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元シアンチームの者達

エリルは現在、合計『十人』になるパーティを組んでミッションへと進んでいる。


何故そんなに大所帯になっているかと言えば、先日から問題になっていた『非戦闘組』を連れて今回のミッションに挑んでいるからである。


ロキによってルールが改変され、ポイント取得をしない者は皆食料の配布が極端に少なくなる事となり、満足に食っていく場合には嫌でも戦闘に参加するしか手段が無かった。


シアンの発案で元々戦闘に参加していた者の中から先導する者を平均的に分け、その者達を引率係にする事で非戦闘組だった者達の戦いの補助をする事となったのだ。


それに伴いチーム分けは今までと大きく変わった。


エリルが所属しているチームには『グラン』こそ居るものの、他に先導役で配属されたのはシアンとチームを組んでいた者達から二人宛がわれた。


グランの他に二人も戦闘経験者をエリルのチームに置いたのは、エリル自身がシアンに要望した事でもある。


ジェシカが今回一人立ちする為に武器召喚を己の為に使う事から、異能の使えないエリルはほぼ戦闘に参加出来ない状況となる。


その為自分を戦力として数える事は止めた方が良いとシアンに言った事で、シアンチームから二人の戦闘経験者が配属される事なった。


一人は『ディム・ロナウド』と言う名を持つ者で、彼も地球出身者である為最初こそ魔物との戦いに恐怖を感じてしまったが、二日目以降シアンと行動を共にする事より、率先して魔物と戦う姿勢を見いだせた人物だ。


ポンパドールヘアーとでも言うのか、若干ウェーブがかった前髪を後ろに流す様なショートヘアが、白い肌と堀の深い顔付きと相まって中々爽やかな人物に見える。


20代後半くらいだろうか、中々に筋肉質な体型で身長はエリルと同程度のものだが彼は背筋が伸びている為にエリルよりも高く見える。


異能は『蹴り』と言うなんともシンプルな名称だが、逆にそのお陰で何をすればいいか分かり易かった為に、彼はそのスラっとした足を巧みに操作して魔物を蹴り飛ばしていた。


二人目は『リアム・アームストロング』と言う名の30過ぎているかどうかくらいの年齢の男性だ。


身長は170程だろうか、一般男性平均よりは若干低いかもしれないが、それでも熱い胸板と太い腕を持っており、名は体を表すとでも言うのだろうか、アームストロングと言う名がぴったりに見える名前だ。


癖の強い曲がりくねった金髪を短く切りそろえ、立派な口髭と太い眉を携え、鳥のくちばしにも見える程の高い鼻が備わっている。


彼もまた堀が深く、本人は真顔のつもりだろうがやたらと目つきが悪くも見える。


だが話してみれば気のいいあんちゃんと言う感じではある。


異能は『盾』というもの。


ジェシカの『武器』と同じ様に盾を召喚する能力かと思ったのだが、今の所そんな事は無く、どうやらその異能を発揮した際には敵からの『ヘイト』を自分へ向ける様に仕向ける能力だったらしい。


所謂『タンク役』とでも言うのだろうか。


自分へ敵を集中させている間、安全圏から仲間に攻撃を仕掛けて貰う事で仲間を守りつつ、自分は援護ボーナスをもらう事でポイントを集める事が出来ているらしい。


盾自体が出せない状態で、クロウラビットからの攻撃を食らう事を危険ではないかと思われたが、自分の意思で『防御』を行った場合、その瞬間であれば肉体が強固となり防御が跳ね上がっている状態になるらしい。


まさに今回の引率係としては最高の能力では無いだろうか。


出来る事なら彼にも早々に異能強化や身体強化を入手して貰って、その防御力に磨きをかけて欲しい所だ。


その二人にグランを合わせた三人がエリルチームの先導役である。


残った者達の中から、今回のミッションを通して自ら戦闘に参加する者が現れれば、今回のチーム分けも意味が有るものとなるだろう。


他のチームには身体強化を手に入れたジェシカを中心とし、その両サイドをネイサンと元シアンチームのもう一人が固める。


ケヴィンは相変わらず単独行動すると言ってきかない為に彼には自由に行動させている状況だ。


となると残るシアンは彼一人が非戦闘組の残りの者達を一人で先導する事になるのだが、実の所彼は自ら相方に『ライアン』を選んでいたのである。


昨日の一連の騒ぎから、シアンが責任を持ってライアンを指導する事を決め、彼と共に二人で先導役となる事を買って出たのだった。


実の所シアンなら一人でもきっと非戦闘組を守り切れるだろうとエリルは思っていた。


昨日の段階で幾人かが異能強化及び身体強化の何れかを入手して行ったのだが、シアンにはしっかり100ポイントを残して貰った事で身体強化と異能強化の両方を取得して貰ったのだ。


片方だけでも化け物染みた力を手にいれられるのだが、シアンはその両方を現在扱える状態にある為に、強化を取得したメンバーの中でも頭一つ抜けた存在になってる事だろう。


他にも一人で行動しているケヴィン自身も、『異能強化』を取得してもらった。


彼は律儀に50ポイントの中からシアンへ食事券等を返そうとしていたのだが、そこはシアンとグラン含めて三人掛かりで彼を説得する事で、ほぼ無理やり異能強化を取らせる事に成功した。


次のミッション……つまり今参加しているミッションでケヴィンは確実にポイントを稼げるのだから、先に受け取った食事分を返しても問題ないだろうと彼は発言していたのだが、逆に言えば先に強くなる事で狩り効率を上げた方が結果的にチームの為になると言った所、渋々納得したと言う感じだ。


そして今回、グランにも『異能強化』を取得させている。


ケヴィンが手に入れた異能強化の効果は、魔法の種類を増やす事と威力の上昇が主な物だった。


単純な威力上昇だけで無く、手数や種類も増えたケヴィンのそれを見て、グランも異能強化すれば投擲の威力だけで無く、何かしら投擲に関る別の追加効果も見られるのではないかと期待しての指示であった。


そしてエリルの予想通り、グランは異能強化によって理想の追加効果を得られた。


今迄は転がっていた石ころやジェシカのナイフを借りて投擲を行っていたグランだが、ここに来て彼は自らの力で『鉄球』を作り出す事が可能となったのだ。


これにより、いつでも何処でも投げつけられる物が手元に作り出せる様になり、ただでさえ威力の高かった投擲が鉄球を扱う事で破壊的な攻撃力を持つ様になった。


これが有った事により、今回ジェシカとは別チームを組む流れにもなっている。


そしてエリルがリアムの異能である『盾』に対する異能強化に期待する理由でもあった。

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