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異世界でドラゴンになった男

作者: ポール
掲載日:2025/12/01

 どうやって自分が死んだのか覚えていない


 本当に覚えていない己の体から血が吹き出していたのは覚えている そこから意識が朦朧としていって...


 ーーーーーーーーーーーーーーー

 第一に俺はただの大学生だったはずだ

 そこそこの友達の数

 そこそこの金を持った親

 そこそこのこれはどうでもいい

 あ

 なのに なのに 死んでしまった

 どうして死んでしまったんだ

 誰かに恨まれて?



 まぁいくら考えても仕方は無い


 というかここはどこだ ?


どこまでも限りなく大地が拡がっている

ところどころに大きい岩 まばらに並んでいる

纏まって転がった死体を貪っている一団がいる


ドラゴンだ!!!


その時俺は確信したここは死後の世界などではなく

異世界へ転生したのだと…………


一団にいるとりわけ大きいサイのような角を持つ

顔のそこかしこに傷があるドラゴンがこっちを見てきた


ドスドスドスドスドスドス

―――

地面が割れんばかりの振動を起こしながらやってきた

俺の前で立ち止まり

「おまえ名はなんだ?」


鋭い眼光を見せ 俺を睨みつける


高野瑛二

俺が地球にいた頃の名だ


???????

顔を斜めにして考え込んでいる


(あっここの世界じゃ変な名前なのか)


「親は何処にいる?」


親?

なんて答えればいいんだろう


「まぁいい お前も群れからはぐれちまったんだろ?」


群れからはぐれた?


そもそもお前もって言葉に引っかかった

まるでドラゴンが俺の仲間みたいに


はっ!?


テで顔に触れた

ゴツゴツとした顔なのがわかった

それに口が前方に異常に伸びている


俺は俺はドラゴンになっちまったのか!!!!!


「おい早く答えを聞かせろ俺たちの仲間になるのかならんのか」


よくもわからないこの世界で


よくもわからない自分自身は


考えるまでもなく答えていた


「仲間に入れさせてください!!!!!!!!!!」

そこから俺の生活が始まった


いきなり狩りから教えられた


とある生物がよく出没するらしい俺が目覚めた場所から南方へ10キロ程度の場所だ


そこで3頭の生き物が草を食べている


元の世界の自分よりも大きい


豚のような見た目でありながら足はシュッとしている


(名前はブティンと言うらしい)


どうやって捕まえるんだろうか??




意外とすばしっこくて目で追いかけるのがやっとの生き物だ




「おいまずは俺の腕前でも見ておけ」


俺と体の大きさが


同じくらいの赤いドラゴンがそう言ってきた




草原に、ある雑草を食べている


すると後ろから近づき口から火を吹く


3頭の四方を囲むように吹いたのでプティンは


そこから逃げ出せずに


熱にやられて倒れてしまった


「ここで気をつけるのは吐き出す温度だな


高温過ぎると焼けて肉が食えねぇ」


フフンと上機嫌である


まぁこれ食えやと手渡しされた プティンのロース部分を食べた


(新入りには厳しい人の世ではあるが


この世界のドラゴンはいいやつが多いのかも)


なんて考えながら彼らドラゴンの集団は近くにある


洞穴へと戻った




周りに天敵らしい天敵というものはいないらしい


特に矢倉だとか 防護壁だとか らしいものは作られていない


大きな草っ歯を寝床に暮らしている




初めて食べるこのプティンとかいうものは味付けが無い


元人間である俺には味の薄いただの肉だ




「なぁこの辺りに他の生き物は居るのか?」


俺は尋ねた


「さぁなあ そういやチャーイというちっこいやつも見かけたなぁ」




チャーイは栄養満点生だから少しの食事ですむんだ




(へぇ)




「あとシシーは絶対食べちゃダメだからな


幸運の生き物で見ただけでも一日中幸せになれると言われてるんだから見た目はピンク色だけどあちこちに金色の水玉模様があるやつだ」




(ふーん ここらへんの生き物はまるでわからんから気をつけよう。)




その後別れを告げ




一人で周囲を探索する

(ちなみに羽はあるがパタパタさせてるだけで飛べない少しの間だけ浮いてる感じ俺ってドラゴンになったのにぜんぜん活かせてない。。。。。。。。)






宝石のようなものを見つけた


ダイヤモンドのように光り輝いている




手でそっと触れると




体が毒を浴びたような 神経から痺れる感覚をうけた




うわぁーーーーなんじゃこりゃあ




そこから目が覚めると 四方を石に囲まれた変なところにいた


真ん中にはキャンプファイヤーで使うような木があり


燃やし終えたあと草のような臭いのするところには


何かの死骸が燃やされていた




帰るのような四足歩行の頭でっかちな生き物だ


(もう死んでいるがね)


ねぇもう大丈夫なの?


