翡翠(カワセミ)の止まり木亭と風の旅団
1年以上ぶりです、お久しぶりです作者です
くたばっては居ません、大丈夫な筈です
とりあえずくどくどと前置きはしません
お待たせしました
第9話 翡翠の止まり木亭と風の旅団
お楽しみください。
トコトコと町中を歩き進めていく
門を過ぎたばかりの所は食べ物屋さんが多かったけど
奥へ進むほどに、
雑貨屋さんや道具屋さんなんかが増えてきた
通りに面した道具屋さんのショーウィンドウには
鮮やかな緑色や青色の液体が入った瓶が並んでいる
あれがHPポーションとMPポーションだね
色から見ると、上ポーションかな
まぁ、一応まだ貰ったポーションが残ってるし
買い足しの必要は無さそうだけどね。
更に町のなかを進んでいくと
お店屋さんから、普通の住宅街へと変わっていく
流石に魔石灰作りではなく普通に木造みたいだね
通りに面したベランダには洗濯物が干されてたり、
鳥籠がぶら下げられたりしていたり
花壇に植えられている明るい色の花々が通りの賑やかさに一役買っている。
「はやてさん!銅貨5枚は流石に出しすぎですっ!」
あっ、まだ気になってたんだあの事。
「う~ん、って言われてもお金は潤沢にあるし
なにより、大切な仲間に万が一でもあったら嫌だからね」
「むぅ、そんなのズルいです...」
あっ、むくれてるそしてなぜか顔が赤い。
段々と、屋台が増え観光街の装いを纏う町並みは
にわかに賑やかで、入り口辺りとはまた違った雰囲気を漂わせていた。
いろんな店先から漂ってくる匂いに
ゆみさんがトタトタと引き寄せられるのを見つつ
ゆっくりと先へ進んでいく。
両端の商店が切れると、目の前には小高い丘の上に
純白に輝く旧中央議会場が建っている
丘を囲うようにして道は円を描いてその先へと伸びている
たしか、ギルドで聞いたカワセミの止まり木亭は
この道沿いだったはず。
にしても河の中洲にこんなに大きな丘があるなんで
土地の成り立ちを少し見てみたいな....。
「ゆみさーん、止まり木亭に向かいますよ~」
フラフラといろんな出店に引き寄せられていた
ゆみさんを呼び戻して、道を進んでいく。
どうやら、旧議会の周りの道は宿泊場所が
密集しているらしく、猫の額亭やらリスの頬袋亭やら
いろんな宿が立ち並んでいる
にしても、なんかこう気の抜けるネーミングというか
宿の名前ってちょっと特徴的な物が多いだろうか?
大通りから宿の立ち並ぶ通りに入って5分くらい歩いた所で
カワセミの止まり木亭へと着いた
看板は宿の名前そのまま、
止まり木にカワセミが止まっている木彫りの立体彫刻が
軒先から街道へと突き出している。
宿の戸を開けると扉につけられたベルが
涼やかな音を立てて鳴った
「ようこそ、カワセミの止まり木亭へ
ご予約はお有りかな?」
「いえ、予約はないんですけど
ギルドでおすすめされたので....」
「ふむ、そうか
あいつだな。」
宿に入って対応来てくれたのは
若草色のシャツに淡いオレンジのスカートで
エプロンをした女の人、何だか安心できる感じがある
「1泊赤貨6枚、
連泊するなら5日毎に赤貨2枚割り引くよ」
うーん、どうしようかな?
まだ何を目標にするかも決めてないし。
「ゆみさん、何泊します?」
「私は何もわからないのでハヤテさんにお任せしますよ~」
おまかせね、うーんそうだなぁ........
「......じゃちょっくら、体動かすかな」
「そうですね、そうしないと体訛りますし」
「気をつけなさいよ?あんた達の『運動』の余波だけで
橋が壊れたことだってあるんだからね?」
んー?何泊......
「んじゃ、リズちょっくら運動してくっから鍵預かってもら.....
って、ハヤテじゃねぇか!」
「ん?えっとじゃあ15日ぶ.......って、あれ?
ガルトスさんと風の旅団の皆さん、何でここに?」
「いや、そりゃこっちのセリフだ」
「僕達はギルドでおすすめ聞いたら、ここを紹介されたので
来てみたんですけど。」
「ほぅ、ギルドでか。なるほどな
俺たちはなレーンの町ではここが定宿なんだわ」
へぇ、風の旅団のみなさんの定宿かぁ
それなら、安心できそうだな。
「ん?何だい、あんたら知り合いかぃ
世の中は狭いもんだね、で15日分かい?分かったよ
部屋は同室で良かったかい?」
「はい、15日分でお願いします
部屋はそうですね、同室で.....?
同室で良いわけないじゃないですか!」
「何だい、そうなのかてっきり夫婦か奴隷かの
どっちかだと思ったよ。」
リズさんに言われた言葉に少し戸惑いを覚えながら
ふと、ゆみさんの方を向くと頬を膨らませて怒ってらっしゃる
なにか、怒らせるような事しましたかね、僕は。
「とりあえず、あれだ今夜は一緒に飯でも食おうや
こうしてまた会えたんだし、ここの宿の飯は逸品だぜ?」
「おぉ!それは期待できますっ、ではお言葉に甘えて
夕食はご相伴に与ります。帰ってきたら、知らせて下さい。」
「おぅ!じゃ、リズ鍵よろしくな」
ガルトスさん達は鍵を預けると軽く準備体操をしながら
宿を出ていった
「さて、部屋が二つというと料金も倍になるが
それでも良いかい?」
「はい、それで大丈夫です」
「んじゃぁ、えーと?15泊で部屋が二つだったな
ということは銀貨1枚銅貨が6枚と赤貨8枚だな」
「銀貨2枚からお願いします。」
「あいよ、それにしても随分懐が暖かそうだね
気をつけなよ?物盗りもいるからな
まぁ、うちは安全だから安心して大丈夫だけどね」
お釣りと鍵を受け取って、片方の鍵をゆみさんに渡す
カウンターの横の階段を上ると
漆喰の壁と木で造られた扉が並ぶ風景が広がっていて
その光景はどこかノスタルジックで異国情緒漂うものがある
まぁ、異国情緒というか異世界そのものなんだけどね
部屋は2階の三階へと続く階段よりの二部屋
部屋に入るとベッドと大きなテーブルが一つ
壁には大きな窓があって、そこからは中央議会が良く見える
部屋はすごく落ち着ける雰囲気で心地が良さそうだ
とりあえず装備を枕元においてベッドに腰掛けていると
部屋の扉がノックされた。
「はやてさん、ゆみです、少しいいですか?」
「どうぞ~」
ゆみさんは部屋へ入って椅子に座ると少し膨れてこういった
「はやてさん、私は貴方の守り手でもあるんですよ?
それなのに別の部屋とか!」
「まぁ、守り手かもだけど
その前にまず女の子として男と同室はどうかと思うよ?」
そういうと、またしてもシュンと項垂れてしまった
「さて、じゃゆみさん今後の事なんだけど
一緒に考えて貰えるかな?」
一応、あゆみも見つけなきゃだし
アマテラス様からお願いされた魔王もどうにかしなきゃだし
やる事がそれなりにあるなぁ。
どうでしたでしょうか?
一応、去年中に掲載できればと頑張ったのですが
年を越してしまいました。
反省です。
ことしは、もう少しペースを上げられるように頑張りたいです
毎度ではございますが、誤字·脱字等ありましたら
ビシバシとツッコミお願い申し上げます。
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