表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
大怪獣 V ガイグ  作者: 維己起邦
13/18

データ

 南北大学。

 堆星研究室。

 「厳重な設備ですね」弥生が思わずつぶやいた。

 「いや。私はガンマー線を研究していてね。

 原子から出て来る光を。

 ガンマー線というからには

放射線だしね」堆星。

 何せブ厚い鉛とコンクリートで固められた

実験室にマジックハンド。

 中性子遮断用の-----もある。

 その実験室の中に何かおいてある。

 実験室の外から

透明なガラス越しに

陸川の部下がスマフォのカメラを。

 「先生、これは」陸幕の陸川二佐。

 「いえ、本沢先生に山神村で

採取してきていただいた

ガイグの細胞の中に」

 実験室の中にガイグの細胞を入れる。

 「レーザー光線の-----例の口から吐く。

 それの発生細胞がありましたので」

 「ああ、あのレーザー光線」陸川。

 「それを分析しようと」

 全員、息を飲んで。 

 「できるんですか」リョオ。

 「ンー。難しいがね」堆星。

 「まず、ここを-----」

 鉛とコンクリートで固められた

部屋の中には。

 小さな箱が。

 そこからは高圧の電気のコードが

伸びている。

 「あれは?」弥生。

 その小箱を指して。

 「あれも鉛の箱だよ。

 あの中には金属製のターゲットが。

 そこに電子を加速してあてると

X線が出て来る。

 ターゲットの金属は一種類だけではなく

数十種類入っている。

 合金も含めてね。

 放射性物質もターゲットに使っている。

 さらにそれを。

 別の物質に照てて二次、三次X線を取り出す。

 ただ電圧が問題でね」

 「電圧。

 高いのですか」

 「そう。

 それも信じられないくらいね」

 堆星はスイッチを。

 その箱には小さな穴が。

 その穴にマジックハンドで

ガイグの細胞を近づける。

 ガイグの細胞がゆっくりと崩れはじめた。

 「先生。これは」陸川。

 堆星はスイッチを切った。

 そしてマジックハンドを使い

崩れた細胞の中から

細胞液を採り出す。

 「この中にレーザー発振の秘密が-----

あるようだ。

 これに先にガイグの細胞から

採り出して分離しておいた

この液を加える」

 細胞液が強烈な光を。

 「すごい」

 「どういう機構で」陸川。

 「ホタルのルシフェリン、ルシフェラーゼ

と同じようなモノ-----でしたね。

 先生」リョオ。

 「それにATPを加えた時とね。

 もちろんATPなどではない。

 全く違う。

 これを見てみたまえ」堆星。

 実験室内に置かれた

ガイガー計数管のスイッチを。

 針が振り切れた。

 中性子検知器も。

 「これは」

 「先生。放射能が」

 「そのようだ。

 ガイグの吐くレーザーの

これが正体だよ。

 奴のレーザーには

私たちの目に見える可視光以外にも

ガンマー線などが大量に含まれているようだ」堆星。

 パソコンの画面にそのスペクトル分析の結果が。

 「それで。

 奴の細胞や、通った跡には

大量の放射能が」陸川。

 「そういう事だ」堆星。

 リョオも肯定するようにうなづく。

 自衛隊でもネットニュース徳東の記事を見て

放射能を調べたらしい。

 「それでこれをさっき。

 防衛省へ行く前にというか。

 先生たちがガイグの化石を持ってくる前に。

 分析したんです。

 蛍光X線はじめ質量分析器で。

 普通のATP(アデノシン3リン酸)、

ADP(アデノシン2リン酸)反応では

放射能が出るなどとは。

 考えられないので。

 あれはアデノシン3リン酸の

リン酸が一つ外れて

アデノシン2リン酸になる。

 その時に出るエネルギーを

生命活動に使っているわけですし。

 ただの化学反応ですし。

 放射能が出るはずも。

 中性子も出ていますし。

 それで分析しますと。

 これが発光前。

 これが発光後」

 分析結果を見せられても。

 「先生。これが何か」弥生。

 「何が分かるんだね。

 これから」本沢。

 リョオはすでに-----ある程度は。

 中性子が出ているという事は。 

 しかしATP、ADP反応で。

 もちろん人と同じようなATP、ADPではなく

第五周期生物のATP、ADPの相当する