後ろから声が聞こえたので振り向くと


ドラゴンがいた俺よりも1回りいやふた周りほど小さい


声は俺とさほど変わらないくらいの高さだ


「??何者だ??」


「いきなり言うことがそれなの?」


呆れたような声で話しかけてきた


「あのさぁあなたは私が助けなきゃ死んでいたのよ


ていうか子供でもないのにリリアなんかの毒に引っかかっちゃって情けないわね」


「リリア?さっきのダイヤモンドみたいなやつか!?」


あなたって何でフツカの地域にいたのその見た目て


ヨツカだよね


「ヨツカ?何それ」


「えっ?あなたって記憶喪失?自分の種族もわからないなんて大丈夫?頭」


イラッ( ・᷅-・᷄ )俺は転生してきたから何もしらないんだよっ!!!!


と言いたかったがそんな話をしては話がさらにややこしくなりそうなのでハハッと笑って誤魔化した


「君はどの種族なんだい?」


フツカよフツカの中でもわりと南の方にいるんだけどね」


「その話ぶり的にここはフツカの地域の南側じゃないってこと」


そうよここは西側ウチの住処にしていた場所は今は大変だからね


??


「あーそうかなんにも知らないもんねエルダードラゴンていってフツカの中にもあなたのヨツカの村にもだけどあちこちの村で長がいるのよその長が何を考えたのか知らないけど周囲の長と戦争を始めちゃったのよ


そんなこんなで事態は一向に収まらないし食糧も住処にも燃えつくしちゃったからここの辺りを住まいに変えたのよ」


なんであなたに話してんだろとぶつくさいいながらさっきの死骸を手に取り口に含ませた


ギャムギャムギャム


柔らかそうな音を立てながら咀嚼しはじめた


うわー俺は無理だわぁて顔をしていると


「何変な顔してるのドラゴンは基本このリメが主食なのよほんとに何も知らないのね」


余計な一言を受け無意識に嫌な顔になる


「言っておくけどね何にも知らないんじゃこのセカイ

生きていけないんだからあなたも食べなさい」

ありがた迷惑だと思いながら口に含んでみせた

(意外と美味いな )

柔らかいながらも

口の中に塩っけのある旨味が広がる

これが主食なら意外と生きていけそうと思いながら

現在の自分を思い出す

「ありがとうところでさヨツカのとこへはどうしたら戻れる?」

知らないわよ大体しかと言いながら前斜めに指を指す

ヨツカなら10時間くらいあれば着くという

「なぁどうやって帰ればいい?俺飛べないと思うんだよな記憶喪失だし」

ドラゴンなのに飛べないと言うと心配する顔になる

これ以上哀れみを受けたくないのでさっさと石の家を抜け出した

そこから指をさされた場所へ歩いて10時間くらいたった……………と思う

(ダメだ…見つからねぇ)

弱気になりながらも草むらを掻き分けて進む

「ここって寒いな服とかないもんなぁ」

ドラゴンの癖に何してんのよ

ふと声が聞こえた

誰だ?辺りを見渡しても姿が見えない

ここよ こっちーと元気に叫んでいるが

俺にはわからない

仕方ないなぁという言葉の後には鼻の上に体を載せている小人がいた 。

金色の髪にほとんど白と言って差支えのない肌に

丸っこい瞳 瞳の中には万華鏡のような複雑な形そして丶

バッタのような羽と桜のような花びらを身体の周りに付けて鱗粉のような光を放っていた

妖精だ 頭の中で思い描く妖精にそっくりだったじーとこちらを見つめて

クスクスと笑っている

「ねぇーなんで泣いているのドラゴンなのに

この世界での最上位種なのにおっかしー」

指摘されるまでは気づくことが出来なかった

自らの瞳に手をやると確かに濡れていた

咄嗟に涙を拭ったあと俺は

小学生の頃を思いだした

友達と仮〇ライダーを

みんなのためにたたかう主人公か

じぶんのためにたたかう主人公なのか


今にして思えばみんなのためにたたかうことが

じぶんのためにもなっていたんだってこと


おーいおーいどこかで聞いた声がする

誰でもいい助けて欲しい

俺はここにいるぞー!!!!!!!!!

