ゆみさんの防具選び
5か月ぶりの更新となってしまいました.....
またまた、あいだが長ーーーく空いていまいましたね
お待たせして申し訳ありませんでした!
それでは、8ゆみさんの防具選び
お楽しみください♪
「ユミさん、酒場のご飯は美味しかった?」
「はい〜、満足ですぅ〜♪」
ギルドを出ると、入った時はまだ低かった太陽が
昼過ぎあたりの高さまで上っていた
まぁそりゃお腹が空くよね、お昼だもん。
「じゃあ、お腹も満たされたところで宿を探そうか
しばらくの僕たちの拠点となる所だね」
「ですね、拠点は大事ですっ!」
一応、ギルドで宿屋の聞き込みはしておいた
ご飯が美味しくて、尚且つあまり高くない所と言う条件で
受付のお姉さんが言っていたのは
翡翠の泊まり木亭と言う宿がオススメだそうだ
翡翠の泊まり木亭はギルドから街の中の方向
ちょうど、旧中央議会の入り口辺りだと言う
こうやって町中を歩くと、異世界へ来たっていうのを
はっきりと感じられるね
すれ違う人たちが着てるのは皮の鎧だったり、鉄の胸当てをしていたり
髪の色は薄いピンクや、黄緑色。
むしろ黒眼黒髪が珍しい位で、すれちがうと結構な頻度で振り向かれる。
「すれちがう人の装備を見てて思い出したけど
ゆみさんの装備を揃えないとね」
「私の装備ですか?」
そういって首を傾げるゆみさんは、名付けの儀で獣人化したときに
来ていた所謂、初期装備のままだったりする。
「装備は特に必要ないですよ?
一応は神獣なのでそれなりにダメージ制御はありますし」
「あのねぇ...、ゆみさん?
慢心は何よりも危険なんだよ?」
と言うことで、宿屋に向かう道中でゆみさんの装備を揃えることに
武器屋と防具屋を探さなきゃだね。
街中を歩いていると、白い建物群の中に
ぽつんと目立つ黒い建物が2件
覗いてみると武器屋さんだった。
見る限り、お店の造りは石だね
黒だけど沈みすぎて無いっていうか
扉を開けて入ってみる
壁際には長物の得物が横に並ぶように掛けられていて
その下には、短剣なんかがカウンターに並んでる
「あや、こんな所にお客さんですか。珍しい事もあるものですね。」
店内を見回してたところに店の奥から人が出てきた
猫人さんなのだろうか?
ピコピコと動く耳に、ゆったりと揺れる尻尾
顔立ちはどこか愛嬌のあるそれでいていたずらっ子の様な
感じの獣人さんだね。
「えっと、やってますか?」
「はい~、一応営業中ですよぉ~♪」
なんだろ、この気の抜ける感じは....。
それにしても閑散としてるっていうか、お客さんが僕らの他に居ないね....。
「あの、この子の防具を見繕いたいのですけど
おすすめとかありますかね?」
「あ、はーい。
ご予算はどのくらいですかぁ~?」
「んー、そうですね銅貨5枚位ですかね?」
「ハヤテさん!?それはちょっと盛りすぎな気が....
銅貨5枚もあれば3ヶ月は生活できますよ!?」
突然のユミさんの発言に耳をピンと立てて
店員さんは様子を伺っている
「うーん、でもね?ユミさん。
やっぱり命には変えられないよ、
一応資金もそれなりにはあるから」
「でもっ!」
「ユミさん?」
「うぅ、分かりました。」
尻尾をシュンと落ち込ませて、渋々納得してくれたのかな?
「では、銅貨5枚前後でお願いします。」
「はい畏まりました~、そうですねー
銅貨5枚前後ですと、こちらの銀の装備辺りですかね
見た目も美しく、それに軽くて丈夫なのが特徴です」
ふむ、確かに見た目はすごい綺麗だね
輝いて見えるっていうか、高級感がある。
細かく施された装飾が、可憐さを醸しだしていて
尚且、それなりに丈夫だと言うからこれが良いかな?
「ゆみさん、銀の装備でどうかな?
見た目も良いし、似合うと思うけど...?」
「でも、やっぱり...」
「あのね?ゆみさん防具に妥協すると
今後絶対に悪影響を及ぼすから!!
その時に、あぁ防具に妥協しなければ良かった
なんて言っても、後の祭りなんだよ?」
「もぅはやてさんの好きにしてもらって良いです~。」
あ、なんか機嫌が悪くなってる。
とっと決めて、宿屋にいった方が良いかな?
「じゃぁ、銀の装備セットでお願いします。」
「はーい、畏まりましたぁ~。
こちらで装備していかれますか?」
銅貨を渡しつつ、装備を受け取ろうとしたら聞かれた。
う~ん、このあとすぐに宿屋だけど
サイズ合わせ的な意味も含めて、してった方が良いのかも。
「ゆみさん、防具なんだけどサイズ合わせも兼ねて
一度着てみて貰えると嬉しいんだけど.....。」
「ブー、分かりましたよっ。」
すっごい膨れっ面してる、これはこれで可愛いな。
試着室へと入っていくユミさん
尻尾が力なく垂れている
数分後、試着室から出てきたユミさんは
見違える程かっこよくなっていた。
銀の装備は身体の要所をしっかりとガードし
そして、眩しいほどにかがやいている
いつもは纏めていない髪は、
しっかりとポニーテールを形作り
外見だけならばかなりの実力のある剣士に見える
「ユミさん、どこかキツイところとか無い?
軽くジャンプをしたり、剣を振る仕草をしたりして
確かめてみると良いかもね。」
そう言うと、その場でピョコピョコと飛んだり
腕をブンブンと振ったりする、可愛い生き物は
まさに眼福そのものであった。
「んー...そうですね、少し胸の辺りがきつい気がします
あとは、大丈夫ですね。」
「ふむふむ、なるほどなるほど。
では、少しこちらへお願いしますねぇ~
あっ、殿方は来ちゃダメですよ?」
そういうと、店員さんはユミさんを連れて奥へと入っていった。
改めて見回してみて思うけど、ファンタジーその物だよねこの光景。
店内のテーブルには短剣とか、弓矢とか
日本じゃ考えられない風景だよ。
本当に異世界に来たんだね、そういえば愛弓はどうしてるだろ?
そんなことを思ってるとユミさんが戻ってきた
「お待たせしましぁー、手直しの出来上がりは大体2日前後ですので
その頃にまたお越しくださいねー、代金もその時で大丈夫ですから~」
手直しの時間、結構かかるねやっぱり。
まぁ、しょうがないのかな?
「分かりました、では明後日またお伺いしますね」
お店から出ると町の中心の方向へ歩き出す
さぁ、今度こそ翡翠の止まり木亭へ行こう!
如何でしょうか?
ゆみさん、意外に強情っ張りでしたね
そして、それを宥めるハヤテくん大変そうです。
毎度毎度のお願いではございますが、
誤字·脱字等ありましたら、
ビシバシッツッコミお願い致します
感想、レビュー、ポイントで作者のやる気は800%
次回、9 翡翠の止まり木亭と風の旅団 お楽しみに♪