第57話 腕力(4)
私の初めての物語を読んでくださって、ほんとうにありがとうございます。
お礼が、遅くなって、申し訳ありません。
まだまだ、つたない文章ですが、一生懸命に、書いていきますので、よろしくおねがいします。
これからも、ホークともどもに、がんばっていきます。
読んでくださっている方に、ほんとうにありがとうございます。
ラビット・アイ
宴会も、終盤を迎えていた。
夜もだいぶふけてきたね。
ふと、見上げると、ここでも、キレイな星が見える。
あの裏返しの北斗七星も、はっきりと…。
…まだ、思い出すことは、やはり地球のこと。
あの頃と、うって変わって、平和なこの時間…。
夢か現実か……。
異世界ではなく、「異星界」……なのかな?
と。
まだまだ、吹っ切れずに、くよくよと思うことは、たくさんある。
でも、確実に見えていることがある。
それは、この部隊をキッチリと、創ることだな!
俺は、新たな目標を手に入れたのだから。
そして、少しずつでいい……
あの人に、返したい。
返させてください。
…たくさんのものを……。
おっと?感傷に浸っている場合じゃないな!
いささか夜もふけてきたので、女神様たちのご帰還だ。
ミカ様とフォウさん、レベッカさんとシルビアさんの女性陣を、みんなで見送る。
「今日は、ほんとうに、ありがとうございました。」
今度は、抜かりなく、俺自らが先頭に立ち深くお礼を述べた。
「うん。がんばってね~ホークくん。」
相変わらずのミカ様。
「ホークさん。がんばってください。私もたまに応援に来ますね~。」
すっかり、この地が気に入った様子のフォウさん。
(いちおう…極秘なんですけど…。)
「なにかあったら、言いなさい。力になるわ。」
ショートカットのレベッカさんから。
「ありがとうございます。」
そして…シルビアさん。
なんか、さびしそう。
そうです。
帰る御一行に、ドレンさんがいない。
「シルビアよ。フォウ様を頼む。」
「わかりました。あなたも、ほどほどにおねがいしますね。」
やはり、ラブラブのお二人です。
「じゃあ、またね~。」
新設されたゲートで、みなさんは、一瞬で王都に帰っていった。
…で、またもやドレンさんは、居残って、みんなと宴会の続きだった。
ああ~いいとも!
俺も、トコトン付き合いましょう!
おめでたい、門出の日だ!
そんな感じで、おっさんたちの宴は、これからだった。
「うう~ん……。」
気がつけば、朝だった。
あれからの……記憶がない!
まわりを確かめると、いちおうみんな、生きているみたいだった。
平屋の隊舎の中で、みんなそれぞれ、気持ちよさそうに寝ている。
(…よかった。)
いくらなんでも、外で寝ると、まだ凍死する季節だからな。
俺は、重たい頭に、なんとか打ち勝って、顔を洗いにいく。
そして、お風呂の用意をしながら、歯磨きをする。
やはり、二日酔いには、「朝風呂」が効く。
お風呂に入って、サッパリしたころには、他のみんなも起き出してきた。
朝風呂に入って、みんなもサッパリした感じだった。
若干…まだ死んだ顔をしたおっさんもいるが…
俺は、気にせず、昨日の宴会の後片付けを指示した。
「え~!今日くらいは、休ませてくれよぅ~!」
などと、おっさんが、甘えているが、ここは、心を鬼にして…おっさんたちにムチを入れる。
ちなみに、昨日までは、俺の心の中での「職人さん」呼びが…
今日は、「おっさん」に、なっていることには、目をつむって、いただきたい。
親愛の証しさ!
しぶしぶと、みんな掃除に取りかかっていた。
なんだかんだといっても、みんな職人(軍人)だった。
仕事は、キッチリやる!
そして、俺は、その間に、みんなの朝メシの用意をする。
おかゆと、みそ汁だ。
おかゆは、シンプルに仕上げて、梅干しを添える。
みそ汁もシンプルに、豆腐とワカメのみそ汁。
飲み過ぎた胃袋には、おかゆとみそ汁が、いちばん効く。
その証拠に、ひと仕事を終えたおっさんたちは、
「うまい!」
「胃にしみる!」
と、喜んで食べていた。
朝風呂と、おかゆとみそ汁で、すっかり復活を果たした職人さんたちも、帰路につく。
改めてお礼を言った。
「みなさんのおかげで、立派な隊舎ができました。ほんとうにありがとうございました。これから先に、どこに出しても、恥ずかしくない部隊に、育てたいと、がんばります!」
棟梁さんは、
「がんばりな! もし、なにかあれば俺のところに来い。力を貸すぜ!」
バンバンっ!
って、俺の背中を叩いた。
(だから、痛いって!)
もう、いいけど…。
俺は、苦笑いしながらも、
「ありがとうございます。その時は、よろしくお願いします!」
と、握手をした。
感謝の気持ちを込めて…。
「じゃあ、またな。」
「はい。また。」
職人さんたちは、王都へと、帰っていった。
もちろん、ゲートで。
さすがに、この新しくなった隊舎に、俺と橘さんのふたりだけだと、広すぎるな。
それに、新人クンを探さないとね。
そのあたりの打ち合わせを橘さんと、しようと、探していた。
案の定。
橘さんは、新倉庫で、座禅を組んでいた。
「失礼します。師匠。 ちょっと、お話しが……。」
「なんじゃ? …おっ?そうじゃ。ちょうどよかった。少し付き合え。」
そう言って、橘さんは、俺に木刀を渡した。
模擬戦に、付き合え…ということだな。
「いいですよ。付き合いましょう!」
ニヤリと笑い、木刀を受け取り、修練場の方へ。
ちなみに、この倉庫は、今のところ、半分を物置。
半分を修練場…と、考えていた。
まだ、なにも荷物は、ないけど…。
そして、その一角に、橘さんは、精神統一のための座敷を作っていた。
まさに、道場の雰囲気が、できていた。
俺は、改めて新築された倉庫を見る。
(立派だ!これが、4日間で完成するとは…。)
「すごくですね。棟梁さんたちに…笑われない…恥ずかしくない、立派な部隊にしなくちゃいけませんね。」
「そうじゃな。そのためには、訓練が欠かせないぞ! では、始めよう。」
「はい。よろしくおねがいします。」
俺と橘さんは、木刀を合わせる。
そして、訓練(地獄)が、はじまる!
さてさて、本格的に隠密機動隊が、活動を開始しますね~。
ホーク、がんばってね。
橘も、楽しみで、仕方がないようですね~。
いきなり、模擬戦の始まりですよ。
新築の倉庫を壊さないように、気をつけてね~。
さて、次回が、隠密機動隊の理念設定に、なります。
スミマセン。
では、お楽しみに。




