表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

36/82

第三十五話 遺跡制圧

 キカイ達の攻撃が降り注ぐ。

 蜘蛛のような多脚タイプ、ムカデみたいな多脚タイプ、4脚に腕がついているようなケンタウロスのような奴もいる。一番でかいのはとにかく装甲が厚く図太いクギのような物を撃ち込んでくる。

 息つく暇もないが、この雨あられに降り注ぐ攻撃を捌くのが最高に楽しいんじゃねーか!


「おらおらー! 来い来い来い!!」


 俺に群がるキカイをロカとジルバが少しづつ減らしていく……

 しかし、一向に数が減る気配はない、遺跡内からも次から次へとキカイが補充されていく。

 俺が破壊したキカイも周りのキカイが遺跡の中へと運んでいく。


「埒が明かねぇなぁ……ま、これだけいれば、粉々にしてもマーチは怒らんだろ……

 【初伝 旋毛】【繋中伝 旋風】【繋上伝 鎌鼬】!!」


 一太刀の風の刃がキカイを切り裂き、暴風がキカイをまとめ、無数の風が切り裂く。

 囲っていたキカイの一画をごっそりと粉々にする。

 

「よし、問題ないな……ロカ、ジルバ! ポポを抱えて跳べ!」


【至伝 暴風竜牙顎】


 巨大な風の龍がキカイを巻き込みながら周囲を旋回し、空高く昇り、粉砕されたキカイがその一画に降り注いだ。


「ふぅ……とりあえず外はスッキリしたな……」


「……化け物なのだ……」


「ゲイツ様、魔法ですか? しかし、コレほどの大規模魔法は……」


「魔法じゃねーぞ、大群相手にはコレぐらい使えないと、呑まれるからな……」


「これくらい……ゲイツ師匠の背中は遠い……」


「はっ! 簡単には触らせねーよ、さっさと進むぞ、また回収されたら面倒くせぇ」


「はいなのだ!」


 扉はロックされていたが、叩き切った。

 ごうんごうんと大きな音を立てて扉が落ちると内部では健気に作業をしているキカイ達が並んでいる。作業をしているキカイは人形に近い作りをしている。

 扉を叩き切って侵入しても、作業をしているキカイは何も変わらず作業を続けている。

 遺跡内には赤い警告灯が光、アラームが鳴り響いている。

 警護用のキカイが奥から殺到してくる。


「ポポをきちんと守れよ、少し残してくぞ!」


 俺はその集団に向かって走り、最前列のキカイを飛び込える……


【地返し】


 踏み込んだ地面がベリッと剥がれ、簡易的な壁を作る。

 数体のキカイを残してロカ達との間に仕切りをつくる。


「さーて、最深部まで一気に行かせてもらうぞ!」


 俺は握る剣に力を込める。




 数多のキカイをスクラップにして、最期の扉を切り開く。

 中央管制室。

 プラントに似た巨大施設が、この遺跡にいる全てのキカイを管理している。

 画面の一つを見るとロカやジルバが一生懸命戦っている。


「ポポもキカイ相手だと強いな……」


 ポポが放つ電撃はキカイたちを次々に撃ち抜いていく、しかし、消耗も大きい、3人とも肩で息をしている。


「ポポの体力づくりも考えないとな」


 後にポポは戦闘中に突然寒気に襲われて驚いたと語っていた……


「さて後は……ま、いるよな」


 最終防衛システム、こういったプラントを守る最後の砦だ。

 戦車の下半身に人形の上半身、六本の腕が銃と槍を構えている。

 先程までいた場所に銃弾が降り注ぎ、地面をえぐる。

 俺はすでに飛んでいる。


「問答無用ってな」


 背後から剣を振り下ろすが、完全な死角は存在しないのか槍が伸びてくる。

 剣を払い、その勢いを利用して距離を取る。


「……いい素材だな、その槍に装甲……」


 打ち合った感触で、非常に硬度が高く、そしてしなり弾性もある素材とわかる。

 軽く胴を薙いだのだが、ちょっぴりとしか傷をつけられず、こちらはとにかく高い硬度であることがわかる。


「それを使えば、俺達の装備も強くなる。悪いが、解体させてもらう!」


 狭い室内をキャタピラを使った高速移動、強固な装甲、隙のないセンサー類……


「ちゃんとついて来いよ!」


 すでに【縮地】の速度にはきっちり対応してきている。


 【飛天】


 ギアを一つ上げる。

 もしロカ達が見ていたら、俺の身体が消えたように映っただろう。

 そして次の瞬間何体もの俺が敵に襲いかかる。

 

 ガギン、ギンっ!


 降り注ぐ斬撃を槍が受ける、右から左から、上から下から……

 速度と重さをどんどん上げていく。

 やりを持つ腕の付け根からギギギと異音が鳴ってくる。

 銃弾は俺の動きを分析して、いい感じで追跡してくるが、まだ俺のほうが上だ。

 

「甘い!!」


 受けが甘くなり、大きく弾いた槍を持つ腕を切り落とす。

 4本の腕で受けていた物が3本になればさらに負荷がかかる。


「次っ!」


 一本、また一本、銃を持つ手も叩き落とす。

 最期の腕を落とし、突進してきた敵を避け、装甲の隙間に剣を差し入れる。


「結構いい汗かいたぜ【迅雷】」


 バチンッと衝撃が広がり、最終防衛システムは活動を停止した。


「ふう、久々に動いたな……さてと」


 俺は再び置かれた設備に向き直り、用意された装置をセットする。

 ポポ達特製のハッキングシステムだ。

 トレーラーに積まれたプラントと繋いでこの施設を支配下に置く。

 少しづつ施設を支配下に置いていくが、映し出されたモニターのロカ達が押され気味だ。


「ん、ちょっとまずいか……」


 俺は急いで入口の方へと走った。 

 俺が破壊したキカイをせっせと運ぶキカイ達、それが入口の方へと送られているみたいだ。


「最深部のキカイは特殊仕様だったから、いろいろランクが有るんだな」


 奥を守るキカイは外にいたものとは異なり、素材も動きも段違い。

 大量生産製品と一点物の違いだろう。


「くっ……もう、持たないのだ……!」


「先輩! 上!!」


「し、しまっ……!」


 俺が到着すると、ポポはすでに魔力切れ、ロカも今まさに隙を疲れてキカイに組み敷かれそうになっていた。


「ちょっと、無理させたか……悪い……」


 飛びかかっていたキカイを掴み、囲んでいる一体へと力いっぱい投げつける。

 数体のキカイを巻き込んで、バラバラになりながら壁にめり込んだ。


「もう少しで占拠が終わる。根性見せろ弟子共」


「師匠……」


「まだ、やれます」


「少し休めば、まだ……」


「ポポはちょっと休んでていいぞ、追い込んでからが修行だからな」


「……思い出したら身体が重くなったのだ……」


「良いじゃねーか、その重さが成長を促すんだよ!」


「ゲイツ師匠って……やっぱり、おかしいです」


「おかしくなきゃ、戦えねーよ!」


 それから俺がサポートしながら、きっちりとキカイ達の機能停止まで、拠点防衛を果たすのであった。


引き伸ばせるんですが、サクッとスナック感覚で攻略です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