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失敗作

さっきまで俺はハーレムを作ってウハウハ生活を送っていたはずなのだが、今目の前に見えるものは窓から差し込む光だけだった。


―現世でもないのに昼夜があるのは不思議な気分だ

 あと5分と言いながら寝過ごしたい気持ちを収めて起き上がる。


―あれ? 何時集合とか言われていたか?


 時計を見てみる。―8時― まあいいか。

 少しゆっくりしてから、1階へと降りていく。


「おはようございます」


 眠い目を擦りながら、管理人の佐藤さんに挨拶をする。ぼやけた目が元に戻ったころ、玄関口の方を見るとリルが殺気を前面に押し出して仁王立ちをしていた。


「ロリじゃないか。おはよu」

「おいてめ~今何時だと思っていやがる」


 見た目に似合わない顔をして、こちらを見下す。なんのことだか、とぼけた顔をしていると


「約束は7時だろうがボケ‼」


 耳が近々なるほどの大声を出し怒鳴る。その時確かに俺の目には忍び足で退場しようとする佐藤の姿が映っていた。


「さ・と・う・さん?」


 俺がニコニコとしながら、ゆっくりと振り返る。


「は! はい! ななんでしょうか」


 佐藤の額からは汗が漫画のように流れている。


「帰ってきてから問い詰めますからね(ニコ」


 佐藤の顔から血の気が引いていくのがはっきりと分かった。


「どうでもいいからさっさと行くぞ遅刻魔が」


 声のトーンがさらに1つ下がりご機嫌は斜めどころかまっさかさまらしい。誤解も解けていない。


「わかったから怒るなロry」


 ドンと鈍い音がする。骨が何本か逝ったような感覚である。


「―――」


 もう何も言わずに胸ぐら掴んで引っ張っていく。

 そのまま引きずられること5分。


「―――」

「職場ですね。はい。わかります」


 もはや何を考えているかわからない。怖い。いや、マジで怖い。

 それにして綺麗な場所だった。俺がいる場所は、おそらく職場の玄関らしき場所だろう。まるで神殿のような、白い柱が高い天井まで伸びている。


「あの~」


 神殿、職場を見上げていると視界の中にピンク髪女性が入ってきた。声がかわいい。服装は和風?のような感じ。


「えっと、あの、じっと見つめられると恥ずかしい……です」


 手に持っているバインダーで顔を隠し、照れた声で言う。


「す、すみません。あなたは案内人か何かで?」

「あっ、そうです。ライカと言います」


 とても口調がふわふわしている。


「それでは、案内していきますね」


 そう言い神殿の中へと行っていく。そういえばまたいつの間にか消えてたな、あのロリ。

 神殿の中を歩いていく。廊下の中央を赤いじゅうたんが覆っている。廊下沿いにはいくつもの木製のドアがあった。3階に上がっていった。


「ここがあなたの職場になります」


 案内され部屋へと入る。部屋の中は外の雰囲気とは正反対で、かなり現代風の部屋になっていた。正面には机と複数の画面、パソコンのキーボードのようなものが置かれていた。


「では、仕事の内容について説明していきますね。あなたには、あらゆる世界の調整をしていただきます。例えば、その世界が魔王に支配されているならば、勇者を呼び出したり、敵が居なさすぎる世界には、新たに敵を出現させたりと。このように世界を程よいバランスに保っていただきます」

「要するに、世界を綺麗に作れと言うことですね」

「はい、大方合っています」


 世界の創造主になったみたいで面白そうに思えた。世界の内容を聞くまでは。


「それで、今回整備する世界は‥‥‥『魔王サイドが暴れて世界が炎の海になっている失敗作』だそうです」


―は?


 魔王、ここまでは良い。よくある異世界転生のやつだ。次、炎の世界、魔王が暴れる。おかしくない? 神様何やってんの? もうちょっと頑張って世界創れよ。さらに、『失敗作』だと? ふざけんな‼ 神様、会ったら顔面殴ってやる。


「ちなみに、創造主様から『失敗しちゃった。ごめんね~』だそうです」

「よし、今からそいつに会わせろ。串刺しにしてやる」

 



 世界の調整はゲーム感覚でできるらしい。


「それでは頑張って下さい。午後6時に終了ですので」


 そう言うと部屋を出て行った。


―さて、世界でも覗いてみるか。ゆうてそこまでひどくもないだろう。

 画面を見てそこに広がっていたのは、赤く燃え上がる村。


―いやいや、たまたまだよね。

 もう一度画面を覗く。そこに見えるのは、赤く燃える、人々。


―‥‥‥


 もう言うことないな。

 

 どうやら、この世界について干渉できるのは、


①世界に転生者を呼ぶ

②特定の生き物の運命を変更

③思考の誘導


 直接世界に干渉することはできないが、人や転生者を介して干渉することはできる。らしい。

 説明書に書いてあった。何はともあれ、まずすることと言えば


―人が生きているかどうかだ。それに限る。


 画面を見渡す限り、すべて赤色である。なぜ魔王は燃やすのが好きなのだろうか。



人居るよね? ね?




読んでいただきありがとうございます。 

語彙力も何もないので、わかりにくいかもしれないです。

温かい目でご覧いただければと思います。

良ければ、1、2話の閲覧や評価をよろしくお願いします。


ちなみに夢の中のハーレムは5人くらいだそうで。

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