表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
81/110

第79話 激練

 賢司とマウアーが入隊して、はや1ヶ月。

ここでの生活も、だいぶ慣れてきたようだ。

俺たちは、いつものように、橘さんの指導のもと…修行という名の地獄を味わっていた。


 橘さんの剣は、まさに達人剣。

いや…神剣だ。

やっぱり、スゴい人です。

とくにスゴいのが、そのスピード。

 マジで、ハンパない!

「抜刀の橘」が「抜刀神」たるゆえんである。

抜刀からの連続斬撃。

それに、対応できる筋力、反射神経、判断力。

俺たち3人は、あらゆる面で、鍛えられていた。

俺は、だいぶ前から、橘さんに鍛えられていたから、なんとか対応できていたけど、賢司とマウアーは、本気で泣いていた。

とくにマウアー。

やつは、もともと魔法使い。

接近戦闘を得意とするファイターではない。

今までの訓練でも、接近戦闘の訓練は、してきただろうが、やはりここの訓練は、レベルが違う。

なんと言っても、教官が橘さんだからだ。

しかも、マンツーマン。

そんな人物に指導されて、強くならないはずがない。

それから、めげないマウアーのメンタルにも、あっぱれだった。

はじめは、スタミナが課題だったマウアーも、おかげで、だいぶついてこれるようになった。

 なので、さらにステップアップしたトレーニングに入る。

4人になったので、対人練習も、バリエーションが増えるのだ。

 

 まずは、「1対1」からはじまり、次は、「1対2」の訓練をマスターした。

そして、今日からは、「1対3」の訓練だった。

相手がひとり増えるだけで、危険度は、倍じゃなく、二乗になる。

もし、実戦だったら、「逃げるが勝ち」だろう。

あえて不利な戦闘は、しない……が、これは訓練。

あらゆる事態を想定した訓練なのだ。

それに、精神力も鍛えられる。

 あきらめない!

 へこたれない!

 くじけない!

強い精神が、身につくのだ!

 この訓練は、はっきり言うと、俺でもキツい!

しかし、この試練を乗り越えるのだ!

乗り越えることで、さらなる「強さ」が手に入るのだ!

 おっと? …熱くなってしまった。

本題に、戻ろう。


「1対3」の戦いで、基本となることは、スタミナとスピードだ。

基本攻撃は、ヒットアンドアウェー。

しかも、一撃一殺が、求められる。

まず、捕まったら、終わりだからだ。


 今日の訓練は、素手から始める。

(武器を用いた訓練は、これをマスターしてからだ。)

なので、正攻法を身につけることから始める。

数で劣っている場合は、やはりカウンターが有効となる。

多数を相手にする場合、こちらから突っ込むのは、あまり成功しない。

(相当の実力差があれば、話しは、別だけどね。)

それは、相手側から考えれば、わかることだ。

「3対1」の場合、3人同時に攻撃することは、なかなか難しい。

目標がひとりなので、逆に攻撃が重なり、同士討ちになる場合があるからだ。

だから、まずは、ひとりが先制する。

もし、かわされた場合は、2人目が追撃する。

さらに、3人目が追撃…というカタチが理想的だろう。

もしくは、ふたりで前後から挟んでの捕獲。

残りのひとりが、トドメをさす…のが、順当なのだ。

もしも、相手が突っ込んできた場合は、ふたりで抑え込んで、残りのひとりがトドメをさす。

 簡単だ。


なので、数で劣る場合は、カウンターが確実なのだ。

実際には、こんなシチュエーションは、あり得ないけど…訓練だからね。

 何度も言うけど…。


 だから、このトレーニングは、あらゆる想定をしながら、「生き残る術」を身につけることなのだ。



 「ハァハァハァ………。」

なかなか、ハードな訓練だった。

ひとり5分ずつのローテーション。

ひとまわりした時点で、マウアーは、ダウンしていた。

賢司は、かろうじて立っているのが、やっとのようだ。

俺も、ヒザがガクガクだった。

橘さんも、平気な顔をしているけど、微妙に足を引きずっていた。

俺は、ちょっとうれしかった。

(師匠も、この訓練は、キツかったんだ!)


 でも、終わらない。

このローテーションを3回こなす!


 …………。

もう、終わったときは、みんなフラフラだった。

 対人練習は、ここまで。

今から、ランニングだ!

このスタミナが尽きたところから、さらに追い込むことで、スタミナ向上につながる。

そして、へこたれない精神力が、身につくのだ!

「さあ、行くぞ!」

俺は、気合いを入れる。

―――「おうっ!!」―――

最後の気合いを入れる賢司とマウアー。


 もちろん、ランニングコースは、この森中を走りまわることだ。

グラウンドと違って、森を走りまわる…ということは、必ずここまで、帰ってこないといけないことだ。

かなりキツいだろうが、力尽きても走るのだ!

 (マジで、スパルタ!)













 


 …………。

いや~。

言葉に、なりません。

想像を絶する、ハードトレーニングのようですね…。

でも、みんなわかっているから、頑張っているのです。


 「強くなる!」


そのひとつですね。



さて、次回は、少し息抜きしましょう。

ハードトレーニングばかりじゃ、壊れちゃいますよ~。

では、お楽しみに。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