第2話 まずは状況説明しましょうか
これまた2時間ほどで書いたので、誤字とかあったらごめんなさい。
どうも、暴走トラックです。
さてなぜ僕がこんな状況になってるのかご説明いたします。
僕の前世は普通に社会人をしてました。ただ僕の仕事は飲食店。
サービス残業を含めた残業時間なんてもはや数えたくありません。そんな社畜生活していた僕にも趣味がありました。
それは小説を読むことです。
今やネットで簡単に読めるようになったことで社畜の僕でも小説を読む時間くらいは取れました。
お気に入りは「小説家を目指そう」っていうサイトです。プロアマ問わず色んな方が投稿するサイト。これだとたくさんの種類がありますし、好きなのを探すのも簡単です。
特にハマっていたのは「転移・転生」物。
僕みたいな社畜とかでも、異世界に行ってブイブイ言わせてていいなーって思いながら読んでました。
そんなある日横断歩道で信号待ちしていた時にトラックが走って来るのが見えたんです。十何連勤していて疲れていた僕はトラックに突っ込もうと思い立ちました。
何も別に異世界でチートを手に入れてブイブイ言わせたかったわけじゃありません。ただ今の社畜生活に疲れてなんでもいいから転生できないかなーなんて軽い気持ちでトラックが来る瞬間に踏み出しました。
ドンという鈍い音と共にかなり弾き飛ばされました。
当然です。道路は青で普通に走っている車が来る瞬間ですから、運転手の方もブレーキなど踏む間もなかったでしょう。
全身を強く打ち激しい痛みが身体を襲います。あー死ぬなーなんてぼんやり思いながら空を見ていました。やっぱり転生なんて無理か…そんなことを思っていたら、突然パチンと指を弾く音が響きました。
気がつくといたのは真っ白い空間。さっきまでの痛みも消えどこにも怪我などなく、お!これはいけるんじゃね?と思いました。
すると目の前に神さまっぽい人が現れ僕に告げました。
「あなたにはこれから暴走トラックとして私の手伝いをしてもらいます。」
「はあ!!??」
思わず声が出ました。意味がわかりません。
「あなたは転生者リストには載ってません。ですから本来ならそのまま死ぬのがあたり前なのですが、あなたの転生意欲は凄まじく特例として転生を認めることとなりました。ですが転生者リストに載っていないため、異世界に行くことはできません。なので暴走トラックになっていただくのです。」
その人の説明によると我々日本人を含め、地球人には『転生者リスト』なるものが存在し、それに従い該当するものを殺し異世界へと転生させているのだそうです。現実世界(ここで言う地球)ではその者が死んだという記録は残らないよう、神がそのつじつま合わせをしてるんだそうで。
ただ現実世界で死んだ者を現実世界に戻した実例はなく何かのハプニングで僕という存在を思い出す可能性は否めないとのことで人ではないものになることになったとか・・。
そこで出た案が『暴走トラック』
そう、異世界転生話ではよく出てくるアレです。アレは普段、神さまが直接干渉し暴走させているだそうなのだが、割と大変なのだとか・・
対象者を見つけその近くのトラックを探し暴走させなければいけない。たしかに理屈を考えると大変なのだと思います。
そこで事情を知るものを暴走トラックとすることで殺すまでの過程を軽減したいそうです。いわゆる分業・分担ってやつですね。転生させるのにも色々力が必要だからできれば軽減できると助かるとのことで。
暴走トラックになる理由も根拠も理屈もわかりました。
ただそれだけで『はい、そうですか。わかりました。』とも言えるわけもなく・・。
だって人をひき殺さなければいけないんですよ!?
神さまっぽい人は僕に選択肢を与えました。
1.このまま死ぬか
2.トラックに突っ込んだ事実を消し元の社畜に戻るか
3.暴走トラックになるか
と。
これって要は社畜として心身をすり殺すか、暴走トラックとして人を殺すか(いや、死なないですけど)ってことですよね?
もちろんこのまま死んでもいいけどそれだと親は悲しむと思いますし、暴走トラックに転生すればすべてのつじつまは合うのでそういうこともないですし?
ただ人を殺し続けて心が持つかなーってのが唯一の心配で・・・。
あ、ちょっとまってください、転生者ってだいたい何かしら願いを叶えてもらえますよね?
「あの、ひとつだけお願いをきいてもらえたりしますか?」
「内容にもよりますが、あなたが暴走トラックして私どもの手伝いをしてくださるとのことであれば叶えられますが?」
「じゃあ、ひとつだけお願いします。」
そんなこんなで僕は
人を殺すことに何の感情も浮かばないようにしてもらい暴走トラックへと転生しました。