暗闇の中で大きな声が響き渡る

黒い背景の中にこちらへ向かってくる音が聞こえた


ビューーーーーーーーーン


俺の目の前で止まると 羽をバタバタとゆらめかせる

「こんなとこにいたのかよ

みんな心配してるぜ?」

「ああ心配かけた一緒に帰ろう」

そう言った後鼻先に居た妖精のことを思い出し

目を中央に寄せる

居ない?

からかいにきただけなのか それとも俺を助けるために

魔法かなんか使ったのか

やっと帰れる

「ここから30分もありゃ帰れるぞお前のためにご馳走だってあるんだから」

……………………

沈黙が10秒くらいだっただろうか

「おい早く飛んで帰ろうぜ」

……………………………

「んっ?どこか怪我でもしたのか?」

………………………………………………………………

「飛べないんだ俺は」

目を仰天させてまじまじと俺の方を見ながら

「逆にどうやって今まで生き延びてきたんだよ」

笑いながら俺の歩くスピードに合わせて一緒に帰ってくれた

その晩飲めやうたえやとどんちゃん騒ぎを

みんなでしていた

ドラゴンの飲み物として紫色の飲み物を飲み

(ワインのようですごく美味しかった)

食べ物はリメ数百個と魚みたいたみためのアジョシ

(各々の調理の仕方で口から火を出し焼いたり

爪で細かく切り刻んでアジョシという魚のような見た目のやつと混ぜて食べたり)

腹いっぱいにお腹を膨らませたあとは意識もなくなり

眠りこけた

✄-------------------‐✄

【翌日】


夢の中で人間だった頃の自分が

たくさんの仲間とカラオケやボーリングなどをしてて

妙なハイテンションのままふざけ倒している夢を見ていた

これは明晰夢だとすぐ気づいたが

人間時代が恋しいのかなかなか目覚めようという気が起きなかった


ドガァァーーーーーーーーー

何かの爆発するような音で

目が覚めた

「な・ なんだどうした?」

すぐさま起き上がり周りを確認する

辺りの石ころが大量に目の前にあり

オブジェとして見ても何を題材にしたのかわからないくらいに悲惨な状況だった

だが所々にしっぽや爪やドラゴンの顔が見える

間違いなく仲間の死体だ


石造りのはずの家が

地面にある草や土の塊で散乱している

寝ぼけ眼のままだったが

どこから攻撃が来たのか

昨日であったドラゴンの女の子の話を思い出す

どこかのドラゴン同士の戦争にまきこまれたのか?

空は飛べないが俺は咄嗟に行動に移す

つま先から太ももにかけて筋肉をフル稼働させ

駆けずり回った

ズキッ 昨日の疲れも残っていたのだろう

筋肉に糸を通されたようなするどい痛みが来た


俺を追いかけてきたそのドラゴンはゆっくりと

まるで狩りを楽しむように笑っていた


全体的なシルエットは黒

正確には翼は漆黒 鱗は灰色がかった黒である

爪は刀のように長く鋭く目は紅く輝いていた


低くドスの効いた声で話しかけてきた

「あとはお前ひとりだぞ」


命乞いをしても無理だろうと直感的にわかった

こういうやつは人間社会でも

あえて嬲るためにひとりだけを残し絶望をあじあわせさせているのだ


「お前空を飛ばないのかドラゴンのくせに」


ギリっと歯を軋ませる

だが何も言い返せない

「ハッ! お前まさか空を飛べないのかっ

お前のような存在見たことも聞いたこともない」


邪悪な笑顔のまま口を凋ませる

口の周りには紅く光る炎を滾らせて


俺は手も足も動かない…………


口は口だけは動かせる!

