単複から脆弱、厭世蒼穹の處
××××/××/××
・追記:掲示されていた催しは中止になりました。
<お客様からの喜びの声>
30代/男性/校閲官
・中止になってくれて助かりました。何しろ仕事が増えるのは万物において好ましくありませんし、魑魅魍魎の不感をくすぐられたりでこちらの利益は皆無ですから。
50代/男性/資本家
・いわゆる催事や娯楽の類はやはり、三十年前で打ち切っておいて正解だった。しかし、雑草はどの種族でも執拗だ。主催者がレジスタンスのどいつらか知り得る時間さえ塵芥だが、一つ確かなのは検閲はこの世の全てに行われているということだ。例えそれが月の満ち欠けだとしても。
/
20代/男性/シェルター内隔離者
・それは罠でした。我々をおびき出すために政府が仕組んだ、偽装された催しの何物でも無かったのです。どこまでも欺瞞の希望を宙吊りにする彼らの首が、その光の輪で自ら絞められる日を太陽の無い場所から望んでいます。
10代/女性/無権力者
・あの丘は、いわば聖域と呼んで差し支えのない、唯一夢が見れる場所だったように思えます。多種多様なシャボン玉が幻聴の最中交わり、硬直した組織からの憐憫的啓示から身を置くことが出来たのです。だが味わうだけでは、結局私も皆も瞑目にすぎませんでした。つまり、彼一人に隠され続けたという事実は、私達低身分の存在にとって紛れもない僥倖だったと思います。そしてそれが続くことが全ての安寧を意味し、逆流の火蓋を予感させる最終段階へと足音を鳴らすでしょう。
<お客様からの諦観の声>
・調査の限り、見つかりませんでした。
/
10代/男性/沈潜技師
・かくなる会合は、目指す光を一にした同志の生存を証明する意味を包含していた。その隠密な事の運びもどうやら紛れ込んだ夾雑物ゆえか、はたまた検閲の精緻により、軍団もろとも壊疽にされていることに私は無自覚であった。父から継承した地位も果ては仮初で、力も知恵も、崇拝した思想も、例外なく彼らの演劇下だと知り、真実に溺死する。あの頃、肩を組んだ者と次に会うのは、恐らく処刑台の上だろう。
10代未満/性別不明/無権力者
・めをはらしたにせもののおかあさんがてをひいてくれた。はぁ、はぁ、ってむねがはれつしそうなおもいで、おかのうえについたら、そこにじゅうをかまえたへいたいがわたしたちをとりかこんだ。にせもののおかあさんはわたしをつきとばした。くさがからだにささって、ころがる。つぎにみたときには、にせもののおかあさんは、おかのうえでおにんぎょうになってねてた。おまつりはほんとうはやってたの。たぶん、それをとりしきるひとがかわっただけで。
20代/男性/生来罪人証発行済み
・その日より、前に産まれたか。後に産まれたか。それだけの秒針の微細な歪曲が、俺達を咎人にした。現代の我々がお前達に何をした。戯言しか漏らすことの出来ないこの口を縫い合わす自由さえ地獄でしか享受を許されないのなら、率先して俺達は再び罪を犯すだろう。
・これらの意見は次回の開催に活かされます。ご協力いただいた皆様、本当に産まれてきてくれてありがとうございました。そして犠牲になられた方、これから犠牲になる方に対し、ご冥福をお祈りします。
・もう誰も、過去に置いて行きません。




