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転生の方法

「よし、村はどこにあるかな」


 真っ赤に染まる画面を眺める。マウスでスクロールをしていく。かなりの距離を見渡した後、あるところに着く。全く火の気配がない都市を見つけたのだ。


「すべてが火の海というわけではないんだな」


―しかし、人がいたとは‥‥‥


 人がいることに期待していたくせに、人を見つけると驚くのである。

 ソウスケは手直しの試行段階でこの都市―王都―の人間だけでどうにかならないかと都市を見て回る。しかし、この都市は大きさはそこそこあるくせに人口はせいぜい数千人程度なのだ。人口密度はスカスカで、街中も人がほとんどいないのだ。わかりやすく言うと、常にソーシャルディスタンスをみんながとっているようなものだ。さらには、軍隊すら持たず、魔王に逆らう気もないらしい。


「運命変更してもな~」


 王都の人間の運命は全員碌なものではない。例えば、中央に近いところの商人は1年後に自殺又は廃人である。また、道を歩いていた兄ちゃんは数か月後には魔物に食われて死ぬらしい。


―なんか、全員死ぬ運命にないかな? これ。


 ソウスケはあることに気がつく。


「これ運命覗けば未来が見えるじゃん。すげー」


 しかし、見えるというものの、この運命覗く奴はざっくりとしたものであり、正確には分からない。説明書にはその人の分岐点が見えるよと書いてある。さらに言えばその人間の分岐点しか変更できない。


「でも、不便だなこの機能。もう勇者呼んだ方が早いかもしれないな」


 そう言うとソウスケは説明書を見て、勇者の転生方法について調べる。説明書は合計で20ページほどの簡単なものである。そして、かなり雑である。14ページに転生方法が書いてあった。


ー説明書―

 転生方法

  キーボードで「ISKITNSI」と入れればあとは適当にやってもわかる! 


 なんと適当なんでしょう‥‥‥こんな感じで説明書はできている。


「とりあえずやってみるか」


 ソウスケはキーボードに先ほどのコマンドを入力する。すると画面上には死ぬ予定の人間とその人の性格や詳細情報が出てきた。死ぬ人間は、現世の日本から選ばれるらしい。


「なんか‥‥‥すごい罪悪感が湧いてくる。まあ、どうせなら優秀なやつで」


とはいうものの、画面に表示される人間はまともなやつがいない。不登校、いじめられてる奴、クズ、バカ、死因が死んだと思い込んだショック死。


―日本で死ぬ奴ってみんなこんなにやばいのかな


 画面を流し見ていると1人の人間に目をつけた。


ー高校生。異世界転生を夢見て自殺。


「バカじゃねえかこいつ」


とは思いつつものすごく気になっていた。確かに異世界転生を夢見て自殺はバカでも、アホでもやらない。世界に1人いるかいないかだろう。


「まあ、おもしろそうだし、これで異世界転生できなかったら哀れだしな。こいつでいいか」


 こいつの夢をかなえてやることにした。早速呼び出してみることにする。

 転生者とは必ず顔合わせをして特典について直接話す義務が生じるらしい。そして、転生者と会うには談話室とやらに行かないといけないらしい。


「めんどくせーな。なんでわざわざ移動してまで会いに行かなきゃいけないんだよ。オンライン面談でいいだろ」


 なんて愚痴りながらも部屋を出て階段を上っていく。1つ上の階に談話室があるらしい。階を上がると扉がぎっしりと並んでいた。扉と扉の間は指一本歩かないかぐらい詰め込まれていた。


「談話室の中どんなになっているか気になりますか?」

「うわ! て、ライカさんですか」


 後ろから急に話しかけられて不甲斐ない声を出してしまった。


「そりゃあ気になりますよ。こんなに詰め込まれてれば。中相当狭いんじゃないんですか」

「いえ、中は体育館ぐらいの大きさがあります」

「え?」

「ドラ〇もんの4次元ポケットと同じようなものですよ」


 かなり納得した。しかし、にわかには信じがたい事実だ。


「とりあえず入ってみればわかりますよ。呼び出したんじゃないんですか」

「そうだった。では入ってきます」

「はい」


 俺はそう言うと仕事場に書いてあった部屋番号の扉を開けた。

 中は暗く宇宙空間のような世界が広がっていた。床はモノクロタイル、中央らへんには椅子が2つ置いてあった。


「とりあえず座っておくか」


 ゆっくりと椅子に腰かけた瞬間、目の前に例の転生者が現れた。


「はえ~、ふしぎだな」


 転生者の前で思わず驚いてしまった。


「おお~あなたが私を転生させてくれるんですね。でも、美少女ではないんですね~」


 若干早口でいかにもという話し方だった。黙っていればそこそこ持てそうな容姿をしているのが少し憎い。いや本当に少しだけだから。


「いや、でも、本当に転生ができるとは。死んで正解でしたね」

「冗談でもやめといたほうがいいぞ。俺が興味を示さなかたらお前は転生できなかったからな」

「おや、よく見れば君も高校生ぐらいに見えますね? どこに住んでいたんですか? ちなみに私は静岡です」

「聞いちゃいねえな、こいつ」

「あー転生の際には強いやつ付与してくださいね。とびっきりの」


 目をキラキラさせながらこちらを見てくる。アホなんだなこいつ。


「能力についてはこちらが決めますので」


 あからさまにがっかりする。心配するな君のような貧弱もやしでも輝ける力を与えてやる。


「君の力は『自動戦闘』です」

「おーなんか強そうだな。どんな能力なんだ」


 オタク君はこちらに身を乗り出して聞きに来る。俺は冷静に資料を読みながら、答える。


「この力は任意で発動することができます。敵を自動的に倒してくれます。しかし、戦闘能力に関しては所有者のレベルなどに依存しますので、初期の状態ではほとんど戦闘はできません。頑張ってレベルを上げてください」

「自動で戦ってくれるのか、それはいいな。で、クリア条件とかはあるのか?」

「一応魔王を倒して世界を平和に、程よく敵が出現するような世界にするのがクリア条件だな」

「なんかよくわかんねえけど、とりあえず魔王を倒せばいいのね」

「そういうことだ」

「ちなみにどんな世界なんd」

「じゃあ頑張って~」


 俺は話を遮り転生スイッチを押す。転生ってスイッチでいいんだ。


「お~い最後まで答えてくれよ~」


 叫びながらも天に消えていく。じゃあなオタク君。


 俺は仕事場に戻って、オタク君の様子を見ることにした。


「このボタンを押せばいいのか」


 ボタンを押すとオタク君が立っているのが画面に映し出された。オタク君の目の前には炎が燃え上がっているから、絶望しているかと思いきや


「ふっふっふ、これくらいじゃないとね。おれが世界を‥‥‥救ってやるぜ。はっはっはー」

「うわーキャラ変わりすぎじゃね。中二病じゃん」


 とその時、オタク君が決めポーズをとっていると、後ろから石が飛んできた。運悪くその石はオタク君の頭を直撃した。


「あー大丈夫かな(棒)」


 オタク君はその場に倒れ気を失った。俺の右手はキーボード上でしっかりと運命を握っていた。



読んでいただきありがとうございます。

是非評価や、アドバイスなどいただければと思います。

練習小説でもしっかりと完結させたいです。


次回は6/16に投稿予定

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