表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/109

覚醒!

やはり今日も宴会だった。

本日のネタは、俺たちがトレーニングしている間に、フォウさんとシルビアさんが山の幸を集めてくれていた。

「キクラゲ」「ゼンマイ」「ヤマイモ」などを。(何度も言うが、俺の勝手な表現だ!)

献立は、女子会っぽく、ヘルシー系だった…が、これがとんでもなくおいしかった。

さすがシルビアさん!

ほんと料理がうまい!

いいお嫁さんになるだろうな~。と。

またしても衝撃の事実が…。

このおっさんと、この美人のお姉さん、なんと…御夫婦だった!

………マジで?

(うん。大丈夫!…まだ酔っていないぞ!)

でも、よくみると、おふたりは、とっても仲良しで、お似合いかも。

(まさに、美人と野獣!)

いえいえ…。失礼いたしました。

ほんとに、お似合いです。末永くお幸せに…


「シルビア・エクシード 33歳 ♀ 165センチ ?キロ 銀髪の艶やかなロングヘア 武道も魔法も修得した魔道士である。 長刀と水系魔法に長ける。 趣味 料理 」


俺とドレンさんの対人練習も、かなりのレベルまで、達していた。

俺の肉体も150%くらいに、絶好調だった。

そして、本日より、シルビアさんも参戦です。(おお~。なんか緊張する。)

…と、いっても実戦では、なく。俺の異世界人としての特殊能力の開発が目的だ。

現時点で、わかっていることは、俺には、「対魔法防御」の力がある……らしい。

「???」

もちろん俺に、理解できるはずもない。

俺のケガの治療だが、ふつうだったら、フォウさんの回復魔法で、1日くらいで、治っているらしい。

…が、俺の特殊能力のおかげで、4日かかったのだ。しかも、通常の回復魔法が効かなくて、特別な精霊魔法を使ったそうだ。

(なんか…はた迷惑な能力だな。)

しかし、この「魔法防御」は、かなり有効らしい。

なんせ攻撃魔法が効かないから、物理的攻撃しか通用しない…ということ。

そして、俺は、この通り格闘技のプロフェッショナルだ。

考えようでは、この世界の1対1の戦いだったら、負ける気がしない…かも!(言い過ぎ!) そして、油断大敵だ!

おまけに、この世界に来てからは、体が軽いのだ。元の世界が1Gならば、この世界は、0.6Gくらいの感じ方だった。

(実際の惑星としての重力は、ほぼ地球と同じだ。ただ、俺の身体能力が向上したのか、体が軽く感じる…ということだね。)

ということで、「初めてのお使い。」みたいな特訓の始まりだ。

(そりゃそうだ。魔法の使い方なんて、知らないからね。)

まずは、精神統一からスタート。

やはり魔法は、精神力らしい。

迷わず俺は、座禅を組む。日本人には、これがいちばん!

自分自身の周りを、円で囲んで、外と遮断するイメージ…いわゆる「バリヤー」を張るイメージ。

俺は、さらに意識を集中する。

「キンッ!」

と、空気が固まるような感じがした。

「ホークさん。そのまま意識を集中していてください。」

と、シルビアさんが言うと、次の瞬間…

「ズガガガガガが~~~!」

爆発音がした!

音は、あったが…なにも感じない。

「もういいですよ。」

と、言われ、目を開けると、なんか俺のまわりに、煙が立ち込めている。

(なにが、あったんだろう?)

「すごいです!ホークさん!」

シルビアさんが、興奮気味に言う。

聞けば、シルビアさんは、俺に向けて「火炎弾」という攻撃魔法を使ったらしい。

かなりの殺傷能力がある魔法だったみたいだが…俺には、効かなかったみたいだ。

(……って、いきなりなんてことをするんだ!この女は!せめて、最初は、様子見るくらいの軽いやつにしろよ!)と、心の中で、ツッコミを入れる。

意外にも、スパルタなシルビアさんだった。

シルビアさんの説明では、俺のオーラの濃度で、だいたいの強度が、わかるんだと。

そりゃそうだよね~。いきなり素人に、そこまでムチャは、しないようだ。

少し安心した。

…なるほど。では、俺の防御力は、けっこうなレベルにある!ということか?

そういえば、フォウさんが、「異世界人の力は、強力だ。」と、言っていたな。

 なるほど…納得した。

俺のような、ド素人が、そんなすごいことが、出来たのだから…。

 その後も、魔法の特訓は、続いたが、あまりハードだとは、感じなかった。

強いて言うと、ドレンさんとのスパーリングが、いちばんキツかった。

というのも、俺は、特殊部隊に所属しているので、身体トレーニングは、もとより。メンタルトレーニングも受けている。

そのおかげか、この魔法トレーニングの過程にも、およそ対応出来ているようだ。

あとは、この特殊能力とやらのおかげだろう。

シルビアさん曰く。「魔法を使うときに大事なのは、いかに冷静沈着で、いられるか。戦闘においては、いちいち動揺していては、魔法を制御できません。」…と。

(ふむふむ。まさに、その通り!)

