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第七十六話 融合

 異次元の料理にアルベルト達も大満足してくれた。

 ラーメンとか寿司とか馴染みのない料理も多かったが、好意的に受け入れられた。


「このらーめんは中毒性がありますね……」


「ぎょーざも美味しかった。知らない料理が多くてびっくりするわね」


「しかし、あの鉄の塊が空を飛ぶとは、しかも魔力ではないんですね」


「科学技術ってやつだな。魔法とは根本が違う技術体系で道具とエネルギーがあれば誰でも使える」


「魔法と組み合わせることで可能性は無限大。

 この世界の魔法よりも遥かに優れた魔法が組み合わされば、さらに色々出来ます!!」


 その後、ポポとラーファン、クラレストはすっかり意気投合して、ヘプトンらと魔法科学を魔改造していくことになる。


「しかし、本当に神様は居るのだな!」


「この世界では神は宗教のための建前だと思ってました」


「まぁなー、実際に居るし見たことも有るし、助けてももらってるしな……

 今回も神託だろ?」


「はい、創造神様直々に……この世界にもお姿は表しませんが、神は存在しております。

 そして、この世界を愛してくださっています」


「それならもう少し、生きやすい世界にしてくれればよかったのに……」


「神にとって生きとし生けるものは全て愛おしいのです。

 人間だけに向けられるものが愛ではないのです。

 ……ただ、反応が面白いので比較的優遇されますけどね」


「神様も人間っぽいのだ……」


「それにしてもー……二人はゲイツのどんなところに惚れたの-?」


「師匠は強いのだ! 私の命を救ってくれたのだ!」


「そうですね、やはり強さはこの世界では何よりも大事ですから」


「あのゲイツが家族をねぇ……」


「すごいのーここは、酒の種類も味も! 天国じゃな!」


「おいおい、それ高いんだぞ! 瓶ごと行くな瓶ごと!」


「なーに言っとるんじゃ、聞いたぞ? 

 今や世界を牛耳る商会の頭なんじゃろ?

 ケチケチするねい! パリザン殿も、社長が出しますからどうぞ好きなだけお持ちください。

 と太鼓判を押してくれたわい!」


 あの野郎……


「ゲイツ、かなり猛者が多いな。

 俺も修行するぞ」


「いやいや、俺ももうおっさんで昔ほどの力は……いや、有るなぁ……

 以前より強いぞ俺。ほれ、手も足も魔法科学の現状の結晶だからな」


「えっ!? これ……ホントだ……わからなかった……」


「治しますか?」


「いやいや、大丈夫だ。もう自分の体の一部だ。

 情けない話だが、魔法で治したほうが弱くなっちまう……」


「剣聖様と拳聖様が聞いたら冥界から戻ってきそうですね」


「恐ろしいこと言わないでくれよ……道具に頼るなんてって声が聞こえたぞ……」


「弟子は取らないんじゃなかったんですか?」


「まぁ、成り行きだな。そうだ、アルベルトは兄弟子だからな」


「おお、兄弟子殿、よろしくお願いいたしますなのだ」


「よろしくお願いする」


「私の魔装具はお二人が育ててくださっているんですね……」


「ああ、俺のはある戦いで死んでしまった。

 ただ、魔装具のテクノロジーはちゃんと普及してるから、それも色々と見てくれ」


「わかりました」


「この世界の精霊は甘えん坊ね……」


「精霊術がないから誰にも気が付かれなかったんだろ。

 ヘプトン、干渉できるか?」


「大変に不思議な現象ですね。是非詳しく調べたいです」


「精霊に害がないように気をつけてやってくれ。ウッディアンも協力頼む」


「ふぅん、大人になったのねゲイツ」


「まぁな、ガキも見てるしな」


「血は……繋がってないのね……」


「うちの家族は絆でつながってんだよ」


「ああ、あのゲイツからそんな素敵な言葉が、神よ、感謝いたします!」


「ウッディアン、俺たちもあんな家族になりたいな」


「な、なに、なにを一体、言っているのよ急に!!」


「子供は何人ほしい?」


「アルベルトの馬鹿ーーーー!!」


 見事な右ストレートがアルベルトにめり込んだ。

 その後、なんとなく男女別れて宴を楽しむことになった。


「みんなと大浴場に行ってくるのだ!」


「おう! そうだな……俺らもひとっ風呂浴びて、また飲み直すか!」


「風呂での一杯も良さそうじゃな」


「なるほど、それはいけそうですな」


 パリザンと玄庵はいつの間にか意気投合していた。

 スキルによる技にも興味津々だ。まだ成長する気か……新しい刺激が嬉しいんだな。


 結局夜明けまでダラダラと過ごしてしまった……


「さて、今日からは一年後の戦いのために社を上げて挑むことになる。

 新たな技術は革新を与えてくれるものだと確信している!」


「あ、オヤジギャグ」


「ロカ、黙って」


 社員から失笑と冷笑が溢れる。無意識だったんだよこっちは……

 とにかく、勇者様一行の力と、俺達の持つ力を合わせて、開発は進められる。

 拡張計画は一旦停止し、現状手に入る資源を活用して、生産が行われる。

 日々の実験により、技術革新は進んでいく。


「マザーシップの技術力は既に数百年前に超えていましたが、魔人らが使う魔法との融合を考えると、優位性はどこまで有るか……予想に幅がありすぎて回答不明とさせていただきます」


「そうか……そうなると、最悪を想定して俺たちにできるところを突き詰めていくしかないな」


「おかげさまで、異次元の魔法解析も完了したしました。

 精霊との協力も取り付けており、面白い事もできるようになりました。

 良い取引先になれると思います」


「使う道具はどんどん良くなってるからな、使う人間も鍛えないとな」


「ゲイツ社長の身体能力も加速的に上がっています。

 社員全体の能力も飛躍的に上昇しています。

 異世界の魔法はすごいです」


 次元魔法、時空魔法を組み合わせれば、理論上不老不死も手に入る。

 もちろんそんな物欲しくもないが、寿命の長いロカやジルバと共に生きるぐらいの長寿は……

 望んでしまった。

 おかげで俺の肉体は最盛期に等しい、そこに義手と義足によるかさ増しが合わさって、現在生涯最強だ。

 日々、厳しい訓練と即座に回復する魔法のせいで、限界を超えた鍛錬を可能にしている。

 アルベルトもその強大な力で弟子たちをかわいがってくれている。


 こうして、一年はあっという間に過ぎていくのだった……

 

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[一言] どんどん楽しくなってくぞ~これー
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