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第36話 史実(2)

 話しを戻して、70年前の大戦について。

龍山率いるデモンズは、かなりの戦力を蓄えていた。

「これで、我が神たるヤマタノオロチ様(主祖様)を解放できる!」

…と、龍山らは、長年の野望を叶えるべく、動き出したのだ。

まずは、霊峰「オニール」全体へと張られている12枚の結界の解除だった。

この結界を解除しなければ、次の段階へと、進めない。

しかし、この結界を破壊すれば、必ず霊峰の守護者たちにバレて、妨害されることは、わかっていた。

まず、ここでの攻防戦で、ガーディアンを足止めにして、残りの部隊で主祖様の本体を封印している108枚の結界を解除しなければならなかった。


 霊峰「オニール」の守護者ガーディアンたちは、最初の結界が破られると、すぐさまに、戦闘状態に入った。

 ガーディアンとは、太古神オオトシノカミの従者たちの末裔だ。

霊峰「オニール」の麓で、ずっと封印を守護してきた…何千年もずっと…。

現在、ガーディアンたちの村の人口は、300人ほどだが、村の全員が戦闘要員だった。

常に訓練を重ね、非常事態に備えていた。

ある意味…りっぱな戦闘民族である。

その中でも、戦闘能力が高い100名が、正式な「ガーディアン」を名乗ることができた。

その精鋭部隊を相手に、デモンズ隊は、確実に突破していった。

ガーディアンたちは、魔法戦は、もちろん、接近戦闘の格闘戦にも長けていた。

そんな彼らでも、苦戦を強いられていた。

なによりも、数が違いすぎた。

いくら弱肉強食の世界でも…ひとりで10人を相手にできる強者でも…。

デモンズ隊は、ゆうに1000名を超える部隊だったのだ。

よくぞ、それだけのメンバーを集めたものだ!…と、感心するしかなかったが……。

しかし、時間を稼げれば、各王国からの応援部隊が間に合う…と、ガーディアンたちは、判断していた。

だが、それは、デモンズも同じこと。

応援部隊が来る前に、勝負を決めようと、画策していた。

 デモンズ部隊は、その思惑以上に狡猾で、侮れなかった。

それもそのはず…この部隊の8割以上は、魔獣や半魔獣人だった。

魔獣は、力だけでも、ふつうの人間の10倍以上の力を持つ。

レベルが上がった魔獣ならば、魔法にも耐性がある。

その魔獣が、まとまりをみせて、戦術をとっていた。

おそらくは、魔獣を操れる能力者がいるのだろう。

かなり厄介だったのだ。

それよも厄介だったのが、半魔獣人。

半魔獣人とは、禁断の魔法によって、生まれる魔獣と人の合成生物。

禁断の魔法たるゆえんは、1度合体すると、2度と元に戻れない…という悪魔の魔法だった。

外見的には、まさに魔獣の姿のまま…人の意識が乗っ取る場合がほとんどだった。

それは、魔獣が人よりも、自我が薄いからだ。

それでも、中には、自我が強い魔獣もいる。

そんな魔獣と合体したならば、魔獣の意識が強いままに、人間の知恵が加算されるから、非常に厄介な存在となるのだ。

まさしく悪魔の所業。

なり振り構わない、非人道的手段だった。

そんなデモンズ部隊に、ガーディアンたちは、心底怒りを覚えていた。

しかしながら、その凶悪な力は、本物だった。

すでに、108枚ある結界の半分以上が、突破されていた。

このままでは、封印が解けるのも、時間の問題だった。


 その頃、やっと、応援部隊が到着したが…時すでに遅し!

各王国の先見部隊が合流して、戦況が膠着したころ……

ついに、結界が破られた!

その瞬間…霊峰「オニール」の頂に、とてつもない妖気を放つ、悪意の化身が出現した!

 漆黒の鱗をまとい、その身をくねらせる。

そして、蠢く胴体の先端には、4つの頭がユラユラと、うねっていた。

その頭は、それぞれが意思を持っているかのように、独立して動いていた。

全長は、ゆうに10メートルを超えるだろう。

その姿を見るだけで、ふつうの人間ならば、発狂してしまいそうな凶悪な妖気をまとって…。

 いく千年の時を経て、この地に復活を果たした大蛇の化身。

その名は、「ヤマタノオロチ」。

悪意の根源たる、邪蛇神だった。


 ガーディアンたちと、王国の兵士たちは、絶望に立ち竦む!

一方、デモンズ部隊は、皆ひざまずいて、邪蛇神を崇めていた。

そして、その邪蛇神が雄叫びを上げる。まるで、審判を下すように…。

『人間よ。 我の前に立ちはだかることは、許さん。 死ね!』

4つの口が開き、吠える。

『キャシャ――――――ッ!!!』

その腔砲で、その場にいた人間、魔獣、半魔獣人…敵味方関係なく…口や目、鼻や耳といった穴という穴から、出血して絶命した。

 これは、蹂躙の始まりだった。


 荒れ狂う邪蛇神の前に、人間たちは、為す術がなかった。

かろうじて、全王国には、知らせることができた。

応援部隊は、ほぼ壊滅していた。

ガーディアンも、その7割近くが、被害を受けている。

生き残った戦士たちも、かなり負傷している。

これ以上の戦闘継続は、困難だと思えた。

生き残った戦士たちを集めて、撤退を開始したガーディアンたち。

その心境は、屈辱以外の何ものでもなかった。

しかし、希望は、失っていなかった。

各王国の主力部隊が、もう間もなく到着するだろう。

それまでに、態勢を整えて、反撃に出るのだ。

「まだ、我々人類は、敗北していない!」

…と。








 邪蛇神…怖いです……。

それにしても、デモンズって、やっぱり、人類の敵なのね…。

魔獣を操る…までは、許容範囲?だけど…いや。ダメでしょう!

許せません!

半魔獣人は、完全にアウトです!

言語道断です!

 しかし、ガーディアンたちは、くしくも撤退を余儀なく、されてしまいました。

がんばれ人間!

負けるな人間!!

さて次回は、あの三武神が登場です。

期待します。

お楽しみに。

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