物質の事だ。

 いくら第五周期生物とはいえ

そのようなモノが単なる化学反応で

出てくるはずが-----。

 怪獣だしな。

 「反応前と反応後で

原子の数が違うのです。

 分子ではなく」

 「原子の数」弥生。

 「核反応か」本沢。

 中性子が出ているという事は

核反応だ。

 「そうです。

 普通、ホタルなどの発光は

一つの分子が二つのわかれるなり何なりして、

その結果生じたエネルギーのより

また別の分子が別の分子に分解する。

 その過程で発行するのですが。

 ATP。

 つまりアデノシン3リン酸という分子があります。

 これはアデノシンという分子に

リン酸が三つくっついたものです。

 このリン酸の一つが外れることによりADP。

 アデノシン2リン酸になる。

 その時にエネルギーを放出する。

 エネルギーを放出したADPは

ミトコンドリアで再びエネルギーをもらい

ATPになる。

 生命活動は化学反応のより成り立っている。

 その化学反応にはエネルギーが必要だ。

 そのためのエネルギーの運び屋が

このATP、ADPです。

 しかしあくまで。

 何度も言いますが。

 それは単なる化学反応です。

 ですから分子量は変化しても。

 原子の総数は変化しない。

 このように」

 堆星はホタルなどのルシフェリンや

ATP、ADPの発光前と発光後の

データーを、化学式をモニターに出した。

 「なるほど」本沢。

 しかしこのようなモノを

突然見せられても-----

わかるわけがない。

 まあ堆星君が言うのなら

確かなのだろう。

 「-----」弥生。

 「しかしこのガイグのモノは」堆星。

 ガイグのデーターと比べる。

 原子の数を一つづつ数えていく。

 「本当だ。

 原子の数が」本沢。

 「通常の化学反応では

原子の数が変化するという事はありませんが-----

これは」

 「原子炉と同じで

元あった核物質が色々な原子に粉々に」

 「それで核分裂ですか」

 弥生もようやく納得したよう。

 「それに核融合もです。

 どうやら奴らは核融合や核分裂のエネルギーを

光に直接変えるらしいのです。

 それをレーザー化して口から。

 ご存知のように

鉄より原子量の大きな元素は

核分裂することによりエネルギーを放出し。

 鉄より原子量の小さな元素は

核融合することによりエネルギーを放出する。

 その逆に。

 鉄より原子量の大きな元素は

エネルギーを受け取ることにより融合し。

 鉄より原子量の小さな元素は

エネルギーを吸収すれば分裂する。

 それを上手くコントロールする事により

エネルギーの受け渡しを行っているようです。

 それのより我々のATP、ADP機構よりも

はるかに莫大なエネルギーを-----。

 我々の科学力ではまだ。

 ウラニウムやプルトニウムを核分裂させるか、

水素を核融合させることによるしか

エネルギーを取り出せないでいるのに。

 このガイグは。

 しかも核融合に至っては

核爆弾としてしか-----ですか」堆星。

 「そんなことが」陸川。

 「どうやって-----ですか」弥生。

 「いや。それはまだわからないが。

 ATP、ADPに至っては全く。

 レーザーについてもだ。

 ホタルの発光でも。

 ルシフェリンなどの酵素とATPで発光しているのだし。

 特別な分子構造をした

酵素が働いていると思われる。

 それの核のエネルギーが働いて。

 まあ核と言っても

爆発するわけではないが。

 発生する熱は全て別の機構が働いて

吸収するようになっている。

 これは人も同じだよ。

 今はそれだけしか言えない」堆星。

 何か言いたそう。

 「それで防衛省で

あのような事を」

 「ATP、ADPではなく

核融合、核分裂をか」

 「ATP、ADP反応は

酸素が結合する時に発生するエネルギーを

取り込むものだしね。

 それを内呼吸というんだし。

 それが核反応に置き換わっているのだからね」

 「それで呼吸も」

 「防衛省でおっしゃられていた事は本当-----。

 アッ、イエ」

 「しかしレーザーですか。

 レーザーは二枚の鏡の間で光を反射させて

位相と波長のそろった光のみを

増幅していく。

 そういうモノでしょう。

 そうする事により

普通の光のように散乱せずに

