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スキルもレベルもありました。

――スキルもレベルもありました。


さすがファンタジー。何これすごい。



あれから、1週間くらい経ちました。くらいって云ってもきっちり7日目ですが。

毎日のように水汲みを頑張ってます。朝起きて水汲み。夕方とかに足りなくなってないか聞いて回って水汲み。


あとは、ちょいちょいちびっ子の子守り?が入るくらい。

あとは荷物持ちとかそういうの頑張ってます。一週間だけど、ちょっと体力ついてきた気がする。


村の人たちには、ハンナさんを初めみなさん優しくて感動の毎日です。

みなさんの俺への呼び名が“おい、水汲み”っていう事意外は、ね。


まあ、そんな事よりスキルとレベルですよ。流石ファンタジー素敵だね。

事の始まりは、晩飯中のダニロさんとの会話でした。


「そういえば、精霊様とか精霊都市群とあるって話ですけど、魔法とかそういうのあるんですか?」


我ながら、頭の悪い質問だなとは思う。これでもけっこう考えたんだ。

精霊様とかあるファンタジーなら、魔法とかありそうだな、と。いや、何云ってんのって顔されたら、おまじないとかそういうのですよハハハって誤魔化そうと思ってたのは秘密だ。


「魔法?ああ、精霊魔法の事か?そりゃあお前、よっぽど精霊様に好かれるか、長い間の祈れば、出来るんじゃないか?」


どうやら、魔法はあるらしいです。

かいつまんで説明すると、精霊魔法ってのがこの辺では有名ってかメインだそうです。

精霊に気に入られて交流を持つと、その力を借りて行使できるようになるらしい。

でも余程レアなケースだそうです。期待に満ち溢れた目で話聞いてたんだけど、いきなりやってきたお前じゃあ無理だろうガハハって笑われました。ガハハって……。


あとは、これが一般的なんだそうなんだけど。日々の供物(精霊が気に入るもの)を捧げて祈りることにより、気まぐれに精霊が願いを叶えてくれるんだと。

でもこれは、目的が難しいらしい。世俗的な、たとえばお金が欲しいとか、誰々が俺のことを好きになって欲しい、とかそういうのはほぼ叶わないらしい。


あくまでも精霊が出来る範囲で、気まぐれに叶えてくれる……って事なんだそうだ。

正直、使えるのか使えないのかわかんない魔法だな、とは思う。なんでも、内容じゃなくて日々精霊に感謝して、それに精霊が答えてくれるって事が大事だと、ダニロさんは笑ってた。


なるほど、と思う。何でもいいけど、精霊が自分の事を見てくれてるってきちんと意識できるって、考えようによっては素敵かも知れない。



ああ、そんでスキルとレベルなんだけど。

なんでも、大きな街に行けばやっぱりあるんだそうです。ギルドが。そう、冒険者ギルドってヤツです。


そこで冒険者として登録すれば、冒険者証明書を発行してもらえて、その時にスキルとかレベルとか調べてもらえるそうだ。

これはいよいよ俺のチート伝説の始まりかな。二刀流とかチートスキル覚えちゃうかな~とか思ってたんだけど。

なんか詳しく話を聞いてると、どうやら俺の予想の斜め下だった。


レベルってのはあくまでもギルド側が、これが出来れば、このモンスターが倒せれば、このくらいのレベルって決めてるだけらしい。

別にモンスター倒したから自動で経験値ゲットして、レベルが上がりましたヒャッハーてのはないそうだ。残念。


じゃあ、スキルは?っていうとこれも自動で覚える訳じゃなくて、ギルド側に申告して、その申告が通れば晴れてスキルゲット!冒険者証明書に記載されるって仕組みだそうです。


