表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「ちょ、俺が救世主!?」~転生商人のおかしな快進撃~  作者: 月城 友麻


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

124/193

124. 断罪の咆哮

 しかし、襲い掛かる破片の数は膨大である。その数の暴力の前にシールドは無力だった。展開されるそばから、シールドは破片の猛攻によって次々と砕かれていく。ガラスが割れていくかのような凄絶(せいぜつ)な響きが辺りに広がった。


 ついに防御の(すべ)を失った戦乙女(ヴァルキュリ)に、破片が容赦なく襲いかかる。着弾のたびに起こる爆発が、青白い閃光となって辺りを照らす。その光は、戦乙女(ヴァルキュリ)の魂が砕け散る様にも見えた。


 戦慄(せんりつ)すべき痛みと、深い絶望が込められた戦乙女(ヴァルキュリ)悲鳴(ひめい)が、轟音にかき消されながらも響き渡る。


 巨体がクルクルと宙を舞い、隕石のように地面に激しく墜落していった――――。


 塵埃(じんあい)が晴れた後、そこに横たわっていたのは、傷だらけの戦乙女(ヴァルキュリ)の姿だった。


 かつての輝きを失った彼女の姿に、俺は言いようのない悲しみを覚える。どれほどの苦痛を味わったのだろうか。そして、彼女もまた、この戦いの犠牲者なのではないか?


 しかし、それでもレヴィアの攻撃は止まらない――――。


 容赦のないさらなる破片の猛襲(もうしゅう)戦乙女(ヴァルキュリ)を襲う。絶え間ない爆発の中に戦乙女(ヴァルキュリ)の姿が埋もれていく。彼女の(うめ)き声が、爆発音の合間に漏れ聞こえてくる。


 レヴィアは上空から真龍の巨大な瞳で鋭い眼光を放ちながら戦況を見極めていた。戦乙女(ヴァルキュリ)がもはや動けなくなった瞬間、真紅の瞳に決意の色が宿る。


断罪の咆哮(ファイナルブレス)!」


 轟くような声と共に、レヴィアの口から強烈な粒子砲が放たれた。鮮烈なビームは、まるで空間を切り裂く稲妻(いなずま)のように、破片群の爆発の中心地にいる戦乙女(ヴァルキュリ)を貫く。その凄まじさは、まるで神話の一幕を見ているかのような衝撃だった。


 壮絶な大爆発が巻き起こる――――。


 それは先ほどの大爆発をはるかに超える規模で、世界の終焉(しゅうえん)を思わせるほどのエネルギーだった。激しく揺れる大地、天をも焦がす熱線、まさにこの世の終わりかというような衝撃が、地中に逃げている俺たちにも容赦なく襲い掛かる。


「ぐはぁ!」「ひぃぃぃ!」


 ドロシーを抱き締める俺。彼女の体の震えが伝わってくる。


「大丈夫だ、必ず助かる」


 そう言いながら、俺自身も恐怖に震えていた。


 爆発の轟音が遠ざかり、静寂が訪れる。果たして、この戦いの結末は……?


「ふぅ……、とんでもない戦いだよ……」


 俺は息を潜め、地上の様子を(うかが)った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