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11.

  

「撃たれるようなことっていうと?」


僚稀が言った。


「ドーム内の盗みは、あれの犯人は俺らってことになってただろう。仲間の連絡だけれど、対象者が変わったらしい」


少しずつ歩きを開始する。


「今の対象者は?」


「葬儀屋」


「となるとレブラが疑われる対象になったということ?」


「そうなる。撃たれるのを防ぐためにあらかじめ用意していたっていう可能性もあるだろう」


「おっぱいをですか」


「そうそう防弾チョッキね」







菊壽(きくじゅ)が朝、自分に連絡をよこした時点で、レブラの目的は恩師の美野川嵐道(みのかわらんどう)を偲ぶことではなく、一族の『金の香炉』だったということになるか?


釆原(うねはら)は考えた。

徐々に駆け足。







ドームで見た金の香炉。

それを最初に見たのはドームに入って様子を眺めていた時だ。


あの時も葬儀屋が居た。

そいつは定金(さだかね)の恐れる美野川夫人の脇へ控えていた。

浅黒い肌。


だが夫人を恐れているようには見えなかったし、ドームの外に出る気もなさそうな感じに見えた。


とすれば、『数登(すとう)』という葬儀屋を自分はまだ見ていないことになる。

今のところ虎目石しか情報がない。







「で、その葬儀屋で外に出ているやつがいないかって、人員を増やして追いかけ始めたらしい」


「つまり僕らが追われる感じになるわけですねー」


菊壽と僚稀。


「レブラの特徴、その他に目立つものはなかったか。おっぱい以外で、何か持っていたとか」


釆原は尋ねた。


「うーん。あ、あれ、追っかけじゃないです?」


「どこ」


「あそこほら」




僚稀が指差す方向を、釆原は双眼鏡で覗いた。

青い色が眼に入る。手首。

釆原はピンと来た。言った。


「ドームに入った時に見た子がいる」




菊壽が釆原から双眼鏡を取った。

そして覗く。

三人は走る。


「渡してきたのは花束だったし、ああそういえば何か包みも持っていたかもしれない」


僚稀が言った。


「レブラが?」


「そう」







前方の集団は十人ほど。

だが徐々に立ち止まったり散り散りになったりしていく。


菊壽はそのうちの一人に話を訊くために立ち止まった。


「あとは追って」


と目くばせ。


釆原と僚稀は走る。

やたら足の速い二人を捉え、追う。

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