あのように細い光になる」弥生。

 堆星がモニターにレーザーの原理図を。

 「そうだ。

 だから鏡の役目をする細胞も

見つかっている」堆星。

 「では核反応で発生した光を

その二枚の鏡のような細胞間で

反射させてレーザー化しているのですか」弥生。

 「そういう事になる。

 そのような大小織り交ぜたレーザー発振管が

無数に集まっている部分が

ガイグの身体の各所にある------ようだ。

 詳しいことはあの化石を 

調べなければわからないが。

 CTの画像から見てもそうとしか。

 それであのように強力なレーザーを」

 「生物レーザーか」

 “だがホタルか。

 そのルシフェリンを取り出して

鏡ではさんでATPを加えれば

レーザー発振するのかな。

 まあいいか”

 「まあレーザーと言っても

収束率はあまりよくはないようですが。

 ガイグの吐くレーザー光を見ればわかるように」堆星。

 「そういえば我々のレーザーのように

あまり細くはなかったですか」

 「生物ですから。

 あまり精度が」

 「-----」

 「ですがそのような怪物を。

 どうやって倒せばいいんだ」

 空幕の幕僚も同席している。

 スマフォが鳴った。

 弥生が慌てて。

 「虹起さん」本沢。

 「すみません。

 スマフォを切り忘れてました」

 スマフォに出る。

 部屋の隅の方で。

 「編集長。

 困ります。今は。-----。

 エッ?-----。

 本当ですか。-----。

 マスコミが第五周期を。

 それは大変なことに。

 どうしましょう。-----。

 テレビでも。

 どこから漏れたんですか。

 それは言えない」

 本沢もそのやり取りを。

 「虹起君。

 第五周期って」

 「先生。どうしましょう。

 テレビ局が第五周期の事を。

 それで-----。

 堆星先生の名前も-----」弥生。

 「どこから漏れたんだ」

 本沢は堆星と。

 「それは-----。

 多分-----」弥生。

 「たぶん夜討ち朝駆けの番記者が」

 カメラマンの空口が。

 「口の軽い者が多いですから」陸川も。

 「マスコミに漏らせば

多方面から情報が-----。

 そう考えた連中の仕業でしょう」海幕。

 「まいったな」本沢。

 「それで編集長が。

 ウチももう伏せてはおけないと。

 マスコミがここまで報道しているのに。

 それで先生に」弥生。

 「どうしよう」

 本沢は堆星に。

 「私は-----かまいませんが。

 他の学者先生にも

意見を聞けますし」堆星。

 弥生はスマフォを片手にその様子を。

 「おかしな事を言われては。

 都合が悪いか。

 勝手に。

 チョット、それかして」

 本沢はスマフォを受け取った。

 「編集長。私だ。

 どうしよう。

 それじゃあ、地球段階冷却説も。

 ウワー」本沢は堆星を。

 「堆星先生の説を

狙い撃ちですか」陸川が。

 やりすぎだ。

 あの連中。

 「他の先生の説は」空幕。

 「いや-----堆星君のだけらしい。

 だが-----どういう意味かね」本沢。

 「いえ、申し訳ないことですが。

 他の先生方にも。

 本沢先生方以外の先生方にも

いろいろご意見を。

 おうかがいしたのですが。

 先生の説だけがどうして」陸川。

 「そういう事か。

 しかしどうして-----

堆星君の説だけが」

 本沢は編集長に。

 「漏れているのは

その第五周期と地球段階冷却説だけかね」

 「-----」

 「どうもそうらしい」

 「どういう事だ。

 遺伝子工学で造ったとか

何とかがあったはす-----。

 アッ、イエ」空幕も。

 他の先生のそのような説は

漏らしていないのか。

 「どの道漏らすのなら

そちらの方も漏らせばいいのに」海幕。

 マトモでない説と。

 マトモとマトモでない説の

中間のモノを全て。

 「イエ。何でも」

 その発言に本沢はムッとした表情。

 全員訳が分からない。

 「ウチが先生の説で------

伸ばしたので-----それで」弥生。

 「それで他のマスコミも飛びついた-----

という事ですか。

 申し訳ないことを」空口。

 「なるほど」

 全員何とか納得したようだ。

 「それにガイグの化石もありますし」

 「なるほど」

 “本当にそれだけで”

