表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
82/110

第80話 花見

 マジで、力尽きた~!

俺は、訓練場にたどり着くと、芝生の上に、「大の字」で、寝転がった。

 呼吸を整える。

「スゥスゥ……ハァ~~」


 いい風を感じる。

まだ、少し冷たいが、その冷たさが、心地いい。


 すっかり春だ。


(…気持ちいいな……。)



 そうしていると、賢司とマウアーが追いついてきた。

ふたりも、たどり着くと、芝生に倒れ込んだ。

「ハァハァハァ…………」


 訓練をはじめて、1ヶ月。

こいつらも、だいぶマトモになってきたようだ。

(よしよし。)

仕上げのストレッチは、入念に!


「だいぶ、おまえたちも、スタミナがついてきたな。」

「ありがとうございます。でも、まだまだです。 せめて、先輩の背中が見えるくらいには、ならないと…ですね。」

「そうだな! まだまだだ! せめて、先輩のおしりに、タッチできるくらいに、ならないとな!」

相変わらずのバカだった。


 まぁ、たしかに、訓練のあとに、このくらいのクチが、きけるようになったのだから。

はじめこそ、話す気力もなく、ダウンしていたからね。

今は、なんとか、ついてきている。

こいつらも、成長しているのだ。


 ……しかし。

「たわけ! 俺のプリチーなお尻に、タッチしようなんざ、100万年はやい!」

 しっかりと、ツッコミは、入れておく。



「すっかり、春だなぁ~。」(ホ)

「そうですね。だいぶ暖かくなりましたね~。」(賢)

「春と言えば、花見だよな?」(ホ)

「…? 花見って、なんだ? 花を見て楽しいのか? 先輩は、乙女チックだなぁ~。」(マ)

「アホか! その花見じゃない! …って、マウアーは、花見を知らないのか?」

「知っているとも! 花ビラでするアレだろ?」

「アホか! それは、花占いだろ! 俺が言っているのは、お祭りの花見だ!」

「なに? 花を見るお祭りがあるのか? なにが楽しいんだ?」

キョトンとした顔のマウアー。

マジで、知らないらしい……。

「いや…花は、みるんだけど…ほんとの目的は、宴会だよ。 桜の木の下で…ああ~今年も、キレイに咲いたね!って、みんなで祝うのさ。」

「ふぅ……ん。先輩たちって、変わっているね。」

「おまえに、言われたくない!」(ホ)


「そうそう。日本人だけですよね~お花見ってやつ。 …そういえば、この世界にも、桜ってあるんですか?」

「ふふふ。一カ所だけ、知っている。段取りは、俺の方でやろう。」


「わぁ~い! やったぁ~! 宴会だ! まかせたぞ!先輩。」

はしゃぐマウアー。

「さすが先輩です。おまかせします。」

賢司も、どこかうれしそう。


 「まかせろ!」




「師匠。お花見しましょう!」

「なんじゃ、突然?」

「いや。春だし…桜もキレイに咲いているかなぁ~?って。 あいつら、花見したことがない…って言うし。」

「そうじゃなぁ~。 あそこには、桜があったなぁ~。 ワシも久しくやっておらんなぁ~。 ふふふ…いい機会じゃな。」

師匠も、やる気になっている。

「それじゃあ~久しぶりに、やりますか?」

俺は、「クイッ」と、酒を飲む真似をする。

師匠は、ニヤリと笑い、

「ワシから、ミカ様に言っておこう。」

「よろしくおねがいします。」


 ここのところ、ずっと訓練ばかりだったし、あいつらも、いい息抜きになるだろう。



 そして…なぜだか……大事になっていた。


俺が「お花見しよう!」と言った。

たしかに言ったが……。


 時系列で、みてみよう。

「賢司とマウアーに、お花見しよう!と、提案した俺。」

→ 「そして、橘さんに、お花見しましょう!と、声をかけた。」

→ 「橘さんが、オッケーして、ミカ様に別荘の使用許可をとった。」

→ 「ミカ様も、参加する!と、言った。」

→ 「ジーク様も、行くぞ!と。」

→ 「ミカ様から、お花見のことを聞いたフォウさんも、絶対に参加する!と、言い出した。」

→ 「ならば、護衛隊長のドレンさんも、参加しよう!と、言った。」

→ 「……で、現在。」

 …という、経緯である。


 少しウカツだった。

こうなることは、予測できたのに……。

まぁ、いいだろう。

お花見は、大勢の方が、盛り上がる!と、いうものだ。


 なので、メンツは……

ジーク様、ミカ様、執事のカイトさん、護衛隊長のドゥーハン隊長と、新副隊長のレベッカさん。

そして、フォウさん、護衛隊長のドレンさんと、シルビアさん。

それから、言いだしっぺの俺たち4人。

計12名での「お花見」であった。







 





 いや~。

そうですか~。

マウアーは、お花見を知らなかったのか~

まぁ、仕方ないですね。

異星界だし。

でも、なんか大規模になってしまいましたね。

ちょっと、ホークも驚きました。

だってねぇ……

前王様とか、初対面のドゥーハン隊長とか。

緊張する、ホークとマウアー。

意外と、賢司は、平気みたいです。

まぁ…「王様」…と、言われても、「ふぅ~ん。」という感じでしょうね。

今の日本人としては…。

まぁ、さておき「お花見」の始まりです。

キレイに咲いていると、いいですね~。

どんなお弁当なのかも、楽しみです。

さて、次回は、ホークたち…新人さんのお仕事です。

では、お楽しみに。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