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あなたにあえた

第8話です!


お楽しみください!

黒織から投げられた腕を見た白金は全力で刀を投げる。黒織はそれを簡単に躱す。


「怒っちゃいまシタ?」


白金は刀をもう一度投げる。二度目の投擲を予想していなかった黒織の箒に突き刺さり、少し高度が落ちる。


(コイッ...武器無くしてルジャ...)


背後に回っていた弧暮は包帯で黒織の体を叩き落とす。そして引き摺り回して地面と顔を擦れさせる。


包帯を解く。黒織の顔は擦りむけ血が流れている。


「いテテ...」


白金は落とした刀を一本拾ってくる。そして黒織の前で振り上げる。首を斬り落とすつもりだ。

刀が振り下ろされ首が斬られようというとき、黒織の手に落ちているもう一本の刀が飛んできて白金の刀を弾き飛ばし、黒織の手に握られる。


「あっ...」

「あなたの刀借りまスネ」


黒織が白金の脇腹を刺す。白金は声にならない叫びを上げ地面に座り込む。


黒織に頭を蹴られ、倒れる。

弧暮の飛ばした包帯を握り、斬り落とす。


「痛っ!」


黒織は白金のスマホを服から抜き取り、画面を確認する。バッテリーは残り23%。


黒織は刀を一本弧暮に投げ渡す。


「包帯はもう両手分ないでショ。それあゲル」


黒織は白金に刺さった刀を抜き取り構える。刀身には血が付いていた。

白金は激しく咳込み血を吐いて気を失う。傷口からは血が出ている。だが少量だ。


「臓器は避けまシタ。死んじゃうと刀消えちゃうんデネ」


弧暮は刀など一度も扱った事がない。白金がしていたように構える。


白金も刀を扱った経験は豊富ではない。


弧暮は怒りを必死に抑え、刀を強く握る。

白金が刺された。弧暮にとっては根間より僅かだが部屋に遊びに行ったり交流は深い。


「じゃあ初めまショ!」


黒織が斬りかかる。弧暮は避けて反撃する。


どちらも刀の扱いは素人。だが元々体力のない弧暮は刀の重さやさっきまでの戦いですぐにバテる。


「ハァッ....ハァッ....ヤバっ...いっ...」


黒織はさらに畳み掛ける。弧暮は一度距離を取る。


「にーっげなイデ!」


黒織に弧暮は引き寄せられる。その勢いで刀を落としてしまう。


(ヤバイヤバイヤバイ! どうにかどうにかどうにかなんとかしないと)


視界がスローになりどんどん黒織との距離は縮まる。


「あぁもう“ッ!こんのらぁ!」


弧暮は手で黒織の頭を掴み引き寄せる。そして擦り傷に爪を立てて掻く。


あまりの痛みに一瞬黒織の動きが止まる。そして弧暮は引き寄せられた勢いのまま黒織を押し倒す。


「ギッ..ア..」


弧暮は傷を抉り続ける。もうヤケクソだ。


「やベッ!ロォ!」


黒織は刀で弧暮を斬りつけるが乗られている体制では急所を狙えない。弧暮は無心で黒織の傷を抉り続ける。落ちていた石を拾い目を殴りつける。鈍い音と共に眼球が潰される。


「アァ...ゔぁァ..」


黒織はついに刀すら落とした。


弧暮は弱った黒織の首に手を当て、力を込める。


弧暮は全身から斬られたときの血が出る。だが気にしない。気にしている余裕などない。武器も包帯も出せなくなった自分が黒織に勝て最後のチャンスを逃すわけにはいかない。


黒織は息が出来なくなる。次第に意識を失いそうになるが、顔の激しい痛みで繋ぎ止められる。



「やべっ.....で....がっ......やっ...あ........ら」




黒織は動かなくなった。


弧暮の包帯は黒織と自分の血で赤くなっていた。

黒織の死体から鞄を取り、中から地図を取り出す。倒れた白金の変身を解いて背負い、歩いていく。


幸いそう遠くでもなかったため、すぐに根間のいるビルに着いた。

中は薄暗く、いくつかの部屋があったが、血がドアノブについている部屋があったのでそこを開けると、縛られた状態の根間がいた。


「根間....見つけ.....」


弧暮は倒れる。

戦った後ここまで白金を背負い、傷に耐え歩いてきた。バッテリーは残り5%。

白金も血が出ている。目の前の根間も止血されているとはいえ腕を斬り落とされ、怪我を負っている。


(あーーー...駄目か)


弧暮はそのまま気を失った。





晴川はまた黒い夢を見ている。だが今回は体が動く。目の前には前見た白い少女、ガンマが立っていた。


「初め......ま.......して.....晴......川......さ..........ん.....」


「誰?」


晴川は身構える。


「さん...........どめ.......ため......そ..........う...........」


晴川の視界が暗転し、次の瞬間上空にいた。


「は! え⁉︎」


慌てるが落ちない。空を歩ける。


いつも通る通学路。だが誰もいない。


「何これ....一体なんなの?」


晴川は辺りを見渡す。


「やっ..........た....でき.......た..........」


頭に声が響いてくる。透き通っているが焦ったい。


「あなた誰なの? 何?」


「教え.........................て.....あげる............ちょ................っと......だけ................」


晴川はおでこを指で弾かれた様な感覚になった。少しの痛みと共に何かを感じる。遠くから。


「梨沙....?」


いなくなったはずの友の気配を感じる。わかる。場所が。


「そこ?そこにいるの?」


晴川はしっかりと弧暮の場所を捉える。目の前にその場所があらわれる。


晴川はそこに入っていく。目の前には血まみれで倒れた弧暮や知らない少女がいる。


「梨沙! 大丈夫!?」


弧暮の怪我がひどい。顔色も悪くなっていく。


「そんな...いやだ....やっと会えたのに.....」


晴川の目から涙が溢れる。


「手」


「え?」


「て................当て................て........あげて..........」


晴川は言われた通りに手をかざす。弧暮の傷が塞がり、血が止まる。たちまち全身の怪我が治り、足の包帯も解ける。


他の少女たちにも同じ様に手をかざす。根間の腕の傷に少し顔を顰めるが手をかざす。


全員の負傷が治りきったところでまた声が聞こえてくる。


「で......きた................?」


「あなたは.....なんだったの? というかここは?」


「................私の................気まぐれ」


「何? 一体なんなの!?」


晴川は家のベッドで目を覚ました。


「夢? だったの? せっかく梨沙に...会えたのに」


晴川は喉が渇き冷蔵庫へ行こうとする。目の前には冷蔵庫の前の空間が出てきてそこに入ると冷蔵庫の前に立っていた。


「ん?なんか今変なことした様な....え?」


落ち着いて考え気づく。夢じゃなかった。現実だった。謎の力が、使えた。







弧暮は目を覚ます。縛られた根間の腕は治っており体の傷も消えていた。


「なんか....あれ....?今...誰かがいたような...」


弧暮は周りを見渡すも自分たち以外誰もいなかった。

弧暮はふと自分の足を見る。


「あれ? 治ってない? これ?」


弧暮のバッテリーは100%だった。

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