いちいち動揺していれば、相手につけ込まれやすい!……まぁ、戦闘においては、そこが、いちばん難しいところなんだけどね。

特に俺は、魔法においては、馴染みがないから、今後において、魔法戦闘での平常心が、大切になってくるのだ。

「うん!」特訓のしがいがある!


~うんちく~

おおまかに魔法には、「定型魔法」と「精神魔法」の2種類がある。

「定型魔法」とは、その名の通り、型が決まっている魔法だ。

いわゆる魔法を発動させるための公式文をあらかじめ実際に書いて(表現して)魔法を発動させる方法。

主に、生活環境の中で使われることが多い。

火を点けたり、灯りをともしたり、お湯を沸かしたりする装置に使われる。

この別荘にある「冷蔵庫」も、この定型魔法によって、冷却されているとのことだ。

そして、「精神魔法」その名の通り、精神(思念)により、公式文をイメージ(脳内で、魔法陣を構築すること)して、魔法を発動させる方法。

やはり、後者の方が、難易度が高くなるらしい。俺の「魔法防御」も精神魔法に分類させるらしいが…。

(俺は、魔法の公式文なんて、知らないが、イメージだけで発動できる…これが特殊能力なのだと。)

…???…う~ん。まさにファンタジー!

でも、やはり魔法力の強度は、術者の精神力に左右されるらしい。(何事も鍛錬あるのみだね。)

そして、もうひとつ。精神魔法に分類させるが、その難易度が高いせいで、別のくくりにされる「精霊魔法」というのもがある。

簡単に言うと、精霊と契約を結んで、その力を借りる。ということらしい。

精霊自体の数が少なく、ましてや契約を結ぶとなると、かなりの難易度がある…とか。

(ある特定の場所には、精霊がたくさんいるらしいが、そんな場所に人間が簡単には、行けないらしい。)

ましてや、人と通じ合えることは、滅多にないから…だと。

しかし、目の前にいるフォウさんとシルビアさんは、精霊魔法を使うことができる。

この人たちこそ、希少価値があるのでは?

と、感心する俺だった。

精霊との契約には、様々なやり取りがあるらしいけど、いちばんメジャーなのが、自分の魔力との交換条件。

精霊も自分の力を使うには、その力の源がいる。もともと強力な力を持つ精霊だが、その触媒なしには、この空間では、十分な力が、発揮できないらしい。

その力を発揮するバッテリーがいる…ということかな?

いや。ちょっと違うらしい。バッテリーでは、なく……車で例えると、カギみたいなものらしい。(注意。この世界には、車なんてないけど、俺が勝手に理解しやすいような例えです。)

…なるほど、カギか? カギがないと、車は、動かないからね。

そして、パワーの制御が精神力というわけだ。

まぁ、精霊魔法なんてものは、まだ俺にはムリそうなので(一生ムリと思うけど…)精神魔法のことだ。

異世界人は、その精神力だけで魔法を発動させることができる。だが…どんな魔法も発動できるわけではない。

その人、個人の資質…特性の部類の魔力しか使えない…ということだった。

魔法には、属性がある。

代表的には、「地・水・火・風」という系統だ。その属性は、様々で、組み合わせによっても変わってくる。

ただふたつ以上の属性を操ることは、かなりのハイレベルらしい。

そして、そのレベルに達する人は、ごく少数だと…。(少し安心した。いくらファンタジーといえども、誰も彼もがスーパー魔法使いだったら、気が滅入るところだった。)

そもそも、その属性を極めないことには、他の属性など、操ることが困難らしい。

ひとつの属性を極めること自体が、かなりのハイレベルとなるのだから。

…なるほど。二兎を追う者は一兎をも得ず…だな!……ちょっと違うか?

まぁ、いい…話しを続ける。

要は、自分の属性以外の魔法を使うには、ちゃんと訓練しないと、使えないってことだ。

ちなみに俺の防御力は、「風」に属するらしい。

…なるほど。衝撃を無にする…無風状態にする…という感覚か?

理解した!

 とりあえず、今の俺は、この「魔法防御」の力を自分の意思で、使いこなすことだな。

それだけ分かれば、問題ない。

俺は、ひたすら特訓するのみだ!



今回は、ちょっと難しい話しで、ホークもだいぶ苦しんでいるみたいですね。ホークも基本…脳筋だから。でも、めげずに特訓に励むホーク。その努力は、決して無駄には、ならないよ。

さてさて、次回は、そんな魔法初心者のホークに、襲いかかる出来事は、幸運か悪夢か?

しかし、ホークの決意は、揺るがないものと、なるのだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