どうせ殺されるなら一か八かだ


やり方すらわからず相手の真似をして口を凋ませて


相手の顔面へ向け一気に解き放った


それはまるで怪獣の映画のようだった


白い光と赤い光がお互いを落とさんと

目いっぱいの輝きを放ち1本の線として留まり続けている


恐らく油断をしていたのだろう

白い光の弾道の方が勢いで上回った


映像で見る爆発が起こり煙幕が出た

地面は衝撃によりかなり捲られて

小動物のような群れは 散見していた


見ると相手の顔の半分は失っていた


歴戦の強者らしい佇まいだった

顔が半分消えているのにその眼光はたたひとり

俺に向けられたままだった


「なんだその力は!!

俺は今までもお前のような小物など簡単に焼き払ってきたんだ どうしてドラゴンのくせに空も飛べないようなやつにハ…ァ…ハ…ァ…」


タダでは死にたくない……………

俺は無意識のまま死ぬ気の顔のまま睨み返していた


!?

やつの半分の顔が徐々にではあるが再生している

ダメだもう死ぬっっ

そう思っていたが

ギュオーーーーーーン

今まで聞いた事のないどデカい音が響いた


チッもうそんな時間か

ひとり言を呟いたあと


音の鳴った方へ顔を少しだけ寄せ


「覚えていろ俺はお前を殺すときまではぜってぇに忘れない必ずこの俺がお前を殺す…」


そう呟いたあと激しく翼をはためかせてどこかへ飛んでいく

とりあえずの脅威は去った

だが

安心仕切るより前に

哀しみが押し寄せてきた


本当に皆死んだのか?

誰か1人でもいきているんだろう?

どこかに逃げているはずだ

そう自分に言い聞かせたが


死屍累々の有様だ

1人でも生き延びていれば奇跡だ


やはり誰も居ない


途方にくれた

どうすればいいのかすらわからない

記憶を頼りにしようにも昨日の出来事なんて

殆ど覚えていない


それだけ楽しかった 久しぶりに心から笑えた

でも…もう誰もいないんだ


疲れはかなり溜まっていてもう気力も湧かない

考えることを放棄し

そのまま目を瞑り

過去の自分のことを思い出していた


初恋のことだとか

好きなゲームだったりだとか

親の顔だとか

思えば思うほどありふれた平凡が羨ましくなってきた


なんで異世界へ来て1…2日で

空も飛べないドラゴンなんだとバカにされて

仲間をあの黒い龍に殺される事になるんだ

プルンプルンと何かが顔の前で跳ねている

目を開けるとシシィが居た

幸運の生き物だとか言っていたな

ほんとに幸運ならこんなことにはなってねーよ

視界がぼやけて深く眠りについた


バシャー 何か冷たい音と冷たいものが顔にかかって

目が覚めた

なんだここ? どこかで見たような

そうだ! あの女のドラゴンの住処だ

ここは遠いはずなのに


「シシィだよ」

顔をあげるとあの女のドラゴンだ

シシィはね

幸運にありつけるて言われてるけど

ほんとはねシシィ同士が魂の共鳴みたいなもので

救いたい人と救う人にに力を与えているのよ


気まぐれかもしれないけどうちの書庫にあった

本にそう書いてた

あんたを見つけるまでは信じてなかったけど」


なにやら聞くと彼女の方もシシィに出会っていたらしく追いかけて行くと俺と出会ったらしい


「シシィに力を貰えるかなって追いかけていたのよね」

それにしても 山火事でも起きたのかってぐらい

辺り一面焼け焦げてたわよまぁ山火事なんて

大袈裟だけどねw」

彼女は周りの死体ことを何も話そうとしていなかった

ノンデリだけど意外と繊細な部分には触れないやつなのかなとはおもえた


「ねぇ帰る場所がないならここに住めば ?