 その手のキワモノ映画なら-----。

 間違いなく飛びつきそうな説だし。

 それで-----みんな-----。

 マサカ。

 「それで誤解を避けるためにも

堆星君にかね。

 直接取材を。

 -----。かね。

 どうするね」

 堆星は。 

 「私は構いませんが。

 先生さえよろしければ。

 データーも全て載せてもらって」

 「それならば」本沢。

 「それは困ります」

 それには陸幕の陸川が。

 「どうして」本沢。

 「それは」

 「もうマスコミにはもれているんだよ。

 君たちもその方が」本沢。

 我々もだが。

 「それは」

 陸川が防衛省は連絡を。

 「やはり無理かな」本沢。

 どうもそのようだ。

 「マスコミがその-----。

 第五周期について報道するという情報は-----。 

 防衛省としましては。

 寝耳に水で」

 陸川も言いにくそう。

 どういう事だ。

 防衛省が漏らしたのでは。

 漏らされて都合が悪い情報でもあるのか。

 「我々から漏れたという印象は

避けた方が-----後々都合がいいですか」堆星。

 「その方が。

 マスコミに流すのなら

その前に我々に一言」陸川。

 「我々にしましても。

 方々の先生方に確認して。

 いや、失礼しました。

 これは先生方のお考えでしたか。

 それが終わってから

公表という意向でしたので」空幕。

 「確認はしていただかないと。

 しかしその前に漏れるのは。

 仕方ないか」堆星がポツリと。

 科学の世界ではそうなっている。

 公表して-----学会で発表して-----

最近は-----という手も。

 たたかれて生き残った説のみが。

 「それは」

 「ですがどうして堆星先生の説だけを

漏らしたのか」弥生。

 まだこだわっている。

 「口の軽い者も多いので。

 主だった先生方の説は-----。

 全て」

 「漏れていると」

 「さあ。それは-----」

 「堆星先生以外の先生方のご意見では

スズ、アンチモン、テルルの件を

説明できませんでしたので-----。

 それででしょう」海幕。

 「それで」弥生。

 「実際のところは」

 「マスコミに聞かないと。

 アッ、イエ」

 「-----」全員。

 「しかし今後は

他の先生方の説も出てくるかもしれませんし」

 「それでは-----第五周期で行くと」堆星。

 「いえ、まだそこまでは。

 しかし他にこれといったモノもないですし。

 どうしたものか」空幕。

 マサカ-----いくらなんでも。

 「それでウチの説を狙い撃ちに」本沢がポツリと。

 「どういうつもりだ」

 「いえ-----決してそのような事は。

 あくまで漏れたのは-----

我々のところではないでしょうし。

 先生を狙い撃ちなどとは。

 きっと今に他の説も」ブツブツと。

 この先生方の説を-----。

 マサカ。

 「ですから先生方の説も。

 一つの説として我々は捉えているわけでして。

 ですから」

 「そういう事か」本沢もホッと。

 「あなた方で何かつかんでいるという事は。

 ガイグに関して」

 「いえ。それは」

 「ないか」

 あればここにはいないか。

 この方々は。

 本沢もあきらめ顔。

 スズ、アンチモン、テルルを

別の説で説明できれば

いいのですが」空幕がポツリと。

 我々が乗りやすいような説で。

 全員。黙り込んだ。

 「しかし今ネットにアップできないのでは」弥生。

 「それは-----。編集長。

 他のマスコミ並みに抑えて。

 書いてくれるようにお願いしたいんだが。

 どうかね」本沢。

 向こうも。

 「それは分かっている。

 君が知っていることは-----かね。

 それも困るよ。

 知りすぎているからね。

 編集長は。

 誤解のないように頼むよ。

 -----。

 祖寺で勝手の書いたことにすれば。

 それも困るよ。

 以前からの取材の内容をかね。

 ダメだ。頼むよ」本沢。

 「何せ他社に出し抜かれた上に。

 まだ載せるなですからね」リョオ。

 弥生も残念そうに。

 忙しい仕事の合間に

暇を見つけてせっせと通い詰め。

 本沢にインタビューしたデータはごまんとある。

 堆星のインタビューも取ってある。

 それを出せば。

 データーもそろっている。

 もちろん編集長へは

既に送りつけてあるモノも。

 それを書くな-----か。

 「真実を知らせる義務がある。

