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LIE≠CENSE  作者: Hiromwell
3/4

ウエスティン篇①

評価よろしくお願いします。

この街、ウエスティンは、商業栄える大都市である。

四大都市の一つとして数えられ、人口は500万人を越えている。

この島、アイラスができた頃からの古代都市の一つで、遺跡も数多く見られる。

この世界の「遺跡」というのは現在生息している「人間」の歴史ではない。

その昔、人間は「太陽の当たる土地」であり、「農工商業をしやすい場所」を選んで、都市を造った。

しかし、その場所以外は人間の生息地ではなかった。


「モンスター」。


化け物、怪物...人によって呼び方は変わる。

が、端的に言えば「人間ならざるものであり、人間に害を与える悪」。

度々都市を襲い、人間を殺し、建物を壊し...全てを奪っていく。

そんなモンスターに嫌気が差した頃、人間たちは武器を持って立ち上がり、復讐を企てた。

団結した人々に対し、個々で動いていたモンスターに勝ち目はなかった。

種族単位で動く類もあったようだが、それすらも打ち破った。

そして種族単位で住んでいた「ほこら」もあることが分かり、しっかりと破壊した。

そのほこらの残骸が先程述べた「遺跡」である。

遺跡によっては、何もないものもあれば、「ヌシ」が住み着いたものもある。

「ヌシ」が住み着いた場合、その「ヌシ」によって生み出されたものは「モンスター」と化す。

そして遺跡の「兵」となって防衛に尽くす。

だが、「モンスター」とは言うものの、前のように「生」という概念があるわけではない。

「ヌシ」による「創造物」なので、「遺跡を守る」という命令のみしか聞かない。

ので、以前のモンスターに比べれば格段に弱いのだ。



というわけで。

俺たちがこれから入るのは、「ヌシ」のいる遺跡である。

モンスターは弱いが、ヌシはかなり強いらしい。

割と小さめな遺跡の「ヌシ」は、それなりの武器と力があれば倒せるらしいが...

今回はこの街ウエスティンの「最大遺跡」に赴かなければならない。

別名「颱の遺跡」。「おおかぜのいせき」と呼ぶそうだ。

文字通り、風を司る遺跡で、噂によると、人を吹き飛ばし、切り刻む風が吹いているそうだ。

正直、絶対に行きたくない。

故郷ですらなく、親友とたった二人で、ひっそりとした場所で死ぬのは嫌だ。

が、村長が頭を下げてまで、お願いしてきたのだ。

流石に断れない。

どうやら、石を取りに行くのは20年に一回ほどのようで、祭りで使う石は、何度も再利用しているらしい。

再利用で幸運が集まるのか、という話だが、神の力は偉大なようで、全然問題ないらしい。

それにしても20年に一回の採取に選ばれるとは。

我ながら悪運の強さに辛くなった。


「おい。何ボーッとしてるんだ」

クロンが俺に呼びかけた。

おっと。かなりの時間ボーッとしていたようだ。

「なぁ...本当に行かなきゃダメかな」

辛そうな顔をしてクロンにそう訴えかけるも、

「行かなきゃダメだろ」

あっさり弾かれた。

「このまま帰っても村長に合わせる顔がねえよ」

クロンもかなり真剣なようだ。

どうやらこれはマジでやらないといけないようだ。

クロンも結構覚悟してるみたいだし...。

よし!決めた!帰るのは諦めよう!もうダメなんだ!

「おい。何ニコニコしてるんだ」

「いや別に。俺ももう死ぬんだなーって」

俺が元気よく答えると。

「マジで不吉だからやめてくれ」

クロンが真っ青な顔をして訴えた。

まあ無理もない。

いきなり最難関の遺跡に潜るんだからな。

「とりあえず行ってみよう」

「お...おう」

今度はクロンが辛そうだった。

ちょっと刺激が強い冗談だったかな?

まあ大丈夫だろう。

俺は恐怖で佇んでいるクロンを引っ張りながら遺跡へと向かった。

評価よろしくお願いします。

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