第六話 ラピス・ラズリーコンビ!
サブ題、今までと違う風にしました。と言ってもこれしか思い浮かばなかっただけですが……。
頭が混乱した。あまり頭の回転が速くないので、意味がすぐに解らなかった。状況を整理しようと、深呼吸した。まず浮かんだ疑問は三つ。なぜ、ドラゴンが俺の知っている人間なのか。どうして、暴れていたのか。それに、ドラゴンの母親だと言ってる人はどこから来たのか。の三つだった…。それを、一メートルぐらい離れている、女の人つまり自称ドラゴンの母親に聞いてみようとした瞬間…、
「自称じゃないのよ、本当のことだから。」
「へっ!?」
驚いた。考えてる事が筒抜けなのか?と思いながらちょっと目を見開いた。勘違いなのかもしれない…またナトリーさんの時みたいに少しばれただけだ。筒抜けじゃない……よな?気づくと聞こえない声で、問いかけていた。
「筒抜け…。まあ、置いといて…、泉君の疑問に答えるね。」
「いやいやいやっ!そこ、置いとく場面っ!?」
「じゃあ一つ目、この子があなたの知っている人間なのかどうかね。」
「無視っ!?」
俺の発言が無視され、勝手に話が進められていった…。一つ目の疑問は、目の前のドラゴンはワイバーン(例)のような竜と違って、知識が格段に上らしい。そのうえ言葉が話せ、人間に化けることが出来ると言う。人間になるのは気分しだいだそうだ。だが人間になれる仕組みは、まだ解明されていない。ドラゴンたちも知らないそうだ。 結論:昔会った人物は、人間に化けていたドラゴンでした……。
「わかった?」
「いやっ!全然、解かんねえよっ!!」
「じゃあ、次ね。暴れていたのはね…、」
「また無視っ!?」
またもや無視され、話が勝手に進んだ。二つ目の疑問は、生き物はたいてい怒りが、一定以上でかくなると、怒り狂い、自我を失い、力の限り暴れだすのだと言う。ドラゴンも例外では無いのだが、ドラゴンは基本的冷静なので、稀だ言う。そして、目の前のやつも感情的になるには条件が無さすぎた。つまり、幻術をこのドラゴンにかけたと言う推測だ。 結論:暴れたのは、魔術を使える魔族が原因……。
「わかった?」
「…解んねえよ!」
「そっか。じゃあ、次ね。私がどこから来たかはね…、」
「またまた無視っ!?今、一瞬答えたのにっ!?」
今回、三度目の無視をされ、話が進む。三つ目の疑問は、すうっと幽霊みたいに現れたのは、死んでるも同然だったかららしい。そして息子の危機を察知して、手段として俺の脳につなげて語りかけたらしい。その時から、ずっと見てきたと言う。そして、俺の傍にずっといた……もしくは、俺の中に目覚めたらいたらしい。その時は一週間ぐらい前じゃないかと言っている。 結論:この自称ドラゴンの母親は、俺の中から来たらしい……。
「わかった?」
「……わっかんねええよっ!!!」
「むう。そっか、残念。」
「ってか、簡単に言って!!いいから!」
「つまりね、まとめるとね。このドラゴンは、あなたと遊んでいたラズリーでね。んでそのラズリーの母親が私。ドラゴンの母親って事はとーぜんっ!私はドラゴンで、今は泉君の剣ですっ!」
「なんだってええ!!??」
「また、同じようなリアクション!つまんないよ!泉君!!」
「…………何でだよっ?」
「あ、いてっ!」
ぷうっと、膨れなが意味の解らないことを言う自称ドラゴンの母親。俺はそれに何故かツッコミをしてしまい、俺のチョップ(軽く)を受けた自称ドラゴンの母親は、頭を押さえていた。
「…ねえ、名前教えてくんない?」
「つぅ…何で?」
「いや、自称ドラゴンの母親は長いから…。」
「それで、呼ぼうとしてたのっ?まあ、いいけど。私は名前がないの…。付けてくれる?」
「…はいっ!?」
俺より背が低いため、上目使いで頼んでくる自称ドラゴンの母親(ホントに長いな…)。見た目が若い所為か……何か、かわいいぃ……。
「じゃ、じゃあ……」
「冗談よっ!面白いねっ!泉君って。」
「………からかうなっ!」
「いてっ!……ごめん。」
しゅんとする自称ドラゴンの母親。……かわいいぃ。
「で、本当の名前は?」
「…ラピス。」
「ふーん。ラピスねえ。」
「「二人合わせてラピス・ラズリーでっすっ!」」
「なるほどー。って、そのまんまじゃねえかっ!!」
「いてっ!」
「あたっ!」
「ん?」
ふざける二人にツッコミをする。ん?二人?
「つぅっ!……あら、ラズちゃん!」
「いてて。母さん…久しぶり!」
「正気に戻ったのね…いつの間に?」
「母さんと泉が、漫才をしてる最中だよ。」
「漫才じゃねえよっ!!」
「あら…そう?そんな前から。」
「無視すんじゃねえよ!」
「いたっ!」
ラピスにチョップを喰らわせる。ちょっと涙を浮かべながらラピスが笑う。
「泉、性格変わったね。」
「お前もだろ、ラズ。昔は、あんなヤンチャだったのにさ。大人しくなっちゃって…。」
「泉はその逆だけどね。」
「うるせえ…!」
「ふふ。二人とも普通に話して。」
「「あっ……。」」
くすくす笑うラピスに、ちょっと顔を赤らめながら笑いあう俺とラズ。
「久しぶり……ラズ。」
「うん。久しぶり!これから、一緒だね!」
「…ねえ、もう行った方がいいんじゃない?」
「…へっ?………あっ、ああっ!!!やっべ!!」
「えっ?えっ!?どうしたの!?」
もう辺りは暗くなりかけている。この世界と地球の時差はない。と言うことは、もうご飯を作らなければ……(ガタガタガタ)
「どうしたの?泉?震えてるよ?」
「早く行きなさいよ。」
「あっ、ああ。」
俺は、自分の部屋を思い浮かべる。そして白い光が俺の体を包む。
「勇者様~~~~~!!どうなったんですか~~~!!ってえええっ!!?」
「あっ!フェルだ。」
「またですか!!!」
「じゃあなっ!」
「聞いてくださいよっ!!」
俺は、フェルを軽く無視し転移した。一瞬の瞬きをした後、風景は俺の部屋となっていた。
「ふう。帰ってきたな。さっ!ご飯作らないとっ!」
「へえ。これが、泉の部屋かぁ~~!」
「そうよ。殺風景でしょ?」
「………はっ?」
振り返ると、そこにはありえない人物が二人もいた。
「早くご飯作らないと、怖い妹さんに怒られちゃうのにいいの?」
「えっ?怖い…妹さん…?」
「……………………なっ………なんで……お前らがいるんだあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
サブ題、泉入れて「ラピス・ラズリートリオ!」でもよかったんですけど…。
あと、フェルの扱いが雑になってきてますね…。
泉 「フェル、ごめん!……ついっ!」
フ 「わざとですかっ!?ひどいです!勇者様っ!!」
泉 「……からかいがあるな、お前って。ぷっくくくくっ!」
フ 「笑わないでくださいっ!!」
と、いう風に……。
感想待ってます!