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第一話 勇者、誕生。

長いかもしれませんが、読んでくれたら幸いです。(オリジナルストーリーです。)

「はぁ!?俺が勇者!?」

「はいっ!あなたが、天から舞い降りたってことは、勇者に違いありません!!」

「いやっ、それは…。」



 舞い降りたってか、落ちてきたんだけどなぁ…。そういや、この子年下みたいだけど、タメ口でいいのだろうか?どうすればいいんだろう。ついさっきまで、学校だったのに。



「一つ聞いても、いいか?」

「はいっ!なんでしょう?」

「俺は、家に帰れるのか?」



 こういう場合、ゲームや漫画などでは、帰れないからなぁ。聞かないと…もっとも重要なことだ。



「帰れますよっ。」



 帰れんかい!少し、帰れないことを期待した俺がバカだった。帰ったら、怖い妹が待っているし。いや前、妹にだまって友達の家に遊びに行った時、こっちまで来て、私に断りなく出て行くとはどういう了見なのかしら?っと怒られたな。後ろに何か怖いものが見えた気がした…。そう思うと、帰ったほうがいい。うん……そうしよう。



「帰りたいんだけど…。」

「わかりました。じゃあ、このペンダントをつけといてください。これは、行きたい場所を願えば転移できます。」

 


 やけに、すんなりと…。このまま、こっちに来ないというのも手だが……、この子を見てると帰ってこないといけない気がする。こっちに。



「わかった。じゃあ、今日の四時に。」



 四時からは、妹が唯一いない時間だ。この時間なら、来れるな。



「わかりましたっ!待ってます!」




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




「こうらああああ!何やってたんだっ!野ノののはらあああ!!」



 ちぇっ!熱血教師か…。


「はあい、すんません。教官。」

「誰が、教官だーー!」



 教室中からクスクスと笑い声が聞こえる。



「…。もういい、席につけっ。」



 この教師が、笑われることは嫌いなのは、皆よく知ってる。



「どこ行ってたんだ?いずみ。」

「ちょっとね…。」



 言えない、異世界に行っていたなんて…。



清原きよはら、ノート見さしてもらってもいいか?」

「いいけどよ、いい加減、和輝かずきって呼べっ。」



 こいつ、清原 和輝は、俺の幼馴染であり親友だ。まあ、高校まで一緒だとは、思わなかったけど…。



「あと、今日は買出し行かなきゃならないし、先に帰るから。ごめん!」

「了解。早く前向けっ。熱血教師にまた怒鳴られるぞ。」

「はいはい。」



 今日は大忙しだなっ。疲れるな、きっと。授業が終わり、親友と別れ、スーパーに行った。



「えっと、今日の特売は…、ってこれ、専業主婦のおばちゃんみたいだな…。」

「みたいじゃなくて、そうでしょ?」

那奈美ななみ!」

「よっす!」



 羽風はかぜ 那奈美は、俺の友達だ。知り合ったの、中一だっけか?たしか、あっちから声かけてきて…、



『君の髪の毛って不思議な色してるね。』

『笑うなら笑えよ。』

『笑わないよ…。だって綺麗な色だもん。』

『えっ…?』



 俺の髪を、褒めたのはこいつだけだった…。俺の髪は、瑠璃色をしている。外国人でも、こんな髪色はいないため周りから敬遠されていた。今もなんだが…。そんな中で、気にせず話しかけてくれたのが、和輝と那奈美だ。二人には、本当に感謝している。二人に出会わなかったら、俺ずっと一人だった…。



「泉?どうしたの?特売終わっちゃうよ?」

「えっ?あ、ああ……っ!いっ…けね!!」



 しまった!昔のこと思い出してた間に特売、終わってなかったらいいけど!今日はっ、卵と鶏肉が半額だったよな!?今日の晩御飯は親子丼にしよう!そんなことを、考えて走ってると、



「がんばってねーーー!!おばちゃんーー!!」

「うっせーーよ!バーーカ!!」



 そんなこんなで那奈美と別れ、今日の特売を見事ゲットした俺は、家に帰った。三時半、約束の時間まで余裕がある。食品を冷蔵庫にいれ、自分の部屋に行こうと階段を上ろうとした。すると、



「ただいま。」



 我が、妹が帰ってきたのだった。妹は支配欲が強く、俺は、下僕ぐらいの扱いだ……。こんなにひどい妹を持っているのは、世界中どこ探しても俺だけだろう…。妹の名前は、野ノ原 瑞希みずき。二つ年下で、中二。学校では美人と評判らしいが、俺はそうは思わない…。



「あら、泉じゃない。早いわね。」

「ああ、そうなんだ。今日は教師たち会議だから…。」

「今日の晩御飯は…?」

「親子丼だ。」

「そう?じゃあ、今日は八時くらいに帰るからそれまでに用意しとくように。冷めたのは、ごめんだから…。覚悟しときなさいね?」

「わかった…。」



 瑞希は、夕方四時からだいたい、八時九時に出て行く。その間にご飯の支度をして、お風呂を沸かし、明日の朝ごはんやお弁当のおかずを考える。いつもなら…。



「それじゃあ、行って来るわ。あと今日は、オレンジジュースも用意しときなさい。」

「了解。」



 ガチャッ。午後四時。妹が出かけていった。さあ、俺も出かけよう。俺は、自分の部屋に行き私服に着替え、今朝渡されたペンダントを首にかけ、行きたい場所を願った。あの少女とであった場所へ。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




「来てくれたのですね!勇者様!」

「約束どうりにな…。でも、こっちに居られるのは六時までだから……。」

「それでも、うれしいです!!」



 うわあ、すごい、きらきらしてる!めっちゃ、眼差しが痛いっ。いい意味で…。



「んで、勇者は何するの?」

「もちろん、人間界を侵略している魔王を倒すんですよ!!」



 やっぱりかぁ…。だよねぇ…。そうなるよねぇ…。



「で、その魔王はどんなやつ?」



 あきらめて、魔王退治しよう。と思って気軽に聞いた



「去年、若干十二歳で、魔王の座に即座され、しかも、女の子です!」

「へえ、女の子…。名前は?」



 つもりだったが、信じられない名前が、彼女の口から漏れる。



「野ノ原 瑞希と言うらしいです。」

「えっ…?」



 この瞬間、俺は世界が、終わったと思った……。

少女の名前は次回でわかります。

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