おじいちゃんが餌を捕まえに行ったけど

ひとりじゃ心配だし一緒に捕まえに来てくれるなら

住まわせてあげるわよ」


どうするの?という顔をしていたので

迷わず首を縦には振る


「おじいちゃんはここからそう遠くない東側の白き森に出かけるって言ってたけど心配だから見に行ってきてドラゴンが身体に何か付けるのは珍しいから身につけて居たらわかるけど星型のペンダントよ」

さっそくの仕事?に

頷いてみたはいいが昨日の疲れがまだ残っている

近くにあった木の棒を杖代わりにのそのそと歩く


「そういや空飛べないんだったわね」

そう一言つぶやくと少しだけ心配そうな顔をされた

大丈夫だっ!と言いたいが昨日の今日で

そこまでの胆力はもちあわせていなかった


白き森の近くには斑にあなの空いた尖塔があるとあの女は言っていた

確かに穴が沢山空いていたが まさかそれが現在進行形で行われるなんて聞いてはいないぞ

ドリル頭の形をした頭なのか体なのか分からない

生き物がうじゃうじゃいた


倒すか?と一瞬考えたが無駄な労力は使いたくない


回り道をして過ぎ去ろうとしたが何体かが飛びかかってきた

ガルルッ!と威圧する声を出すと一目散に逃げていく


そのあとを目線で追っていたらチャーイを見かけた

チャーイとは然程大きさが変わらないくせに

チャーイが近くにいるのを見かけるとまたもや逃げ出した どうやらただの小心者らしい


白き森に着くと おじいちゃんのドラゴンが

口に魚のようなキノコのようなものを口に加えて

驚いた様子で話しかけてきた首に星型のペンダントを付けているあの子のおじいちゃんだ

「ここらはフツカが縄張りにしとるから最近はフツカ以外みかけないんじゃがのうそのフツカも緊急事態だとかで暫く顔を出さないと盗み聞いたのじゃが」


ここまでの経緯(いきさつ)を話すと


「ほぉ新たに仲間が加わるとはありがたい」

そうニコニコ話していたが


なんだ貴様ら俺らの縄張りで獲物を捕まえてんのか

草陰から3匹のドラゴンが居た

赤青黄と信号のように色が別れていた

だが昨日戦った敵と比べて怖さがない


「俺らのボスが大変な時にこういうヤツらが必ず現れるんだよなぁ」

真ん中の青いドラゴンが喋り出すと

「テメェらのような盗人が現れないようにここで殺さないとなぁ 見せしめにフツカの一番高い丘にでも飾りだなぁ」

赤い竜が続けてしゃべり

黄色の竜はそうだそうだと頷いていた


許せない どんな世界でも私利私欲の為に他人を貪るのは

心より先に体が動いていた3匹それぞれを

頭腹顎に一発でクリーンヒットさせ気絶させた


いや正確には青い竜だけがわずかに意識があった

ギュヴーンーーーーー

昨日のあの鳴き声に似ている

仲間に何かあると知らされるのか


だが昨日とは少し音が違う

ドオォーンという音ともに黒い影が 上空に現れた


そのシルエットだけでわかる忘れるわけが無い

昨日のあのドラゴンだ


「こんなに早く出会えるとはなぁ今の鳴き声はな敵を見つけた時の合図だ昨日のは俺らのボスが新しい住処を見つけた合図昨日のようなことはまぁそうない

つまり今度こそお前は死ぬ昨日の俺は油断に負けただけだ」

その顔はもう元通りだった

余裕綽々の表情だった

「そんな事言ってるとまた痛い目に会うぜ」

「あー確かに昨日の俺なら痛い目に会えたかもな」

昨日と違うのか…と内心ドキドキバクバクが速くなっていく


ジュルジュルジュルジュル

あのドラゴンの男の顔あたりが膨らんでいく

それだけではない

顔が3つに増えた

「教えてやろうエルダードラゴンと呼ばれるその土地の長は変身機能を有している顔の数の多さがその者の力の強さだ」


3つの顔の口から紅い炎が放たれた

大噴火のようにあちこちで爆発が起きた

耳をつんざくような嫌な音だ

視界は火の海に囲われて居た


そこは森と呼ばれるほど木々が多かったはずだ

なのにそこは更地になっていた


「敢えてだ 敢えて貴様を残していて燃やし尽くしてやったぞ」

俺以外…おじいさんは!?