 しかしだね。-----。

 誤解を招く恐れ。

 それはあるか。

 それは困るか。

 じゃあ。これならどうかね。

 陸川君たちも。

 他に先に出させて。

 それから出すというのは。

 一日遅らせて。

 -----。

 それならいいかね」

 本沢は陸川に確認を。

 「それなら大丈夫ですか」陸川は防衛省へ。

 向こうも渋々納得したようだ。

 本当に渋々だろうか。

 このようなモノの判断は。

 学者の間でやればいい。

 それには早くテレビにでも。

 ネットにでも出してもらって。

 そちらでやってもらえれば。

 そう思っているのでは。

 そう思われる節もある。

 そうすればどこかから

〇〇サイエンティストでも現れて。

 ガイグを倒す方法でも。

 これはないか。

 その手のキワモノ映画じゃあるまいし。

 しかし-----それなら一刻も早く

出した方がいいのでは。

 いや、やはりそれは-----都合が悪いか。

 「それでテレビでは何と。

 詳しい内容は。

 わかるのかね。-----。

 私に言われても。-----。

 録画してあるからそれをDVDに。

 誰かに持って来させてくれる。

 それはありがたいですが。

 -----。

 それじゃあそれを検討して。

 堆星君とも。

 そういう事で」

 電話を切る。

 「編集長に乗せられたかな。

 結局こちらが原稿を書くことに」本沢。

 「仕方ないですよ」堆星が。

 数十分後。

 届いたDVDには。

 本沢はじめ堆星も。

 陸川たちも。

 「アッチャー。

 やってくれるなあ。

 どこもむちゃくちゃな内容だ。

 これは」堆星。

 「どうしましょう」リョオ。

 「どうせ漏らすのなら

もっとマトモな内容のモノを

出せばいいのに-----全く」

 「漏らした者は専門家ではない

という事でしょうか」

 「しかしテレビでこんな事を言われたんじゃあ」堆星。

 “後で何を言われるか”

 「これは-----どうしても先生に」弥生。

 堆星も本沢も渋々。

 「ですが-----一日遅れとは」

 「それはそうだ」リョオ。

 しかし堆星自身がインタビューに応じてくれるのならば

おつりがくるかも。

 ネットに乗せるデーターも資料も

堆星が選んだ。

 解説付きのモノだ。

 足りない部分は補足する。

 一般読者向けのわかりやすいものだ。

 公表するデーターも数枚のみ。

 あまり難しくすると学術論文のようになる。

 それはまた別に載せればいい。 

 編集長にネットで送り

意見を聞く。

 陸幕の陸川が防衛省へそれを送り

何か待っている。

 しかし堆星は得られた

ガイグ関係のデーターは

インターネットへ載せている。

 全てではないが、いくつかは。

 それを検索すれば

ある程度の情報は得られるのに。

 マスコミも。

 まあデーターの山だし。

 何の解説も付けずに

他の研究者の意見を求める内容となっている。

 第五周期という言葉も

使ってはいないし-----

まあそういう事だ。

 下手にインターネットに

おかしなことを書き込むと。

 今まではそれで押さえてきた。

 防衛省からの返事が来たらしい。

 陸川が。申し訳なさそうに。

 「ガイグも迫ってきていることですし。

 すぐにネットに乗せていただけませんか」

 「エッ。

 いいんですか」弥生が。

 「どうもその方が」陸川。

 「向こうもだいぶ混乱しているようです」

 ネットにあげれば

ガイグ対策の役に立つ

とでも考えたのか。

 編集長はすぐにでも配信する気だ。

 もちろん。

 弥生が堆星に。

 インタビューも終わり。

 フト弥生は。

 実験室内のガイグの肉片を。

 「エッ?

 堆星先生」

 弥生が気付いた。

 「何かね」堆星。

 「どうやってあのガイグを

切ったのですか。

 確か」

 全員顔を見合わせた。

 「そういえばメスでもきれなかったのに」陸川。

 「ミサイルが命中しても

カスリ傷一つ付かなかった。

 それを」空幕の幕僚。

 「もし切り刻む事が出来れば。

 奴を。

 ガイグを倒せるのですね」陸川。

 「あの箱の中にその秘密が」本沢も。

 テレビによると

ガイグは東京へと。

 海自が阻止行動に入っていた。

 「艦砲ではダメだろう」

 「-----」

 全員テレビに見入っていた。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