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LIE≠CENSE  作者: Hiromwell
2/4

出発

評価お願いします。

パンッ。

突然頬にスパークが走り、カッと目を見開いた。

あれ?俺、今さっきまでものすごく暗いところにいたはずなのだが。

なぜかしっかりベッドの中にいた。

太陽も昇っており、燦々と俺の顔を照らす。

暗いどころか、明るすぎるぐらいだ。

ゆっくり体を起こすと、親友が俺を心配そうな顔で俺を見つめていた。

「よう、クロン。良い朝だな」

元気良く声を掛けてやると、クロンは俺の肩を勢いよく掴んだ。

「大丈夫か!?生きてるか?」

荒々しく俺の体を揺らしながら、クロンは聞いてきた。

「生きてるよ、全然大丈夫」

焦るクロンを諭すように喋る。

それを聞いたクロンは、大きくため息をついた。

「どうなるかと思ったよ。ビンタで起きてくれて助かった」

右手をヒラヒラしながらクロンが言った。

ああ。クロンが起こしてくれたのか。

クロン・ミラー。幼い頃からの親友。金髪碧眼で、チャラそうに見える髪型をしている。

が、全然そんなことはない。むしろ良いやつだ。

ため息をついているクロンに俺は質問した

「なあ、俺そんなにヤバかったか?」

クロンは、元気そうに話す俺を見てようやく納得がいったようだ。

「お前本当に何も覚えてないのか」

覚える?寝るのに覚えるもクソもあるまい。

「一体何があったんだ」

そう返すと、クロンは、

「お前死んでたんだよ」

平然と話した。

え?死?

死って命がないやつだよな?でも今俺動いてるよ?

「冗談だよな?」

クロンにそう聞くと。

「ガチだよ。まあ死んでたというよりかは、息してなくて冷たくなってたって感じかな」

それもう死んでんじゃねーか。

そう突っ込みたくなったが、雰囲気的にマジっぽいのでやめておく。

「何で?」

とりあえず理由を聞いておいた。

「お前が知らないんだから、俺が知るわけないだろ」

クロンが呆れたように返す。

「じゃあ人為的にやられたわけじゃないってことか」

「そういうことになるな」

クロンが頷く。

「じゃあ何で息が止まったんだろう」

俺が再び尋ねる。

「よっぽどの悪夢でも見たんじゃないか」

クロンが冗談混じりに答えた。

「ああ………悪夢?夢?」

妙に引っ掛かるものがある。

何だったっけ?

とても辛かった、寂しかった、でも少しだけあたたかかった。

真っ暗で…ええと…それから…

「おい、大丈夫か?」

クロンが心配そうにこちらを見ていた。

「うん…少し考え事してた」

「勘弁してくれよ。お前のその考え事は、日没までかかることもあるんだからな」

「おう…すまん…」

日没まではないだろ、と思いながら謝る。

「で、今日は何するんだっけ」

クロンに問う。

「マジかよ。初日だぞ。前途多難だな」

クロンがため息をついた。

「この町の洞窟にある石か何か取りにいくんだろ」


そうだった。

俺の故郷、アルフォンには石を祀る行事が、一年に一回あるのだ。

その石には幸運を呼び寄せる力があり、一年の安泰を願って行われる。

その石は神石と呼ばれ、各地にある材料を組み合わせて作るそうだ。

で、今回その材料の調達を俺たちに任されたわけである。

アルフォンからここまでかなり遠く、この町につく頃にはしっかり夜だった。

そこで、宿屋に止まって明日から始めようということになった。

行事まで一ヶ月ある。

余程のことがなければ間に合うだろう。


「おい。いつまでベッドにいる気なんだ」

クロンの顔が少し険しかった。

行事のことばかり考えていて、しっかり準備を忘れていた。

そこからは光の速さで動いた。クロンに怒鳴られないように。

パパッと服を着替え、顔を洗い、朝飯を食し…と諸々の準備を済ませる。


よし、これで準備完了。

やる気満々で宿屋から出ようとしたところ、

「おい、センス」

「何だよ急に」

「ほら、これ」

差し出された手には祖父の形見、バトルアックスがあった。

俺の祖父は戦士で、死ぬ直前まで俺のことを大事にしてくれた。

母から無事を祈って、と渡されたものだ。

よっぽど石採取が危険なんだろうか。

「おう。ありがとよ」

しっかりと受けとる。

とても重い。

だが振れないこともない。

きっと祖父は大事にしてたのだろう。

少し傷がついてたが、とても持ちやすかった。

形見のバトルアックスを腰に構え、ドアに手をかける。

「行こうぜ、クロン」

そう呼び掛けると。

「よし。じゃあ行くか」

ガチャッと勢いよくドアを開ける。


申し遅れた。

俺の名前はセンス・テイラー。16歳。

少年である。

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― 新着の感想 ―
[良い点] クライマックスが良かったです。 お疲れさまでした。 [気になる点] 最後の祖父の登場の意味がわかりません。 [一言] あなた、ほんとに小説家ですか? 投稿時間から小学生ですか?
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