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肥えた者

まあですね、僕の天然?的な言葉で脱線しましたが、なんとかガメツの屋敷に着きましたよ。

てか、なんでこの手の貴族の金持ち?じゃなく民から殆ど強制的に集めた金で、こんなの建てるんですかねぇ〜。

あっちこっちにガメツの銅像が建ってますよ。しかも変なポーズの。


「本人はカッコいいと思っているんだろうな」


こんな銅像なら、まだ本当のブタの銅像の方がマシです。

で、ですねぇ〜(もう呆れて果てた感じ)

屋敷の壁が至る所、金や銀を使った作りになってますよ。(悪趣味)

ブレイク王のベルガー城ですら、こんなに金銀はつかってないぞ!

あまりこの建物を見ていると、腹が立ってきたので、とっとと屋敷の中に入る事にしました。


とりあえず、僕とクリエラは深いフードを被り顔を見せないようにします。

屋敷の前までは、僕らは馬車の中に居たので正門の兵に怪しまれなかったんですが、

馬車から降りないといけないですからね。


で、村長とサラ姉が屋敷のドアの前に立っている兵に何かを言っいると、その兵はドアに行き、ドアをノックすると


「アマリリス村の者が来ました」


屋敷の中の執事がゆっくりとドアを少し開け、ドアの隙間から顔を覗かせ村長とサラ姉を見ると


「来たか‥‥‥」


ドアをまたゆっくりと開けて、僕らを招き入れます。

で、屋敷の中に入っていた先には、やはり定番と言う感じの広間と、左右にらせん状の階段があります。

その中央に少し小洒落た大きなドアが二枚。


「観音開きみたいなドアか?」


そうドアを見ながら、僕はてっきりガメツが階段から降りてくると思っていたんです。

すると、いきなりドアが開くので、僕はビクつきました。


「ドアが開いた‥‥‥て、えっ!」


ドアが開いたその先には、美女が左右に一列に並んで立っているではないですか!

で、僕は一瞬圧感されますよ。


「ひ、広い。天井も高い。で、シャンデリアか?」


そんな部屋に僕らは一歩、また一歩と歩く。

美女が一列に並んだ部屋を。

だだ‥‥‥何か変。

何が変?う〜〜〜ん‥‥‥


「あっ!あの銅像だ!」


そうなんです。あのガメツの銅像の横に立っていた美女の銅像。

その人達が、この列の美女達。

けど、やぱっり変なんです。違和感があるんです。

で、僕はお辞儀をする美女の一人の顔を見たんです。

で、僕は眉毛をピクッと少し動かすと、


「そう言う事か‥‥‥」


そう呟いたんです。で、横に居たクリエラが心配したのか、小声で



「光様、どうしましたか?」


「うん、違和感が分かったんだよ」


「違和感?」


「そう、違和感」


彼女達の顔には笑顔が無いんです。

いや、笑顔はあるんですよ。

けど‥‥‥無理して作った笑顔にしか見えないんです。あの銅像の美女達の笑顔よりも笑顔ではない。


「多分、あの銅像の美女は、銅像を作った製作者が無理やり笑顔に作り変えたんだろう。いや、作らせたんだろう」


僕はそう思ったんです。

だって、ここにいる彼女達は笑顔こそあれ、伝わってくるんです。


苦しみ

悲しみ

誰かを思う(多分愛する人)哀しみ

帰りたいと思う気持ち‥‥‥


それらがなにか伝わってくるんです。

鈍感な僕ですら。


「こんなとこにサラ姉を行かせることは出来ない!なんとかしないと」


そんな気持ちが、彼女達を見ていたらさらに思いましたよ。僕は!


そして、ガメツの座る一段下がった所まで、僕らは行きます。

ガメツはまだ来ていないらしく、僕らの目の前には、1メートル程の木のテーブルが置いてあります。

ガメツの執事が


「そこにカンヅメとやらを置け」


僕とクリエラは頷くと、テーブルの上に持ってきた20個程のカンヅメを置いた。

と、その時、人が歩く気配がした。

けどなんだか、その歩みは如何にも重そうな歩み。

のしのしと歩く感じですよ。

そして、僕らの目の前にある椅子に座ると、まるで疲れたかのようなため息を一つしますよ。


僕らはお辞儀をすると、僕は深いフードの隙間から見つめます。


「アレがガメツか‥‥て!あれ豚じゃないの?」


て、思える程の、かなり太った男が椅子いっぱいに座っていますよ。

しかも、頭は禿げ。横に少し名残惜しそうに毛が生えているていどか。

で、僕はこの時思いました。


あのガメツの銅像もかな〜り美化してるだろう!とね。


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