初陣後
その後、目の前がまた暗くなり僕は周りが真っ白の部屋に戻った。
『お疲れ様でした。思ったより楽勝でしたね。もう少し時間がかかると思いましたがあんなすぐに魔法を取得するなんてびっくりです。』
とミラが話しかけてきた。
たとえどれだけ恐れられている魔王でもこのチートみたいな能力を持っていたら余裕で倒せるだろ。
『そんなことありませんよー?多分…。』
なにその多分。僕と同じ世界でゲームをしたことのある人なら簡単だろ。というか僕の思ったことをそのまま読み取るの不思議だからやめてくれ。
『簡単だと思うなら同じシチュエーションで他の人を試してみますか? それはそれはすいません。意識しなくてもあなたの心で思ったことが言葉に発しているように聞こえるのでね。』
そんなことを言われたら試してほしい気もするがもし僕以上の使い方をされたら僕の心が折れないこともないからやめておこう。
『いい。遠慮しておく。じゃあ俺の喋ったことだけを聞いたと思ってくれ。』
『そんな照れなくてもいいのに。わかりました。では、あなたが発した言葉のみを聞いたと捉えますね。』
『だから喋った言葉以外悟るなって…。』
つい口から言葉が出てしまった。
もう心で考えるのをやめよう。
『いや今のはついね?許してくださいよ。あ、それでは明日からこの世界を満喫してください。さっきのあなたが使った魔法は使えるようにしとくのでささやかな気持ちとして受けとって下さい。』
『急すぎるぞ話の展開が。てかそのチート残しとくのかよ。』
そこで視界がまた暗くなっていった。
『待てよ!聞きたいことがま…』
聞きたいことがまだあるんだよ…。
途中で切るなよ。
唐突すぎんだよ。
てか明日からってどういうことだよ。
そうこう考えてるうちにまた視界が暗くなった。
目が覚めた。周りを見渡すと寝た時と同じ風景。現実世界に戻ったのだ。
『なんだったんださっきの夢は…。』