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あそこの角を曲がると……

作者: 遥(はるか)奏汰(かなた)
掲載日:2026/09/21

ジンクスを信じる僕の、少し間抜けて愛おしい日常の一コマです。

肩の力を抜いてお楽しみください

 日常の退屈に耐えかねて、僕はいつからか自分だけの不吉なジンクスを作り出すようになっていた。たとえば「あの電柱まで息を止めて歩けたら今日はラッキー」だとか、「黒猫とすれ違ったら右足から歩き直す」だとか、そんな他愛もないルールだ。でも、今日のジンクスはいつもより少しだけ切実だった。

あそこに見える十字路を曲がってみよう。それは僕の誓いだった。

あそこに見える十字路を曲がってみよう。それは僕の誓いだった。

何の為の違いなのかはわからないけれど、誓ったそのときから僕の運命は決まっていた。あそこの角を右に折れると僕の運勢はとても良くなるのだ。

 あそこの角の先にはまず八百屋さんがある。そこで僕はきっと良い果物を見つけ出してお小遣いで買ってしまうだろうか。

そうだとしてもそれはきっと縁起の良いことなのだ。……と思う。

反対に左に曲がると大変だ。曲がってすぐにある笹川さんのお宅はデカいゴールデンレトリバーを飼っている。僕はきっとそいつに酷くまれて大怪我をするであろう。

だから、左には行かない。その運命を知れたことだけでも僕は運がいいと言えると思う。きっとそうだ。

……よし、決めた! いざ右へ!」と威勢よく曲がった瞬間、目の前に広がっていたのは八百屋ではなく、巨大な笹川さんの家だった。

しまった、ここから見えていたのは「あっちの角」じゃなくて「こっちの角」だ!

そして鎖の外れたゴールデンレトリバーとバッチリ目が合う。

僕の強運伝説は、どうやら明日からスタートするらしい。



最後までお読みいただき、ありがとうございました!

自分だけの変なルールやジンクスって、なぜか少しワクワクしますよね。

主人公の「強運伝説」が明日無事にスタートできることを祈りつつ……(笑)。

少しでもクスッとしていただけたなら幸いです。

また別の作品やエピソードでお会いできたら嬉しいです!

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