理由としては、異能強化も捨てがたいが今回の戦闘を踏まえた所、戦闘の要になったのは間違いなく『シアン』であり、次いで猛攻を掛ける切っ掛けとなった『リアム』を含めた前衛二人の存在がとても大きいと感じた事だと言う。


確かに今回もエリルの突拍子もない作戦が上手く言った理由も、シアンが完全にヘイトを稼いでくれていたお陰と言っても過言では無い状況だ。


グランはそんな彼を見て、後衛だけで満足していてはダメだと思い、更に近距離戦闘も柔軟に熟せる様に身体強化2を選ぶのだと言う。


そこに関してエリルは反対するつもりなんて無かった。


そもそも今回、わざわざグランがエリルにそう宣言したのも、前回自分が先に異能強化を選ぶべきだと指示した事があった為だろう。


あの時も別段自分の言う事を聞かせるつもり等無く、当時の戦闘バランスを考えて後衛をもっと強化するべきだと思って言っただけの事だ。


一度師事を受けた為なのか、彼は律儀に断りを入れて来たと言う事なのだろう。


もはや戦闘のレベルはエリルがとやかく言える次元では無くなってきているのだ。


身体強化を得たジェシカですら負傷するレベルの戦いだ。


強化どころか異能すら扱えない自分は、そろそろただのお邪魔虫と化す頃だ。


そして正にそれが原因と言っても過言では無い状況によって、アレクシアは叫んだと言う形だ。


莫大なポイントを手に入れるチャンスを自ら不意にした事に対して不満はあったが、自分自身の行動を改めて誰もが『仕方ない』と思う様な空気感だった。


しかしその流れの真横で、自分がジェシカのシステムボードを覗き込みながら、色々と今回の取得ポイント分のアイテムを譲ってもらっていた状況が悪かったのだろう。


食料の受け渡し制限によって、食事券一枚と水2リットルしかその日は受け取れない状況だったが、ジェシカがアイテムリストをスライドさせていた所、出来れば『持っておきたい』アイテムが表示された為に、代わりに交換して貰っていた最中だった。


ポーション     5P

ハイポーション  50P

エクスポーション 500P


といった感じで、すっかり忘れていたのだがアイテムリストには回復アイテムも常備されていたのだ。


エリルは今回、薙刀を受け取ってから手に入れたポイントが380ポイントあった。


ジェシカが自力で倒したスケルトンナイト2体を除いた、スケルトンナイト6体とスケルトンジェネラル(援護)分のポイントだ。


そしてそれを半分にするだけでも、190ポイントものポイントをジェシカに預けている事になる。


代わりに身体強化を取得して欲しいが、そう言ったパッシブ化されるスキルは本人が取らなければ意味がない。


よってエリルはアイテム交換によって、いつも通りポイントを分けてもらう事になるのだが、今回ジェシカが傷ついた時の様に『ヒーラー枠』が存在していない自分達の中では、こう言った回復アイテムを持っておく事も大事な事だと思い、特に魔物の一撃一撃が致命傷になるエリルの立場からすれば、絶対に持っておきたい品であった。


出来るならポイント分全て交換して貰いたかった事も有り、ジェシカ自身そのつもりだったらしいが、エリルは敢えて今回は『100P分』と決めて、ポーション類を受け取る事にしたのだ。


理由は単純で、ジェシカにも今回のポイントから『身体強化2』を入手してもらいたかったからだ。


せっかく戦う意思を持って自ら戦場で武器を振り回せるまで成長した彼女が、今回の事でまた恐怖によって戦えなくなると言う状況を避けたいとエリルは考えていた。


次の戦いでポイントを手に入れたら、その中からまたアイテムを譲って欲しいと言う交換条件を掲げた事で、ジェシカはやっと納得した形だったが、それでも何故か複雑な表情から晴れないジェシカであった。


恐らく既に『出来てる』だろうネイサンからはその行動を非常に感謝され、暑苦しいハグを受ける事となるのだが別に彼の為では無い。


自分が満足に役に立てない事と、彼女が戦う様になってから面倒を見ずに放置してしまった事への償いの意味も込められている。


今回はそう言った取引の元、食事券一枚、水2リットル、ポーション9個、ハイポーション一個を交換して貰い、彼女から受け取っていた時のアレクシアの叫びが『あれ』だったのだ。


「なんで私達よりもポイント取得してないあいつがあれだけ贔屓されてるの? 意味わからなくない? 今回もあいつは0ポイントだったんだよね!? なのになんであんなにアイテム貰ってんの? 何かあの子弱みでも握られてんの? だとしたら最低な男よ!」


エリルはその声に振り向かない。


曰く、『またか』と思う程度にしか彼女の言葉は響いて来ないのだ。


つまり『興味がない』ということ。


その為、ピクリと反応してしまったジェシカに、気にすんなと一言声を掛けて交換したアイテムを全て受け取った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