炎の海の中にドロドロに溶けた塊があった

原型が分からないほどグニャグニャになった中には

【恐らく首の辺り】五角形から歪な三角形へと形を変えた星型のペンダントが巻きついていた

ウオォォォォォーーーーー

恐怖や悲哀か全て怒りに変わった

許さない 必ず殺す


「なんで仲良くやれないんだ!!」


「力があるからさ 不平等だと思わないかエルダードラゴンと呼ばれる中で俺は比べられないほど強い

その俺が他のやつらと同列に扱われ優遇されない」


「どれだけ力が強かろうが個としては絶対に集団に勝てない」

個として優れていて不満を持っている奴らを俺が集団として纏めて他を支配していけば集団として機能していると思うが?」


違う例え個として優れていてもその中から差別が生まれ集団として機能なんてしないいじめの構造は多対一が基本なのだ 1を減らしても多の中から1が生まれる


「ならお前を倒せばこの争いは終わるんだな」

ああ

だがと付け加え

「勝てたらな」

そう言ったあと

口から炎を数百個吐き出し彼方此方に放つ


なんとか身を守るのが精一杯だ

「お前は必ず殺すと言ったよなぁぁぁぁぁ」


あの時の力が出たらそう思いながら色々思案して

妙策を思いつく

どうしたどうした受け身だけかぁお前は

一通り炎を吐き出し煙が出たあと

「あれでくたばってくれるなよ」

ゆっくりと地面へ足を着ける

!?

土の塊が盛り上がっている どこか土の中へ潜り込んだ後だった


彼は地面の中へ潜っている間力が欲しいと拳を握りしめ願っていた

何も出来ないなんてこのセカイに来た意味がない。


強く願ったのかそれとも拳をめいっぱい握ったせいか

手から淡白い光を纏っていた

もう恐怖などはなかった

体全体に力を込めてその腕を上空へ振り上げた。



炎の弾幕はさっきまでの数と比べられないほどに多く

確実に殺すというが殺意が込められている

「さっきのより威力は弱めた多少は遊べる玩具にはなってくれよなぁぁぁーー」

白い光が現れた

昨日のやつと同じだ

下からの攻撃に警戒していたのに

反応が追いつけなかった白い光が三個ある顔のうちの左に顎から一直線へ貫かれた左の顔は消え失せた。


今までこんなことはなかった驚きとさらなる怒りで我を忘れ突っ込んだ

今迄あらゆるものを裂いてきた鋭い爪をあの男めがけて振り回す

なぜだ? なぜ当たらないんだ?

冷静にこちらを見つめたまま攻撃を交わすと今度は相手の白い光を纏った右手が飛んできた

ブチィと音が鳴ると右の顔が弾け飛んだ


初めて恐怖した。

エルダードラゴンとしていやドラゴンとして

自分は無敵だと思っていた

なのに敵わない

こんな力は見たことがなかった

目の前の男は顔が巨大になったドラゴンまるまる1頭食い潰せるほどの大きさに

初めて捕食者としての感覚を味わった彼は

逃げようと空を飛んだ

やつが空を飛べないのを知っていたからだ。

だが意味がなかった

彼の巨大な口から放たれる白き光は

ロケットが打ち上げられた時みたいに加速して扇みたいに拡がった広範囲の攻撃で体全体を消し飛ばしたからだ


「ついに終わったんだ」

ポツリと呟いた後彼は帰ることにした

星型のペンダントの残骸を手にあの女の子の所へ


「ごめんお前のおじいさん守れなくて」

…渡したペンダントを握りしめすこしだけ俯いたあと

「お互いひとりぼっちね」

そう言いながら後ろに振り返って料理を作っていたてだが地面からボタボタと涙を落ちるのを俺は見た


じい…ちゃん おじいちゃん


小さい声で啜り泣いている

何故だろうそこで俺は胸を締め付けられた

守ってやろう

心の中でそう決めた


一方エルダードラゴンというボスの死は

フツカの地域では大騒ぎになった。


明らかな殺意による攻撃でエルダードラゴンを殺した圧倒的な強さを持つドラゴン


誰かが口にするよりも心の中ではわかっていた

この地域ではもう争いなんてしてても勝てない


自然とチームは瓦解し崩れていった




10年後




とある町の伝説がまことしやかに流れていた



なんでも空を飛べないドラゴンが

ドラゴンの中でも最上位

エルダードラゴンを倒したと

悪が現れる度に必ず助けてくれる正義のドラゴンがいると

[完]






































 








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