なんか、まあ、わかるけどさ。蓋開けたら、現実が転がってました、ちゃんちゃんって感じだ。

でも、有用そうな新スキルを見出せばそれで一生飯食っていけるらしい。

なんか著作権とかいっぱい開発してる現代のアレみたいだな……。


兎に角、スキルとレベルに関して、そんな感じらしい。

最低限のスキル:冒険者っていう冒険者になるならもってろってスキルは、大きな街で研修みたいなの受ければ教えてもらえるそうだ。


そのうち機会があれば、是非その研修を受けて冒険者になりたいもんだ。

まあ、今の俺の体力じゃあ難しいかもだけど。


あとはお金さえあれば、そういうスキルを教えてくれる道場?私塾みたいなところにこまめに通うってのもアリだな。


そして、ダニロさんが冒険者証明書を見せてくれた。

なんでも若い頃は冒険者だったらしい。顔の大きな傷は冒険者時代のモノらしい。


で、冒険者証明書である。なんか銀色のちょっと大きいドッグタグみたいな形してた。名前とかスキル、冒険者レベルが記載してあるそうな。

そしてここでひとつ重大な事に気付いた。

なにを今更ってなもんなんだけど、俺、この世界の文字読めない。むしろ、なんで普通に話が出来ているんだろう。

よくよく考えてみれば凄くおかしい。


でもまあ、なやんでもよく分からなかったので気にしない事にした。

そもそも今の状態もよく分からないのに。さらに謎が今更増えてもねぇ……。


そしてこの世界の識字率だが案の定、あまり高くないらしい。

なんとなくは読めるけども、自分ではきちんと書けないって人が結構いるらしい。


ただ冒険者はそこら辺きっちりしてて。文字の読み書きが一定以上の冒険者には必要なスキルなんだそうだ。

まあ、冒険者もレベルが上がっていけば、表舞台に出ることになるんだろうし。一定以上の社交スキルも求められるんだろう。


そして、案の定というかなんというか、ダニロさんも昔はそこそこに名前の知られた冒険者だったそうだ。

いまでこそ狩人みたいなことしてるけど、冒険者時代は狙撃の出来る斥候職みたいな事をしていたそうだ。


興味があるなら、森歩きの時にばてなくなったらきちんと教えてくれるそうだ。

斥候って事は、危機感知とか索敵とか?うんなんか面白そうだ。兎に角なんでもいいから今は吸収していこう。







そしてさらに一週間が経ちました。

水瓶に水汲みして、村の中で雑用をこなす日々を相変わらず送ってます。


ちょっと体力的に慣れてきたかなーって思うので少しだけ筋トレ的なものと走り込みをするようになりました。

そして気付いたことがひとつ。

こっち世界来てからだと思うんだけど、なんか凄い順応力って云うんだろうか?体力とかそういうのが上がりやすくなってる気がする。

だって、普通に考えて体力とかってこんな早く身につかないと思うんだ。


これが俺のチートスキルか……。

人より早く育つ……みたいな?行ってみれば必要経験値が少ない、とかそういう類のスキルなんじゃないかと思う。


や、レベルがある訳じゃないんだろうけども。

でも、やればやっただけ能力が上がってる気がするのって、ホントに気持ちいいね。



……そう云って調子に乗ろうと思ったんだけど、どうやら体力とかがちょっと上がりやすいだけで、他のことはそうでもないみたい。


予定より早く体力がついて、ダニロさんについていけるようになったんで、森の中でモンスターの探し方とかそういうモノを教えてもらったんだけど、お前才能ないってぶった切られました。酷いや。


なので、ひとり寂しく基礎体力とか筋力向上に励む事にしました。

不貞腐れようかと思ったんだけど、この先どうなるかわかんないし、体力の上昇はなんとなしに感じるんで、これだけでもしっかり頑張ろうかなってね。

結果が見えてるものを頑張るって気持ちいいと思うんだよね。

ちまちまっとモンスター倒してレベルアップする感覚に近いかもしれない。

でもこれって、チートスキルっていうよりそもそもスキルじゃなくて、THE・気のせいってヤツかも……。



そんな事をしながら、日々をすごしていたら、ついにクルトさん達村の若い衆がそろそろ帰ってくる時期なんだそうですよ。

村の中ではけっこう認めて貰えて来たかなーって思ってた矢先なので、凄くドキドキです。



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