詩(教室の片隅~)
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教室の片隅
耳を塞いで座っている
本を何冊か抱えて現れたもの
ネズミとも
影ともつかない
ジトッと濡れた冷たい目で
一瞬だけ私を見て
直ぐにカーテンの陰へと隠れる
私が跡を追って
カーテンをめくるとある
穴 赤茶けてぬらぬらとしている
私が喉をゴクッと鳴らすと
開いたり閉じたりする
笑っているみたい
私はドアのところまで行って
立ち止まって
考える
ここにいたい
けど
飲み込まれたくはない
もう一度
喉を鳴らして
唾を飲む
(20200417)